【LINE前CEO、森川亮氏の初の著書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478066345
本日ご紹介する一冊は、LINE前CEO、森川亮氏の初の著書。
これまでにも数多くの出版オファーがあったといいますが、在籍中は一切本を出さず、今回が初出版。
それだけに、注目の一冊となりそうです。
タイトルの『シンプルに考える』というのは、経営をシンプルに考えるということ。
著者の言葉を借りると、商売で成功する本質は、以下のようになりそうです。
<求める人と与える人のエコシステム(生態系)──。これが、ビジネスの本質です。お腹が空いた人に、おいしい料理を出す。冬の寒い日に、あたたかい衣服を差し出す。手持ちぶさたな人に、手軽なゲームを提供する>
これを実践するためには、シンプルな経営が有効。著者は、そのシンプルな経営を、以下のようにまとめています。
<現場はひたすらユーザーのために全力を尽くす。経営は、現場が仕事にとことん集中できる環境を守る>
となると、採用する社員の条件もじつにシンプル。
<ユーザーのニーズに応える情熱と能力をもつ社員だけを集める>
反対に、まずい人材というのもいるわけですが、それに関しても、明確な意見を述べています。
◆モチベーションを上げる必要のある人材はダメ
<企業はプロフェッショナルを採用している(中略)会社や上司にモチベーションを上げてもらわなければならない人は、プロとして失格>
◆お金と名誉を求める人材はダメ
<「お金」と「名誉」──。これは、人間にとって非常に魅力的なものです。しかし、僕は、これらをモチベーションに働くのはむしろ危険だと考えています。理由はシンプルです。「お金」や「名誉」を手に入れると、それを守ろうとしてしまうからです>
マネジメントやマーケティングに関してもヒントが散りばめられています。
いくつか気になった部分をご紹介しましょう。
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人材、資金、時間などの限られたリソースを、「あれも大事、これも大事」と分散させてはなりません
ユーザーを愛する気持ち。自分が携わる商品やサービスを愛する気持ち。これが、ビジネスを成功させるためにいちばん大切なもの
僕が企画の採択にあたって重視するのは、その企画に提案者の個人的な「実感」が込められているかどうかです
<インターネット・ビジネスで重要なのは、ユーザーベースを獲得することです。ユーザーベースが大きくなれば、後に必ずビジネスにつなげていくことができます
<正直に言えば、経営者としては売上も利益もほしいのが実情です。だけど、「売上もほしい、ユーザーも増やしたい」と二律背反のメッセージになれば、現場は混乱するだけ。それよりも、「ユーザーの拡大」に全力投球してもらったほうがいい。だから、あえて「儲けなくていい」というメッセージを明確に発信したのです。その結果、社員たちは圧倒的なスピードで、無料電話、スタンプ、ゲーム、公式アカウントなど、次々と新しいサービスを開発。LINEを世界で最速の成長スピードを誇るサービスのひとつにすることができたのです>
<「計画者」と「実行者」を分けてはいけない>
<「差別化」は狙わない ユーザーは「違い」ではなく、「価値」を求めている>
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さすが、LINEで大成功を収めた著者だけあって、言葉に勢いを感じます。
ぜひチェックしてみてください。
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『シンプルに考える』森川亮・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478066345
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◆目次◆
第1章 ビジネスは「戦い」ではない
第2章 自分の「感性」で生きる
第3章 「成功」は捨て続ける
第4章 「偉い人」はいらない
第5章 余計なことは全部やめる
第6章 イノベーションは目指さない
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