2014年10月29日

『えんぴつの約束』アダム・ブラウン・著 vol.3753

【「800-CEO-READ」売上第1位の注目作】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864103755

本日の一冊は、ニューヨーク・タイムズ第2位、800-CEO-READ売上第1位に輝いた、全米で話題のヒット作。

16歳からヘッジファンドで働き始め、ブラウン大学で経済学を学び、ベイン&カンパニーでコンサルタントを務めた著者が、その地位と高給を捨て、社会起業する話をまとめた一冊です。

著者はPOP(ペンシルズ・オブ・プロミス)という社会貢献企業を設立し、これまでに200の学校を建設していますが、その勇気ある決断の裏には、こんな気持ちがあったようです。

<自分のためだけに仕事をする毎日。他人には見せないようにしていたが、幸せな気分は日に日に薄れていく。お金よりも人生の意義を見つけたいという声に、眠れない日が続いた>

そんな著者が、社会起業するきっかけとなったのは、インドで出会った少年との、こんなやりとりでした。

「なんでもいいんだぞ。本当にもらえるかもしれないんだから」
その子は答えを変えなかった。
「えんぴつ」
ぼくのバックパックの中には黄色い鉛筆があった。それを抜き出して男の子に渡す。鉛筆がぼくからその子の手にわたった瞬間、その子の顔がパっと輝いた。男の子はまるでダイヤモンドを見つめるように鉛筆を見ていた

先進国の人間にとって当たり前の道具に過ぎないものが、途上国の子どもにとって、人生を開く扉の鍵となる。

そのことに気づいた著者の人生は、急速に社会起業へと舵を切ることになります。

内容の9割は著者のエピソードですが、随所に出てくる名言、決断にいたった思想は、読み応えがあります。

いくつか紹介しておきましょう。

<人生には、これからすべてが変わると感じられる瞬間がある。その瞬間に行動を起こさなければ、人生はそれまでと同じままだ>

<ただの妄想者とリーダーの違いは、ほかの人が一緒に夢を背負ってくれるかどうかだ>

<どんなことでも、成功するには一〇〇パーセント打ち込まなければならない。特別ななにかの一部になったからには、それを育み、外部の雑音や誘惑からその志を守る責任がある>

現在、守るものがあって思い切った行動を取れていない方には、刺激的な一冊だと思います。

ぜひ読んでみてください。

———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–

夢を実現する人と夢見る人の違いは、最初のひらめきをすぐに行動に移すかどうかだ

その昔、見返りをもとめずにぼくの家族を救ってくれた人がいたように、今度はぼくがだれかを助ける番だった

ぼくは、メンターのひとりでファンドマネジメント会社を経営するジョージ・スタントンに相談することにした。「人生の中には、経験より金を選ぶべきときがある」ときっぱり言われた。「だが、その差がものすごく大きいときだけだ。数千ドルじゃなく、数百万、数千万ドルの差があるときでないといけない。今の君にとって五万ドルは大金だろうが、長い目でみれば経験の方がずっと価値がある」

人生には、これからすべてが変わると感じられる瞬間がある。その瞬間に行動を起こさなければ、人生はそれまでと同じままだ

ただの妄想者とリーダーの違いは、ほかの人が一緒に夢を背負ってくれるかどうかだ

ぼくらは被害者や加害者になるより、第三者になることの方が多い。自分が当事者でなくとも他者を守る道義的な責任はあるはずだ

世間がダメというようなアイデアに優秀な人材が引き寄せられると、そこに強力な絆が生まれる。ぼくらは仮想の敵を作りあげ(ぼくらの夢が不可能だという世間)、それがみんなを共通の目標に駆り立てた

「まだ会っていない友達を他人と言うのよ」
(アラバマで会った年配のレストラン店主の女性)

どんなことでも、成功するには一〇〇パーセント打ち込まなければならない。特別ななにかの一部になったからには、それを育み、外部の雑音や誘惑からその志を守る責任がある

ぼくは、三つの条件が揃わないうちは、既存のマスコミにPOPのストーリーを語らないとはじめから決めていた。まずは「すげぇ」と思えるストーリー(中略)次に、問い合わせに対応できるバックエンドのシステムの整った、美しいウェブサイト。最後に、ぼくたちに興味を示した人をただちにフォローアップできるようなスタッフとインフラだ

自分を向上させてくれる人の側にいる

————————————————

『えんぴつの約束』アダム・ブラウン・著 飛鳥新社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4864103755

————————————————-

◆目次◆

プロローグ
1.ひとと違う道を歩む
2.居心地のいい場所を出る
3.生かされている意味を知る
4.一本の鉛筆で変わる人生もある
5.名刺ひとつで大きなことができる
6.ツーリストは見物し、トラべラーは模索する
7.許可を求めない
8.ひらめきをつかみとる
9.大きな夢も、理由のない小さな行動からはじまる
10.信用は日々作られる
11.夢を口に出してみる
12.目的を持って歩く
13.幸せとは、だれかを祝うこと
14.不可能に発奮する仲間を見つける
15.ひとりだけに語りかける
16.啓示を読み取る
17.つながるために離れてみる
18.最終決定者からイエスを引き出す
19.モノよりも志に従う
20.本物になる
21.第一印象は取り消せない
22.失敗と向き合う
23.フォローアップを忘れない
24.言葉を変えれば評価も変わる
25.明確な目標だけが現実になる
26.自分を向上させてくれる人の側にいる
27.弱さをさらけ出す
28.反響を増幅させる
29.怖くなるほど大きな目標を掲げる
エピローグ 語る価値のある人生を送ろう
謝辞
訳者解説

この書評に関連度が高い書評

この書籍に関するTwitterでのコメント

同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)

NEWS

RSS

お知らせはまだありません。

過去のアーカイブ

カレンダー