【1本10円。35年間売れ続ける理由は?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534052200
読者のみなさんが、幼少時から食べている「うまい棒」。
あのロングセラーが、一体いくつ売れているのか、考えたことはおありでしょうか?
じつはこの「うまい棒」、年間で6億本も作られているんです。トータルで数えたら、100億本を超えているんではないか、とのことで、まさに国民的ロングセラーと言うにふさわしい商品です。
本日ご紹介する一冊は、この「うまい棒」がなぜロングセラーになったのか、その秘密に迫ったビジネス書。
本当は正式な名前がないにもかかわらず、「うまえもん」の名前で通っている「うまい棒」のキャラクターが、「うまい棒」めんたい味のパッケージに載っているという「博士」との対話形式で「うまい棒」の秘密に迫るという、一風変わった体裁を取っています。
気になる「うまい棒」国民的ロングセラーの秘密ですが、それは株式会社やおきんの、「うまい棒」を創り出した理念、そしてたゆまぬ企業努力にあると思われます。
まず「理念」ですが、本書には、こんなことが書かれていました。
「親から渡されたものではなく、自分で選んで自分で買えるものを」
親の保護下にある人間、束縛された人間が求めることを理解し、「自由」を与えようとした姿勢。
人間が未熟で生まれてくることを考えれば、これは素晴らしい出発点だったのではないかと思われます。
そして、大切なのは、2つ目の「たゆまぬ企業努力」。
いろんな種類を揃え、毎年1~2種類の新商品を出す、一部の味をたまに復活させる、鮮度と楽しさを保つためにパッケージをリニューアルし続ける、コスト削減努力を続ける、時に損してもお客様満足を取る…。そして何より素晴らしいのは、駄菓子だからといって決して手を抜かない、という同社の姿勢です。
決して精神論を言いたいわけではありませんが、やはりお客様の目には、企業の「真摯さ」が伝わってくるものだと思うのです。
物価が上がっても、増税されても、1本10円を35年間続けてきたというのは、ものすごいことだと思います。
見た目は薄いですが、学ぶ価値のある本です。
ぜひチェックしてみてください。
———————————————–
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
———————————————–
そもそもの出発点は、「10円の駄菓子を生み出したい」「親から渡されたものではなく、自分で選んで自分で買えるものを」「100円のスナックを買うぐらいなら、うまい棒を10本買ったほうが楽しいと思ってもらえるように」と考えたことじゃ
うまい棒が誕生した1979年といえば、第2次オイルショックの年。その影響で、物価が高騰していて、10円の駄菓子が次々と姿を消していた。10円の駄菓子が減るのは、子どもにとって、非常に困った問題じゃ
やおきんはメーカーではなく、問屋であり、自前の工場を持っていない。だから何かつくるときは、メーカーの協力が欠かせないわけじゃ。そこで協力をあおいだのが、「リスカ」だった。リスカは、当時すでに「ハートチップル」を発売していて、スナック菓子づくりの実績を積んでいた
「いろんな種類がある」というのは、うまい棒の大きな魅力の1つじゃな。現在のラインナップは18種類。これだけあれば、さまざまな味の組み合わせが楽しめるし、飽きない。選ぶこと自体、楽しいものじゃ
うまい棒は、毎年1~2種類の新商品がコンスタントに発売されている
一部の味がたまに復活するのも、うまい棒の楽しみの1つ
ふつうは、コストがかけられない10円の駄菓子なんだから「一度仕上げ」でいい、と考えても不思議ではない。しかし、あえて手間暇かけて「二度仕上げ」をする
子どもだましの味なんて通用しない
最も難しいのは、味のバランスをとることで、一発芸的な味はダメ
「長くなった」ことに気づいたファンは、その心意気を感じ、ますますファンになってくれる
「うまい棒」が人気を呼んだ要因は、「個包装」にもある
企業のノベルティに使ってもらえるようになった
「当てもの」も、駄菓子の人気を支えている要因であることは、間違いない。もう1つもらえるのもうれしいが、それよりも楽しいのは、クジを引いてドキドキすることや、当たることの快感を味わうことじゃ。要は、「ギャンブル」の魅力じゃな
————————————————
『うまい棒は、なぜうまいのか? 国民的ロングセラーの秘密』
チームうまい棒・著 株式会社やおきん・協力 日本実業出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4534052200
————————————————-
◆目次◆
第1章 うまい棒は、なぜうまいのか?
第2章 駄菓子は、なぜうまいのか?
第3章 駄菓子が教えてくれる「商売ってそういうことだったのか!」
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。