【稲盛和夫が考える、働くことの意味】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420724
最初に就職したセガ・エンタープライゼスの研修旅行の途中、バスガイドさんが、「仕事で成功するための3つの条件」というのを話してくれました。
3条件のなかで一番印象に残ったのは、「裁量」だったわけですが、残念なことに、その他2つについては、忘れてしまいました。(だから、メモは大事なのです)
それから十数年、その他2つが気になっていたのですが、なんと!本日の一冊のおかげで、残り2つを思い出すことができました。
どうやら、バスガイドさんのネタ元は、戦後日本の民主化のなかで、職業社会学を確立した尾高邦雄さんのもの。
本書『稲盛和夫の仕事入門』には、「仕事において自己実現を図るための条件」として、こうまとめられています。
◆仕事において自己実現を図るための条件(尾高邦雄)
・特定の職業に対して本人が自分の才能、知識、訓練、経験等客観的に適性を持つばかりでなく、あこがれとか抱負を持つこと
・仕事のやり方である程度の自由裁量や自主管理が許されること
・仕事そのもののために、課題の達成それ自体のために没我献身すること
適性があり、裁量があり、没頭できること。
これが仕事で成功するための条件だというのです。
今、はっきりバスガイドさんの言葉を思い出したわけですが、十数年経って、自分がそんな天職に出合えたことを嬉しく思っています。
……ということで、前置きが長くなりましたが、本日ご紹介する一冊は、鹿児島大学稲盛アカデミー特任教授である神田嘉延氏が、稲盛和夫氏の仕事哲学を紹介した一冊。
稲盛アカデミーというのは、京セラ創業者、稲盛和夫氏の母校である鹿児島大学に開設された「稲盛経営哲学」を研究する施設だとか。
稲盛氏本人の著作ではありませんが、氏が考える仕事の意義、哲学を上手にまとめ、現代の若者の悩みに応えた啓発書です。
前述の尾高邦雄氏や石田梅岩、マックス・ヴェーバーなど、さまざまな偉人たちの思想を紹介しながら、稲盛流仕事哲学を解説しており、なかなか読み応えがあります。
なかでも、稲盛氏が述べた「素晴らしい人生を開く六つの精進」は、上記の「3つの条件」同様、押さえておくと良いでしょう。
◆素晴らしい人生を開く六つの精進
1.誰にも負けない努力をする
2.謙虚にして驕らず
3.反省のある毎日を送る
4.生きていることに感謝する
5.善行、利他行を積む
6.感性的な悩みをしない
若干、文章が固いのが気になりますが、慣れれば問題ないと思います。
ぜひ、チェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「働くこと」と「生きること」を結びつける
働くことは人間的な共生を伴うものであり、ものを与えたり受け取ったりする互酬性を持つ。それゆえ、人類の起源となった氏族共同体の村落社会においても互いに助け合い、援助し合うという姿が見られた。働くということの根源には、人間が安定して生きていくためには欠かせない人間相互の信頼関係が含まれているのである
子供を十三歳より二十の年まで苦労させるは、その子がわが世になりて心易く渡世を致させ楽しましめんためなり(石田梅岩)
利己的な目的から仕事を捉えようとする考え方は、たとえそこに自己実現や人間形成という要素があったとしても、それは功利主義的な価値観に基づいて行われるものである。大切なのはあくまでも自分自身の出世であり、他人は自分の出世を阻むライバルとなる。そこには競争原理主義が働くため、人間関係における疎外状況が生まれやすい
◆仕事において自己実現を図るための条件(尾高邦雄)
・特定の職業に対して本人が自分の才能、知識、訓練、経験等客観的に適性を持つばかりでなく、あこがれとか抱負を持つこと
・仕事のやり方である程度の自由裁量や自主管理が許されること
・仕事そのもののために、課題の達成それ自体のために没我献身すること
「したいことがない」のなら、世の中のためになる仕事を選べ
新しいことを成し遂げられる人は、自分の可能性をまっすぐに信じることができる人です。可能性とはつまり「未来の能力」のこと。現在の能力で、できる、できないを判断してしまっては、新しいことや困難なことはいつまでたってもやり遂げられません
継続の力は平凡な人を非凡な人に変えていく
楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する
◆素晴らしい人生を開く六つの精進
1.誰にも負けない努力をする
2.謙虚にして驕らず
3.反省のある毎日を送る
4.生きていることに感謝する
5.善行、利他行を積む
6.感性的な悩みをしない
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『稲盛和夫の仕事入門』神田嘉延・著 プレジデント社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4833420724
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◆目次◆
プロローグ 「稲盛アカデミー」の挑戦 実践的人間力を養成する
第1章 何のために働くのか 20歳からのハローワーク
第2章 仕事を好きになるとはどういうことか 失敗しない職業選択
第3章 人生を素晴らしいものにする働き方(1)継続の持つ偉大な力
第4章 人生を素晴らしいものにする働き方(2)創造力が未来を開く
第5章 感謝が仕事も人生も豊かにしていく(3)稲盛和夫をつくった考え方
エピローグ 人間らしく働き、人間が輝く社会をつくる
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