【就職しない生き方とは?】
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本日の一冊は、『評価経済社会』の到来を予言した岡田斗司夫氏が、「就職しない時代」の働き方を提案した一冊。
もともとは、著者が2011年に同志社大学で行った講演がベースになっているとのことです。
著者によると、<ほんとうは「働く」ことが大事なのに、いつの間にか「就職=会社に雇われる」ことばかり考えている。結果として、二十歳くらいから二十三歳くらいまでのあいだ、国民の関心が「就
職」にしかないというヘンな国家になっている>。
では、昔はどうだったのか?
著者は、現在の就職至上主義、正社員至上主義に異論を唱え、江戸時代の日本人の働き方に言及しています。
<武士としての「就職」にこだわらなかった一般の人たちにとって、江戸時代はどうだったのでしょう? じつは、働き口はいくらでもありました。彼らはふつうの商売人です。でも、お店に就職した人
間など、ほとんどいません。自分で商売を始める人が多かった。しかも、出店するというより、棒一本もってその前後に荷物をぶら下げて商売を始める、といった気楽さ>
この時代に、あくまで仕官にこだわった、つまり「就職」にこだわって貧乏になったのが「武士」であり、これからは民間のベンチャーしかないんだ、と気がついたのが、坂本龍馬や岩崎弥太郎だった、ということです。
著者は、われわれが今もって感じている<「食うため」にお金が必要>という強迫観念にメスを入れ、今日の評価経済社会を分析。
そこで生き残るために必要な資質として、「かわいげ」を挙げているのです。
・有益なつながり
・「単職」から「多職」へ
・宵越しのほめはもたない
・だれかの世話をするためにお金を使う
これまでの常識とは明らかに違う、新しい生き方・働き方のヒントが散りばめられており、じつに興味深く拝読しました。
ぜひみなさんも、チェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「食うため」にお金が必要。ほんとうでしょうか? 考えずに即答してください。あなたは収入の何パーセントを「食うため」に使っていますか?
もらったものは、そのストーリーを他人に語れる。でも、自分でお金を払って買ったものは「いくらで買ったか」しかありません。せいぜい「どこで買ったか」。銀座で買った、ドンキで買ったとか
だれかの心に覚えてもらえる。ストーリーの一部になる。これを
「ミーム」(知伝子)と呼びます
お金を稼いで切符を買って行くのでは、すべて自分一人きりの問題解決にしかならない。でも、「だれか私を東京に連れていってください」と発言すると、それは「みんなの問題」になる
「だれかの世話をするためにお金を使うこと」これこそ稼ぐ動機、お金が必要な理由の本質ではないか
「夫婦だからいっしょに住む」という関係まで変化しています。いっしょに住みたいから住む。便利だからいっしょに住む。こうした「そのときの気持ち優先」が僕たちのあこがれになりつつある
いまや「かわいげ」は、ビジネススキルや資格よりも「生き残り戦略」にとってずっと重要な要素になりつつあります
タダで出まわっているのは「いちばんいいお米」。売られているのは「次にいいお米」。だれでも、身内に配るものにいちばんいいものをまわします
優位なのは「有益なつながり」が多い人。すなわち「評価の高い人」
「単職」から「多職」へ
(1)まずは、いろんなお手伝いをさせる。
(2)そのうち、お手伝いをほかの人にまわせるようにする。
新しい時代の子育ては、この二つのステップを踏むべきでしょう
「宵越しのほめはもたない」。こんな感じでがんばっていると、そのうち、逆にほめられるようになります
「ほめ」は評価経済の最小単位
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『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』岡田斗司夫・著 PHP研究所
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◆目次◆
第1章 もう就職できないかもしれない
第2章 でも、そんなにお金は必要なのか?
第3章 お金は動かなくても経済はまわる
第4章 「お手伝い」という働き方
第5章 最後は「いい人」が生き残る
終章 あらためて就職を考えよう
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