【ついに日本一。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569821359
おかげさまでBBMは今日で3776号。
日本一の山、富士山の高さについに追いつきました!
ということで、無理矢理ですが、本日は日本一にまつわる書籍を紹介。
2010年、14年にプロ野球で最多勝、13年に最多奪三振、14年に最優秀防御率のタイトルを獲得した「日本一の投手」、金子千尋さんによる一冊です。
『どんな球を投げたら打たれないか』というタイトルからも臭うように、野球の話を超え、「どうすれば勝てるのか」という、勝利するための思考術を説いた内容です。
勝利するための要因を「出塁率」に求めたオークランド・アスレチックスのGMビリー・ビーンよろしく、金子投手もまた、勝利の要因に関して、人とは違った考え方を持っているようです。
※参考:『マネー・ボール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4150503877
通常、投手は自分が思った通りのところに「理想の球」を投げたいわけですが、これは打者目線ではないと、著者は指摘します。
実際のコメントを引用してみましょう。
<ピッチャー目線であれこれ考えることに、それほど意味があるとは思えません。実際に対峙するのは打者ですから、打者目線で、そのボールが通用するのかどうかを判断したいのです。ブルペンでどんどん投げ込んで、ボールを受けてくれたキャッチャーが「ナイスボール」と言ってくれても、それはキャッチャー目線であって、打者目線ではありません>
では、打者目線で通用するボールとは一体何なのか。
そこで著者が思いついたのが、「小さな変化」をするボールでした。
打席に立って一番いやなのは、<手元にきてわずかな変化をするボール>であり、これを気づかれないように投げる。
そうすることで、<ストレートも変化球と同じ効果を持つ>と、著者は説くのです。
ボールの形状の変化すらも、ピッチングに生かすという著者のしたたかな考え。勝つためにどんな思考が必要か教えてくれる、野球を超えたテキストです。
名著『もっと深く、もっと楽しく』のなかで、アマチュアゴルフ界の伝説、中部銀次郎氏は、こう述べました。
<いいかい、3オン・1パットも4、4オン・0パットも4、2オン・2パットも同じなんだよ。どういうショットで、どういうパットでスコアをまとめたか、関係ないんだ>
似たようなことを、金子投手も述べています。
<バットの芯を少しずらして、内野ゴロに打ちとる。それが僕の理想です。なぜなら、初球でそのことに成功すれば、たった一球でアウトカウントを一つ増やせるからです>
勝利を手にする人は、「自分のやりたいこと」ではなく、「勝つために何をすべきか」に徹底してこだわる。
本書を読めば、勝利する人がどんな思考を持っているか、よく学べるはずです。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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思考はときに才能を超える
変化球の“変化”の定義はなにか。そのことから、僕の思考は始まります
飛び抜けた才能を持つ選手ばかりが集まる世界で、自分が一軍のマウンドで活躍するには、なにか自分の武器といえるようなボールを持たないと難しい
真っ向勝負=ストレート勝負という感覚が、僕にはない
最高の打者を打席に迎えたとき、自分の最も自信のあるボールを投げることこそが、プロの真っ向勝負だと思うのです。だからこそ、僕は今年のオールスターで変化球を投げ続けました
ピッチャーとしてずっと理想にしていたことが、かっこよく三振を奪ったり、勝ち星や防御率の数字をよくすることではなく、負けないピッチングをすることだった
ピッチャー目線であれこれ考えることに、それほど意味があるとは思えません。実際に対峙するのは打者ですから、打者目線で、そのボールが通用するのかどうかを判断したいのです。ブルペンでどんどん投げ込んで、ボールを受けてくれたキャッチャーが「ナイスボール」と言ってくれても、それはキャッチャー目線であって、打者目線ではありません
すべてのボールをいかに、変化するぎりぎりのところまでストレートに見せるか。そういうボールを駆使できるようになれば、ストレートの軌道できても、打者は変化球を意識するようになります。すると、ストレートも変化球と同じ効果を持つボールになります
バットの芯を少しずらして、内野ゴロに打ちとる。それが僕の理想です。なぜなら、初球でそのことに成功すれば、たった一球でアウトカウントを一つ増やせるからです
プロ野球の試合中継を見ていると、ピッチャーやキャッチャーがボールの交換を主審に要求するシーンが多いと思いませんか。あくまで僕の推測ですが、それはやはり、ピッチャーは自分が思い描いた通りのボールを投げたいからです
硬球は文字通り硬いイメージがあると思いますが、ゲームが進むなかで少しずつ変形していきます。僕はそのボールの形状の変化も、ピッチングのプラスにします
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『どんな球を投げたら打たれないか』金子千尋・著 PHP研究所
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◆目次◆
まえがき 人と同じことをしても、つまらない
第1章 理想のピッチングスタイルを求めて
第2章 “変化球”についての考察
第3章 “金子流”七色の変化球
第4章 変化球を生かす投球術
第5章 マウンドの心理学──“幻のノーヒット・ノーラン”を振り返る
第6章 ライバルに学ぶ
あとがき この悔しさを、必ず糧にする
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