2015年6月5日

『一〇三歳になってわかったこと』篠田桃紅・著 vol.3972

【103歳を超えて見えるもの】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344027531

問題に直面した時は、既にその問題を経験した人に聞いてみるに限る。

人生の問題に悩んだら、長く生きている人に聞いてみるのが正解です。

本日ご紹介する一冊は、一〇三歳の現役美術家、篠田桃紅さんが、『一〇三歳になってわかったこと』をつづった一冊。

孤独とどう向き合うか、どうすれば死が怖くなくなるか、大切な人に先立たれたことをどう受け止めるか、お金はどう使えばいいか…。

さすが人生の達人ならではの、含蓄ある回答が読ませてくれます。

「自由という熟語は、自らに由ると書きます」
「自らの足で立っている人は、過度な依存はしない」
「自然の一部として生まれてきただけ、と思えば気負いがなくなる」
「夢中になれるものが見つかれば、人は生きていて救われる」

人間の問題のほとんどは、孤独だったり、不安だったり、恐怖だったり、いわゆる精神的な問題なわけですが、本書はそういった精神的な問題への対処法を教えてくれます。

いくつかポイントをチェックしていきましょう。

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人の領域ではないことに、思いをめぐらせても真理に近づくことはできません。それなら私は一切を考えず、毎日を自然体で生きるように心がけるだけです

この歳になると、誰とも対立することはありませんし、誰も私とは対立したくない。百歳はこの世の治外法権です

自由という熟語は、自らに由ると書きますが、私は自らに由って生きていると実感しています。自らに由っていますから、孤独で寂しいという思いはありません。むしろ、気楽で平和です

自らに由れば、人生は最後まで自分のものにできる

自らの足で立っている人は、過度な依存はしない

未来を見る目にも変化が起こります。若いときは、頭にひらめいたことはなんでもやればできる、やれそうな気がどこかにあります。しかし、今、未来を見ると、その瞬間、その未来を肯定する気持ちと否定する気持ちが同時にやってきます。頭にひらめいたけれど、もうできないだろうという否定が生じるのです。歳をとれば、人にはできることと、できないことがあることを思い知ります。そしてやがて悟りを得た境地に至ります

「いい加減」はすばらしい心の持ち方

自然の一部として生まれてきただけ、と思えば気負いがなくなる

老いたら老いたで、まだなにができるかを考える

夢中になれるものが見つかれば、人は生きていて救われる

人生を楽しむためには、人間的な力量が要ります

時間でもお金でも、用だけをきっちり済ませる人生は、1+1=2の人生です。無駄のある人生は、1+1を10にも20にもすることができます

人との競争で生き抜くのではなく、人を愛するから生きる

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読んで良かったのは、一〇三歳にもなると人間関係のストレスなどは問題ではなくなるのだろうな、という気づきがあったこと。(ほとんど話題に出てきません)

どうすれば人と対立せずに済むのか、どうすれば心穏やかでいられるのか、そのヒントが得られた気がします。

ぜひチェックしてみてください。

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『一〇三歳になってわかったこと』篠田桃紅・著 幻冬舎
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4344027531

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◆目次◆

第一章 一〇三歳になってわかったこと
第二章 何歳からでも始められる
第三章 自分の心のままに生きる
第四章 昔も今も生かされている

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