【あの人が出世する理由】
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本日の一冊は、アクセンチュア、日本総合研究所でキャリアを積み、人事コンサルタントとして、数多くの企業の人事制度に関わってきた著者が、いまどきの「出世」のメカニズムを読み解く一冊。
どの企業でも、誰かが出世すると「なぜ、あの人が?」ということになりがちですが、じつは、それは周囲が出世のしくみを理解していないから。
土井も若いうちにサラリーマンを降りているので勉強不足でしたが、これを機に学んでみたところ、なるほど、しくみがよくわかりました。
本書によると、<いわゆる「できる人」が出世するのは課長手前まで>。
部長以上、まして経営層に入ろうと思ったら、まったく違う基準が適用されます。
なぜかというと、<「使われる側」で評価されるスキルと「使う側」に必要な能力は全くの別物>だからです。
著者によると、近年は「職務主義」の考え方が浸透していて、昇進もこの考え方に沿って行われています。
◆近年増えている「職務主義」の考え方
「優秀な課長が部長になるのではなく、部長の仕事にふさわしい人を部長に据える」という考え方
つまり、もし部長になろうと思ったら、部長にふさわしい問題意識を持ち、昇進面接でも、ふさわしい答え方や自己PRをすること。
本書のなかに、「クレーム客に直接足を運んだ課長」を昇進させなかった例が出ていますが、やはり「部下を育てることができていない」のはマイナスなのです。
いわゆる「抜擢された」人の例も含め、事例が書き込まれており、リアリティを感じさせる内容です。
これからのキャリアを考える上で、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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出世している人たちの共通点は、会社の中での人事評価を気にしない、ということ
課長に代表される管理職までは、経営層に使われる側の立場で出世競争が行われる
◆昇進判断の典型的なプロセス
「滞留年数の確認」:これをクリアしないとまず候補にならない
「人事評価結果の確認」:昇進候補にふさわしいかどうかのチェック
「昇進テスト類によるふるいおとし」:昇進に際して必要な知識の有無を判断
「小論文確認」:実際には面接時の参考として使う程度
「昇進面接」:各種基準の裏付けおよび人物判断
「最終判断」:経営層などによって◯か×かを決定する
そもそも、部長候補になるレベルの人が、昇進面接の場で、一顧客への対応を答えたこと自体が間違っている。それは、部長手前の役職に就いているにもかかわらず、部下を育てることができていない、と証明しているようなものだからだ
◆経営層に出世する2つのルート
・社長を代表とする、ゼネラリストとしての出世
・財務担当取締役や情報システム担当取締役に代表される、スペシャリストとしての出世
◆実際に出世している人たちがとっている2つの行動
・つながりを大事にしている
・質問を繰り返している
幸せに退職した人は、辞めた後でも会社のファンでいてくれる。だ
から幸せな退職者が多い会社は、目に見えない財産を持っている
経営者の仕事は「神と話す」こと
経営層になる人は、仕事とプライベートを区分しない
転職に際しての感覚でいえば、「あなたを引き抜けばチームごと来てくれますか」「顧客や取引先はどれだけ連れてこられますか」ということになる。だから、つながりが多い人ほど労働市場での価値は高まる
「定年は70歳、でも人生で一番の高収入は35歳時」という未来も
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『出世する人は人事評価を気にしない』平康慶浩・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
第1章 評価が低いあの人が、なぜ出世するのか?
第2章 課長手前までは「できる人」が出世する
第3章 役員に上がるヒントは、ダイエット本の中にある
第4章 採用試験の本番は40歳から始まる
第5章 飲みに行く相手にあなたの価値は表れる
第6章 レースの外で、居場所を確保する方法
第7章 「求められる人」であり続けるために
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