2014年9月12日

『話し上手はいらない 説得しない説得術』荘司雅彦・著 vol.3706

【弁護士が教える説得術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799315412

本日の一冊は、SBI大学院大学で教授を務めた弁護士が、学術的に認められた説得の技術をまとめて紹介した一冊。

話のベースは、いわゆる「社会心理学」「交渉論」の類で、有名な心理学理論が登場するベーシックなものですが、弁護士としてさまざまなもめごとを解決してきた著者の視点と、独特の味のある文章が読ませてくれます。

営業マンを始め、対人交渉を行う方であれば、きっと役立つ内容が見つかるはずです。

いくつか紹介してみましょう。

・人は、晴れた日に、リラックスした状態でいるとき、説得に対して承諾する確率が高い

・一般に入手できる情報よりも公にされていない情報を用いたほうが、説得力は大きくなる

また、相手との信頼関係を構築する方法としても、いくつか原則が紹介されているので、チェックしておきましょう。

◆相手にポジティブな印象を与える最低限のルール
1.相手との共通点をアピールすること、
2.相手方を称賛すること

◆信頼構築の2つの要素
・専門知識
・対人関係力

◆相手の不安を払拭する、3つの論拠
1.数値データ
2.実話・実例
3.比喩を用いたストーリーテリング

話し方に限らず、「説得」の技術を幅広く紹介しており、ぜひ一読をおすすめしたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人は、晴れた日に、リラックスした状態でいるとき、説得に対して承諾する確率が高い

パーソナルスペースに入って親密さを強める

◆相手にポジティブな印象を与える最低限のルール
1.相手との共通点をアピールすること
2.相手方を称賛すること

◆信頼構築には、次の2つが必要
1.専門知識 2.対人関係力

文化バイアスの違いである可能性が高いのであれば、いちばん手っ取り早いのは、相手と同じ文化バイアスを持っている人を間に立てることです

◆ヒューリスティクス
・人は、近道をして判断する
・人は、想像しやすいかどうかで、物事が起こる確率を判断する
・人は、最初に与えられた情報を基準に比較して判断する

人は、選択肢が多すぎると、結局どれも欲しくなくなる

一般に入手できる情報よりも公にされていない情報を用いたほうが、説得力は大きくなる

格段に素晴らしい情報でなくとも、「これはまだほかの誰も知らないことなのですが」という前置きをするだけで、相手は目を輝かせるに違いありません。また、説得材料として提示するデータを「先ほど手に入れたばかりのデータで、正式な公表は来週以降になります」と付け加えるだけで、相手にとってそのデータの価値は極めて高くなります

相手に対して、ある一定の「特徴」「態度」「信念」をラベルのように貼り付け、そのうえで相手にそのラベルのとおりに振る舞うことを求めるというのが、ラベリング・テクニック

優れたストーリーには、必ず負の側面が示されています

次の3つの論拠で、相手の不安を払拭しよう
1.数値データ
2.実話・実例
3.比喩を用いたストーリーテリング

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『話し上手はいらない 説得しない説得術』荘司雅彦・著 ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4799315412

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◆目次◆

序 章 説得に言葉はいらない!?
第1章 人間の基本的な心理のメカニズムを理解する
第2章 人の心理のさらに裏側を知る
第3章 実証された説得技術を使いこなす

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