【クリステンセン教授絶賛のイノベーション論とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4484141167
本日の一冊は、ブラウン大学を卒業後、ソフトウェア企業を設立し、CEOとして活躍したフランス・ヨハンソンによる世界的ベストセラーの邦訳。
もともと『メディチ・インパクト』の題名でランダムハウス講談社より出されていたものを改題したもので、イノベーションやアイデアに関し、興味深い視点を示しています。
本書の中核アイデアである「メディチ・エフェクト」とは、金融業で栄えたメディチ家(フィレンツェ)のもとに彫刻家や画家、詩人、哲学者、科学者、金融業者、建築家など多種多様な人々が集結したことを指しており、異質な者の交流がイノベーションを促進する、という今ではすっかり定着した考え方を改めて説いています。
シロアリの塚からヒントを得て、灼熱のジンバブエ・ハラレに空調のないオフィスビルを建てた建築家のミック・ピアース、大ヒットゲームとなった「マジック:ザ・ギャザリング」のリチャード・ガーフィールドなど、イノベーションを実現した事例がいくつか登場し、成功の秘密に迫っています。
<ある言葉を聞いたりイメージを見たりしただけで、人間の頭のなかにはいくつもの連想観念がよび起こされ、それらの観念は互いに鎖のようにつながっている。こうした連想の連鎖は、その人間の体験に関連した領域に集中する>
著者いわく、この連想の連鎖こそが、われわれの幅広い思考を妨げており、<早くから創造性について研究してきた>J・Pギルフォードによれば、<創造的な精神の持ち主は普通とは違う連想をする傾向がある>そうです。
では、どうすれば普通とは違う連想をする人間を育てられるのか?
著者によれば、<異なる文化のもとで暮らしたり働いたりした体験と、そのことの意味を吟味できる十分な時間をもつことによって、人は連想のバリアを低くできるし、そもそもそのようなバリアを築かないようにすることすらできる>そうです。
あのクレイトン・クリステンセン教授も絶賛。イノベーティブになるためのヒントが欲しい方には、最適の一冊です。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「メディチ・エフェクト」
フィレンツェで銀行業を営み繁栄したメディチ家は、幅広い分野の文化人や芸術家を保護した。メディチ家やその他のいくつかの資産家のおかげで、フィレンツェには彫刻家や画家、詩人、哲学者、科学者、金融業者、建築家など多種多様な人びとが集結した
エコロジーに関心の深い建築家ミック・ピアースはあるとき、保険・不動産大手のオールド・ミューチュアルから一風変わった注文を受けた。美しく機能的で空調のないオフィスビルを建ててほしいというのだ。しかも建設場所はアフリカ、ジンバブエの首都ハラレだという。一見、これは無理な注文にみえる。ハラレといえば、かなり暑い場所だ。だがジンバブエで生まれ、南アフリカで教育を受け、ロンドンで建築学を学んだピアースは、この難題を受けて立つことにした。そして彼は、なんと土でできたシロアリの塚からそのヒントを得たのだ
今後なされる発見の多くは、過去の発見とは質の違ったものになるだろう。それは世界を構成する個々の要素についての理解ではなく、それらの要素同士がどのように作用しあっているかについての理解を助けるものになるはずだ
「科学者に自分の専門以外のことを考えさせるようにすることだ」サンタフェ研究所ジョージ・コーワン
早くから創造性について研究してきたJ・Pギルフォードが初期に出した結論のひとつは、創造的な精神の持ち主は普通とは違う連想をする傾向があるというものだった
異なる文化のもとで暮らしたり働いたりした体験と、そのことの意味を吟味できる十分な時間をもつことによって、人は連想のバリアを低くできるし、そもそもそのようなバリアを築かないようにすることすらできる
学校にせよ、師匠にせよ、組織の文化にせよ、およそ教育というのは、ある特定の分野において有効とみなされたものを伝授しようとする
「マジック:ザ・ギャザリング」創造者が語った成功のポイント「最大の突破口は、全員が同じカードを持っていなくてもいいんじゃないかと思いついたことだった」(リチャード・ガーフィールド)
成果を最大限に上げるには、成功も失敗も等しく報いを受け、「無行動」が罰の対象になる環境が必要なのだ
人がもっとも恐れるリスクとは、金銭的損失でも時間の浪費でもない。皆、自尊心や地位や評判に傷がつくことを何より恐れている
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『アイデアは交差点から生まれる』フランス・ヨハンソン・著 CCCメディアハウス
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◆目次◆
第I部 交差点
第1章 イノベーションの生まれる場所
第2章 交差点が生まれるとき
第II部 メディチ・エフェクトを生み出す
第3章 垣根を取り払う
第4章 連想のバリアを壊す
第5章 偶発的な概念の組み合わせ
第6章 偶発的な組み合わせを見つける
第7章 アイデアの爆発に火をつける
第8章 爆発をわがものにする
第III部 交差的アイデアを形にする
第9章 失敗を乗り越えて実行せよ
第10章 決してひるまず、成功へと前進する
第11章 既存のネットワークから飛び出す
第12章 ネットワークからの脱却
第13章 リスクを引き受け、不安に打ち克つ
第14章 公平な目でリスクを測る
第15章 交差点に踏み込め
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