【不覚にも泣けた、お金の話】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4838727143
本日の一冊は、70万部を突破した『世界から猫が消えたなら』の著者、川村元気さんによる、お金のエンタテインメント本。
※参考:『世界から猫が消えたなら』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4094060863
スタッフの重見くんに「ラスト、泣けますよ」と勧められ、読んでみたところ、不覚にも泣いてしまいました。
簡単ですが、あらすじを紹介しましょう。
主人公は、宝くじで3億円を当ててしまった図書館司書の一男。宝くじの当選者たちが、その後悲惨な人生を歩むことを知り、恐怖を感じた一男は、かつての親友であり、ベンチャービジネスで大富豪となっていた九十九のもとを訪ねます。
3億円の現金を実際に見て触れることを勧める九十九に従い、現金を下ろし、タワーマンションを訪れた一男は、そこで九十九に現金3億円を持ち逃げされてしまう。
なぜ九十九は消えたのか?
主人公の一男は、親友・九十九の消息を追っていくうちに、彼とともにベンチャービジネスを成功させ、財を成した十和子、百瀬、千住を訪ねます。3人は、お金持ちになったにもかかわらず、「何か」を失った人々でした。
「人間にとってお金とは何なのか?」「お金と幸せの関係は?」
この深遠な問いに、ソクラテス、ドストエフスキー、アダム・スミス、チャップリン、福沢諭吉、ジョン・ロックフェラーなどの偉人の教えを引きながら答えたのが、本書『億男』です。
ラスト、一男と九十九の友情がどうなるのかは、読んでみてのお楽しみ。
お金に対する偏見を排し、人を信じることの素晴らしさを教えてくれる、感動のお金エンタテインメント本です。
お金儲けのヒントもたくさん書いてありますので(笑)、ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「金持ちが、そのお金をどのように使うか分かるまで、その人間を褒めてはいけない」かつてソクラテスは言った。
「この世界ではあたりまえちゃうことのほうがとかく目立つし、よく思われたりする。でも勝つためには、あたりまえを見つける目が必要なんや(略)」
「賭けって言葉、印象悪いやろ。でもボクはこの言葉好きなんや」去り際に百瀬は笑いながら言った。「だって何かに賭けるってことは、それを信用するってことやろ。それって素敵なことやと思うねん(略)」
陶器屋は貧しい家で生まれた。だが、彼には才能があった。美しく端正な陶器を作る才能が。やがて彼は、皿や茶器を作っては、スークの中の店に置いてもらうようになった。彼の陶器は評判がよく、とてもよく売れた。(中略)彼は大金持ちになったが、働き方を変えることはなかった。毎日深夜に起きて陶器を作り、朝日が昇るのと同時に汚れた“衣装”に着替え、街へと出かける
「『信じることができる人を求む。僕が信じることのできる人。僕のことを信じてくれる人』。驚くほど下手で、でも見入ってしまう力強さで書かれた毛筆の文字。九十九が書いた募集要項でした」
“信用”で始まったわたくしたちの関係は、それを疑った瞬間に終わってしまった
夢、そして信用。それらは一度売ったら買い戻せない
「例えば、あなたが今日ここに大金を持ってきたとする。バレエが終わり、会場を出て、私たちは借金を返して、欲しいものを全部買って帰る。もう必要なものはないはずよね。でも、そういうことには決してならない」「なぜなら人は、明日を生きるために、“何かを欲する”生き物だから(略)」
「死ぬことも、恋することも、人間が誕生したときからそこにあったものだ。だけどお金だけが、人がみずから作り出したものなんだ。人の“信用”を形に変えたものがお金なんだよ。人間がそれを発明し、それを信用して、使っている。だとしたらお金は人間そのものだと思わないか? だから僕たちは、人を信じるしかない。この絶望的な世界で、僕たちは人を信じるしかないんだ」
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『億男』川村元気・著 マガジンハウス
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◆目次◆
一男の世界
九十九の金
十和子の愛
百瀬の賭
千住の罪
万佐子の欲
億男の未来
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