【ノン経営学部にオススメ! 経営の本質がわかるビジネス小説】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046002778
本日の一冊は、大ベストセラー『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』の著者、林總さんによるビジネス小説。
※参考:『餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか?』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569676332/businessbookm-22/ref=nosim
今回は、病院を舞台に、若い医師が地方都市の病院を再生するというストーリーで、知識労働の生産性を高めることがテーマとなっています。
一見、病院の利益を再優先し、治療をないがしろにしていると見られた理事長と、理想に燃える若い医師。
若い医師が、経営の本質を学ぶにつれて、病院の真相が見え始め……。というのがストーリーの大筋です。
「自分はサービスのクオリティを高めようと思っているのに……」
「お客様のためを思って働いているのに、会社はいっこうに認めてくれない」
そう不満を感じている方は、じつは経営の本質がわかっていないだけかもしれません。
「ここは従業員のことなんか考えていないブラック企業」と思い込み、会社を辞めてしまう前に、ぜひ本書を読んで、現実と理想を同時に実現する考え方を学んでいただきたいと思います。
話の大半は、会計の基礎とドラッカーの教えであるため、ある程度経営を学んだ人なら、既知の内容が多いと思われます。
20代~30代の、ノン経営学部のビジネスパーソンに、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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企業、政府機関、NPO(非営利組織)のいずれであれ、マネジメントの定義は一つしかない。それは、人をして何かを生みださせることである(ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)
「成果と達成感。いい答えだ。だが、そこに競争がなくてはならない。競争がなくては人は進歩しない」
知識労働者は(中略)高度に専門分化して、初めて意味をもつ。脳外科医が真価を発揮するのは、脳外科に専門分化しているからである(ドラッカー『プロフェッショナルの条件』)
考えるべきは(中略)ミッションは何かである。ミッションの価値は(中略)正しい行動をもたらすことにある(『ドラッカー名著集4』)
「事業会社は、お金を稼ぐためだけに商売をしているわけではないんだ。その意味で、病院と変わらない」
『患者が何を望んでいるか』を冷静に分析するマーケティングと、『患者が求める価値をいかに提供するか』というイノベーションのどちらが欠けても、病院経営はうまくいかない
QCD(品質とコストと納期)
「経営をする立場から言えば、動かない設備は経営にとってマイナスでしかないんだよ。動いていない設備がなぜ経営の足を引っ張るのか。その理由は、設備が動いていなくても、いろんな費用がかかるからだ」
肉体労働であれば、働く時間を増やせば、成果は比例して増える。しかし、知識労働は違う。いくら労働時間を増やしても、生産性は向上せず、価値を生まない
従業員一人が新たに生み出す付加価値額が500万円くらいしかなければ、それ以上の給料が払えるわけがない
労働には肉体労働と知識労働がある。肉体労働の仕事の内容はマニュアル化されていて、それを正確に繰り返すことで付加価値を生む。だが、付加価値が低いから、短時間で効率的に大量の仕事を行う必要がある。一方、知識労働の仕事の内容はマニュアル化できない代わりに、付加価値率は高い。必要なのは仕事の量ではなく質だ。医師の仕事には、この二つの要素が混在しているのだ
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『成果が出ないのは、あなたが昔の「燃費の悪いアメ車」な働き方をしているからだ』林總・著 中経出版
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◆目次◆
Prologue ニセ看護師と金満病院経営者
第1章 500万円の金婚旅行
「使命」のためなら赤字でもかまわないのか
第2章 「今月から給料カットだ」
コストカットが赤字を増やすパラドックス
第3章 大介の決断
黒字でなければ生き残れない
第4章 西園寺のレクチャー
なぜ病院は入院患者を追い出そうとするのか
第5章 再建のカギ
病院は燃費の悪いアメ車なのか
第6章 最後の問題
知識労働者と肉体労働者
第7章 新生・佐原病院
知識労働者の生産性イノベーション
Epilogue 馬淵美子の手紙
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