【組織が変わるリーダーの「伝え方」とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4022511478
本日の一冊は、キヤノン電子を利益率10%超の高収益企業へと成長させた酒巻久社長が、リーダーのためのコミュニケーション術をまとめた一冊。
コミュニケーションのための本は、最近売れている『伝え方が9割』はじめ、読むべき本がたくさんありますが、一般の方のためのコミュニケーションと、トップのためのコミュニケーション術とでは、そもそも質が違います。
※参考:『伝え方が9割』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017212/businessbookm-22/ref=nosim
両方、相手の心を動かすところは一緒でも、組織を変え、ベクトルを統一させるところまでできるかどうかは、また違う話だからです。
本書の特徴は、この組織を変え、ベクトルを一にすることに特化していること。
部下がきちんと動く、正しい報告をする、能力が上がるための上司のコミュニケーション術も、きっちり押さえられています。
シンプルかつチームの士気をあげる「夢と目標」を伝える力、宇宙開発のビジネスに乗り出す際、「宇宙へ!」の一言で社員を動かした話、間接部門である人事を動かすために掲げた「世界で一番採用のうまい人事になろう」というスローガン…。
「確かにこれなら組織が動く」と納得できるノウハウばかりで、非常に勉強になりました。
現場の士気をあげたい経営者には、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆著者が掲げた言葉
「宇宙へ!」
「世界トップレベルの高収益企業になろう」
「すべてを半分に」
リーダーが部下や社員の心をつかむには、夢と目標を掲げたら、それが達成された後の姿を示し、その実行を社員に約束する必要がある
タイムリミットを決めたら、そこから逆算して、いつまでに何をどこまでやるか、マイルストーン(里程標)を設定する
私が人事部門のリーダーであれば、どんな目標を掲げるか。たとえば、「世界で一番採用のうまい人事になろう」という目標を掲げる
人は結果を出してみせれば、信用するのである
何かを全社的に行う場合は、そうやって一つの成功事例をまず作ることである
営業を変えるには、効率のよい「回遊」と「紹介営業」
人を褒めるときは基本的に直接褒めることはあまりしない。だいたいワンクッションを置いて人づてに伝わるように間接的に褒めるようにしている
指示を確実に伝えるには、
(1)指示した内容を復唱させる
(2)その上でさらに指示の要点を質問し、答えさせる
正しい報告を求めれば、自然と部下の力もつく
(1)部下は報告することで免責される
(2)どれほど悪い報告であってもけっして叱責されることはない
海外の交渉事では、日本以上にキーマンの情報が重要になる。特に宗教に関する情報は必須である
最初から上司が内容に口出しをしたのでは、上司を超えるような思考の訓練ができなくなってしまう
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『リーダーのための伝える力』酒巻久・著 朝日新聞出版
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◆目次◆
1章 部下のやる気を引き出し、闘う集団へと変える伝え方
──意識と行動はどうすれば変わるか
2章 コミュニケーション・ミスを防ぐ伝え方
──「聞けない病」を撲滅する
3章 伝わる話し方、伝わらない話し方
──リーダーのための話し方の極意
4章 伝わる文章と手書きの力
──手でものを考えるということ
5章 暗黙知の伝え方
──忍耐強くマンツーマンで
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