【これは傑作。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569821448
本日の一冊は、「ザクとうふ」で話題をさらい、業界で不可能とされていた木綿豆腐の三個パックも実現、6年間で売上4倍を実現した相模屋食料の代表取締役社長が、その経営哲学を語った一冊。
雪印事件で学んだ責任感、斬新なアイデアを思いつくコツ、不可能を可能にする逆転の発想、味方を増やす技術…。
業界No.1を実現したノウハウと、そこに至るまでの人間ドラマが約240ページにびっしりと詰まっており、ひさびさに心揺さぶられる一冊でした。
相模屋食料といえば、「ザクとうふ」があまりに有名ですが、同社を大成功に導いたのは、じつは40億円を投資して行った大量生産体制、そして機械化に伴い実現した賞味期限の長期化、さらには不可能と思われた「木綿豆腐の三個パック」です。
しかし、「大きくなれば潰れる」と言われていた豆腐業界において、大量生産を実現するのは、並大抵のことではありませんでした。
先代社長の夢だった大規模工場の実現に向け、著者はあらゆる努力を重ね、周囲の支持を取りつけていきます。
常識破りの考え方に賛同してくれた人々、支援し続けてくれた小売店、一時はずさんな生産体制を見て、「生産をお任せできない」と牽制しつつも、「私は相模屋と心中するつもりなんだ、がんばってくださいよ!」と励ましてくれた生協の担当者…。ギャンブルとも思える工場設立に賭けた地方銀行にも、「粋」を感じます。
・企業は自分で大きくはならない、助けてもらって大きくなる
・足を向けて眠れない人が何人いるかで、人生の行く末が決まってくる
・メンツなどというものに縛られていたら、本当に見るべきものと向き合えません
などなど、自己啓発書としてみても、心に響く言葉が満載の一冊。
感動します。ぜひ、読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私は「白くて四角いものだけがおとうふではない」と思っています
まず、おとうふにするなら主人公の「ガンダム」ではなく量産型「ザク」がいいと思いました。「ガンダム」は作中でただ一機の存在。これをかたどったとうふを大量に並べたら、ファン心理としては違和感があります(そして、ファンである私自身、許せません)。しかし量産型の「ザク」は数が揃うと強さを発揮する機体だから、たくさんあるほどカッコいいのです
「わけのわからないこと」をやろうとするときは、心の底がウズウズする感覚を共有してくれる仲間を集めるほうが近道
勉強をすすめるうちに、彼が「できない」と言った理由がだんだんとわかってきました。「既存の機械じゃできない」「できるけれども自信がない」「完璧じゃないものにはメーカーとして取り組めない」という意味だったんです
自分が広げられる地図より、もうちょっとだけ大きい地図を広げてみると、ビジネスが楽しくなります
メインストリームとなる主力商品をつくる。機械化すべきは、どんどん機械化し、効率よく、結果が予想しやすく、計画が立てやすいことをやる。一方、計画など立てようがなく、効率化できないこともやる。きっと、その両方ができて、初めて、一流企業になれるのではないでしょうか
漫然と続けていたことをやめる、それが弊社の進化の第一歩だったのです。では、こうして得た力を何に注力するのがいいのか。私は「王道」だと思いました。木綿と絹。このおとうふ界のメインストリームを、一気に改革するべきだと
おとうふを動かすのが難しければ、おとうふを動かさなければいい
企業は自分で大きくはならない、助けてもらって大きくなる
「時代の流れ」に沿った仕事をする、取引先が待ち望んでいた仕事をすることが重要
つらさから逃げるためには、真っ向から立ち向かうしかない
足を向けて眠れない人が何人いるかで、人生の行く末が決まってくる
自分のメンツなどというものに縛られていたら、本当に見るべきものと向き合えません
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『「ザクとうふ」の哲学』鳥越淳司・著 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569821448
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◆目次◆
第1章 ビジネスではゲリラ戦を
──「ザク」と「とうふ」とのコラボレーション
第2章 お詫びする毎日、その中で掴んだもの
──ビジネスで本当に誇れるものとは何か
第3章 難しいからこそ勝機あり
──新しい「器」、新しい「常識」をつくる
第4章 なぜ、日本最大級の製造工場を稼働させたのか
──業界一位への最大の布石
第5章 恥ずかしい、情けない
──改善項目一〇〇〇個以上、工場稼働に黄信号
第6章 なぜ、業界一位を目指したのか
──「六年間で売上四倍」の真実
第7章 改善と買収
──伸びているときこそ、内部、外部の改革を進めよ
第8章 商品開発の極意
──迷わず一球目から振る
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