2014年12月9日

『「なぜか売れる」の公式』理央周・著 vol.3794

【売るための「キホン」】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319544

本日の一冊は、インディアナ大学経営大学院でMBAを取得後、アマゾンジャパン、マスターカードなどでマーケティング・マネジャーを務めた著者が、売るための基礎知識と、ちょっとした気づきを与えてくれる一冊。

体系立ったマーケティング書籍が売れなくなって久しい昨今ですが、ちょっとした気づきが商品や売り方をガラリと変えてしまうことは、よくあることです。

本書では、これまでのマーケティング書ではあまり触れられていない視点が3つ紹介されています。

ひとつは、最近注目を集めている「トリプルメディア」というモデル。

これは、ペイドメディア、オウンドメディア、アーンドメディアからなるモデルで、ペイドメディアで得た顧客を自社メディアに引き込み、リピートで儲けるモデル。信頼や評判を得るためのアーン
ドメディアが入っているのも面白いですね。

◆「トリプルメディア」
・ペイドメディア(paid)メディア ※買うメディア
・オウンド(owned)メディア ※自社で持つメディア
・アーンド(earned)メディア ※自社が信頼や評判を得るメディア

2つ目は、先日ご紹介した『セゾンファクトリー 社員と熱狂する経営』にも書かれていた、高級品を体験してもらうという視点。最近は家電店でネスプレッソなどがやっているので、今後主流になるかもしれません。

※参考:『セゾンファクトリー 社員と熱狂する経営』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822277763

そして最後3つ目は、「差別化よりも独自化」を目指すという視点。

競争激しい昨今では、差別化がどんどん難しくなっていますが、そこで著者は、こんな提案をしています。

<差別化よりも、独自化を考える。差別化とは、競争が激しい市場において、自社の商品やサービスを競合よりも少しでも優れたものにしようとすることです。一方、独自化とは、他社がまだやっていないことを市場に出していくことです>

また、自社の強みを一点集中で伝えても、顧客は価値を「総合的」に判断するため、それだけをもって選んでもらえるとは限らない、という指摘も、なるほどと思いました。

行き詰まったマーケティングに、新たな活路を見出させてくれる、そんなヒント満載の一冊です。

ぜひ読んでみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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不振な会社や店の大半は、顧客価値が低かったり、ニーズが明確でない商品やサービスを売ろうとしています

人間は「機能」ではなく、「価値」にお金を払う

自分の店の一番の人気商品は大福だから、何かを組み合わせて新しい商品をつくってみよう、そういう発想のほうがうまくいく確率は高くなります

自社の持つ独自の強みから離れてはいけません。そこからブレると、顧客を失いかねない

顧客は私たちが思っているほど、私たちの会社や商品のことを知らない

顧客と自社をつなぐすべての接点や仕組みをメディアとしてとらえ直し、マーケティングに活かせるように、3つに整理・分類した「トリプルメディア」というモデルが、注目を集めています。トリプルメディアの中身は、次の3つです。

・ペイドメディア(paid)メディア ※買うメディア
・オウンド(owned)メディア ※自社で持つメディア
・アーンド(earned)メディア ※自社が信頼や評判を得るメディア

ユニークな商品に、ポイントカードはいらない

高額商品は、「体験」してもらう

売り上げは、常連さんがつくっている

顧客が「コーヒーを飲みたい」という場合、多くの選択肢がある中でスタバを選ぶ理由は、「便利で安いお店がいいけれど、割と本格的で、かつゆっくりと過ごしたい」ということになります

「違い」をつくるために、似ているところを探る

しばしば口にされるセリフに、「弱みを矯正するより、強みを伸ばせ」というのがあります。これには正しい側面もあるのですが、1点の強みを伸ばし、顧客にメッセージとして伝えても、顧客は価値を「総合的」に判断しますから、それだけをもって選んでもらえるとは限りません

差別化よりも、独自化を考える。差別化とは、競争が激しい市場において、自社の商品やサービスを競合よりも少しでも優れたものにしようとすることです。一方、独自化とは、他社がまだやっていないことを市場に出していくことです

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『「なぜか売れる」の公式』理央周・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319544

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◆目次◆

プロローグ 売るためには、3つのポイントだけで考える
第1章 顧客には、「天ぷらうどん」を勧めましょう
    ──「何を」を考える
第2章 中学生に自転車を売ってはいけない
    ──「誰に」を絞り込む
第3章 とびきり美味しいカフェ、さて店名は言えますか
    ──「どうやって」を練る
第4章 その商品、本当に欲しいですか
    ──顧客目線になる
第5章 「売れる」の公式を知っている人
    ──学んで実践する

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