【全編エピソード。異色のビジネス書】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484141159

本日の一冊は、数多くのヒット広告を手掛け、ニューヨークの広告業界誌「Ad Age（アドエイジ）」の「世界で最もクリエイティブな広告エージェンシーに選ばれた」The Gate Londonの代表、デイブ・トロット氏による一冊。

通常のビジネス書と違い、全編エピソードの内容で、そこから仕事に活かせるアイデアが学べる、変わったビジネス書です。

修理を無料にして信用と大きな取引を手に入れた配管工の話、世界の名立たる美女たちと浮名を流してきた俳優のウォーレン・ベイティの口説き方、自分を「大した人物にならない」と言った教師に復讐するため、パブチェーンの店名に元教師の名前を付けたＪＤウェザースプーンの創業者の話、侮辱や挑発を宣伝媒体に変えたアンディ・ウォーホル、出演契約残り１週間で毒の効いた芸風を確立し、イギリスで最も成功したコメディアンの一人になったジャック・デ
ィー…。

興味深い人物とそのエピソードが登場し、ビジネスやマーケティング、ブランディングで大事なことを教えてくれます。

どのエピソードから、どう学ぶかは、読者次第。

エッセイ風の文章で、肩肘張らずに読めるので、電子書籍で読んでもよいかもしれません。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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目的が１つなら、最も重要なメッセージの伝達に100％を費やすことができる

掘削機とフェラーリを合体させても、時速300キロで道路を掘るマシンはできない

配管工は言った。「これでよし。詰まりを解消しておきました」アランの父親は感謝の気持ちでいっぱいだった。
父親は言った。「本当にありがとう。いくらお支払いすればいいかな？」
配管工は答えた。「無料です」
父親は言った。「暖房を直してくれたんだから、代金を払わなければ」
配管工は答えた。「ハンマーでパイプを叩いただけなのに、修理費なんてもらえません」
父親は言った。「でも、それでは申し訳ない」
配管工は答えた。「だったら……」
「お宅のボイラーはものすごく古い。近いうちに交換しないといけないと思います。そのときは私に声をかけてくれるということで、どうですか？」

拒絶に対処できない人間は、成功の可能性を自ら狭めている。目指すものが広告であれ、鋤であれ、誰かとのセックスであれ。山ほどのカエルにキスしなければ、王子さまにはめぐり会えない。

ＪＤウェザースプーンの創業者をすごいと思っている。ウェザースプーンはイギリス各地にパブやホテルをチェーン展開する企業だ。1979年にティム・マーティンが創業した。今ではパブ800軒以上とホテル26軒を経営し、従業員は２万人強。年間収入は９億5500万ポンド、営業利益は9700万ポンドに上る。（中略）何にも増して感銘を受けたのは、会社の名前が「ウェザースプーン」である理由だ。ウェザースプーンは、マーティンが教わった教師の名前だった。この教師はマーティンの両親に、この子は大した人物にはならないと言ったという。その言葉が間違っていたことを、マーティンは証明しようとした

先に認めて主張してしまえば、批判はすべて宣伝に変わることを、ウォーホルは理解していた

ジェーン・ジャスカは引退した元教師だった。ある日、彼女は『ニューヨーク・レビュー・オブ・ブックス』誌に個人広告を出した。その内容は──「67歳になる来年３月までに、好きな男性とたくさんセックスしたいのです。会話から始めることをお好みなら、話題はトロロープで」反響はすごかった。

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『プレデターシンキング（略奪思考）』デイブ・トロット・著　ＣＣＣメディアハウス
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484141159

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◆目次◆

クリエイティブ、それは名詞ではなく形容詞
人生はゼロサムゲーム
広告の90％は無駄
逃げるか、学ぶか
「より少ないことはより多いこと」、まさしく
クリエイティビティの敵は「いいセンス」
勝つための戦い方
形態は機能に従う
媒体は人間の心
旅こそが行き先