【「情熱大陸」プロデューサーによる、反骨の仕事論】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575306339
本日の一冊は、人気番組「情熱大陸」の5代目プロデューサー、福岡元啓さんによる注目の仕事論。
就活では、NHKやフジテレビなどのテレビ局で全滅、新聞社、出版社も落ちまくったという著者ですが、落ちたはずの毎日放送の追加募集で合格し、テレビの道を歩み始めます。
ところが、新人の頃の些細な行動が上司の逆鱗に触れ、その後ずっと前掛けをして仕事をすることに。
今ならパワハラで訴えられそうな状況を乗り越え、ムチャ振りする先輩たちに付き合いながら、著者は仕事とは何か、一流とは何かを掴んでいきます。
どんな世界でも、一流になった人の陰には、必ずと言っていいほど優れた師匠、先輩の「教え」があるものですが、本書では、著者が先輩たちから受けた薫陶、そして自身の体験談を惜しげもなく披露しています。
通常の仕事そっちのけでスクープを追い、見事モノにしたタラバガニ偽装事件、作家の伊集院静さんに謝罪した話、ベテランナレーター窪田等さんの生ナレーションのアドリブで学んだ一流の精神…。
これだけのエピソードが一冊で味わえるのは、じつに「美味しい」。
日々の仕事への姿勢、心構えをチェックするためにも、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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こうやっていま、振り返ってみると、グルは、少々手荒でも僕をあえてそういう場所に引きずり回していたのかもしれません。普段は行かないような場所に行き、人に会うことで、話のネタは増えていくものです。グルは、あの風体だけれど、話題が豊富でタレントにはめっぽう好かれていました
「おもろいわ、ようやったな」
高山さんは、僕がほかの仕事をほったらかしにしたことについては何も言わず、ただ一言ほめてくれました
「社内を整理したら、絶対話進まないから何も言わずにやる方がいいと思うんですよ。相談したら新しいことすぎてどう対応したらいいかわからないから絶対ちょっと待ってくれってなるって思うんですよ。問題が起こってから対応しましょうよ」(猪子寿之氏)
依頼された側がなんとかしてムチャ振りに答えを出したら、あとの結果については指示した者が責任を取るというのは大切なこと
相手は僕の本気度を値踏みしていたわけです。古典的ですが、時には効率を無視して体当たりでアプローチする手法は、顔が見える分、最も気持ちが伝わり、距離が縮まりやすい(取材するため、警察官を待ちぶせした時の話)
死刑特番や少女時代の回のように、新しいことに挑もうとするとき必ず逆風は起きます。ですが、順風のなかではなく、逆風のなかに
こそヒットはあると心得るべき
一流とは「プラスα」のサービスができる人
そして迎えた本番、中継先の石巻では、リハーサルのときには降っていなかった、雪が降り出したのです。「3月11日、午後11時1分 宮城県石巻のいま、雪──」番組は窪田さんの生ナレーションで始まりました。ところがこれは、実はリハーサルのときとは違う窪田さんのアドリブだったのです。どこがアドリブかというと、最後の「雪」という一言です。ナレーションは秒数の制限もあり、生放送では1秒でもずれ込むと大変なことになる(中略)神は細部に宿るという言葉があります
偉ぶらないこと、仕事相手へのリスペクト、そして柔軟性、これは、業界にずっと残っている、凄腕の人に共通する部分です
長期スパンで考えれば、目先の勝負にこだわってはいけません(中略)勝ち負けにこだわると先に進めないのです
凡人に唯一必要なものがあるとすれば、それは、「じっくり見る」ことと「ゆっくり考える」こと
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『情熱の伝え方』福岡元啓・著 双葉社
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◆目次◆
第一章 “補欠入社”の僕が『情熱大陸』の
プロデューサーになるまでに学んだこと
第二章 時間の使い方
第三章 仕事の進め方
第四章 自分の打ち出し方
第五章 人との付き合い方
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