【70歳以上の女性に売る時代?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532319455
本日の一冊は、人気エコノミストであり、ベストセラー作家でもある吉本佳生さんが、今後、70歳以上女性(=L70)のマーケットが有望だと喝破した、注目のマーケティング本。
日本の人口が今後、大幅に減ることは既に予想されていますが、本書では、そのなかでも2050年まで増え続ける70歳以上人口に注目。
そのなかでも特に有望と目されている70歳以上女性(=L70)の動向を、データも交えながら解説しています。
L70の消費を見ていくと、
<ケチケチせずに高いモノをバンバン買って、いちばん上質な食生活を楽しんでいる>実態が浮かび上がってきます。
上質な食事を楽しみ、<エアコンは高いモノを、電子レンジは安いモノを買う>、<理髪料やパーマネント代をたくさん支出する>…。
今後、団塊ジュニアが70代になれば、高齢者の高学歴化が進み、学歴効果で「海外旅行」「英語学習」のニーズも高まると予想されています。
知れば知るほど奥深い、L70の消費動向を押さえており、じつに興味深く読むことができました。
<そもそも、シニア割引をして高齢者向けの鑑賞料金を下げることが、価格戦略として正しいかどうかを、きちんと考え直すべき>
<宅配サービスよりも、お店に来てもらうべき>
という指摘は、現在の対高齢者マーケティングを見直す良いきっかけとなるのではないでしょうか。
経営者、マーケターはぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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傾向として2050年ごろまでJ70の人口は大幅に増えます
ケチケチせずに高いモノをバンバン買って、いちばん上質な食生活を楽しんでいるというのが、70歳以上世帯の真の姿
単純に運転免許保有者数と寿命(余命)を考えて計算すると、L70向けの自動車市場は10年で倍以上に拡大しそうです
学歴効果が強力に働く「海外旅行」「英語学習」
どの年齢層にも、いちばん高く買う鮮魚があります。世帯主30代は「いわし、たい、ぶり」、40代は「あじ、いか」、50代は「かれい、さけ、さば、さんま」、60代は「まぐろ」と「さしみ盛り合わせ」です。世帯主70歳以上の世帯は、「かつお、たこ、えび、他の鮮魚」でいちばん高い価格を支払っています
「演芸・演劇・舞台鑑賞」もなお増える余地
そもそも、シニア割引をして高齢者向けの鑑賞料金を下げることが、価格戦略として正しいかどうかを、きちんと考え直すべきです。2時間座って映画を観ても疲労が残らないように、もっと快適なシートを用意して、差額料金のかたちで高い鑑賞料金をもらうほうが、映画館にもL70やG70にも利益があるのではないかと思われます
70歳以上の世帯が理髪料やパーマネント代をたくさん支出するのは、「購入頻度」が多いからです(中略)時間に余裕があるという事情もあるでしょうが、“お店のスタッフとのコミュニケーション”を楽しむことも、大きな目的になりやすいのでしょう
実際に高く売りやすいのは「おカネには余裕があるが、時間には余裕がない顧客」
買い物の時間にたっぷりと余裕がある顧客に対して、価格差別などの作戦を駆使して高く売ろうとするのは、実際には失敗しやすい
観光スポットで車椅子対応をすすめると、来客を増やす効果が大きい時代になりつつある
70歳以上の女性たちが目をつけた芸術や文化が流行し、これが下の年齢のひとたちに伝わって、若い人たちのなかでも流行するというパターンが、これからはつぎつぎに出現する
宅配サービスよりも、お店に来てもらうべき
L70は、便利さや最新機能に対してあまりおカネを支払いません。心の豊かさが感じられるコミュニケーションに対して、おカネを支払うのです
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『L70を狙え!』吉本佳生・著 日本経済新聞出版社
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◆目次◆
第1章 L70と“エンゲル係数の呪縛”
第2章 ギャップが消費を大幅に押し上げる
第3章 成長のチャンスを見逃していないか?
第4章 装いと健康にL70がおカネをかけられる理由
第5章 集まるところさえあれば、L70が日本経済を牽引する
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