【「50代以降のキャリア」を論じた、レアな一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/484437351X
終身雇用の崩壊が叫ばれて久しいですが、最近は本当に40歳以降のキャリアが見えにくくなっています。
先日、外資系企業で活躍した知人(30代後半)が、疲労し切って、「これからどうしよう」なんて言っていましたが、確かに外資を渡り歩いたとして、引く手数多なのは40代まで。
50代以降は、社長かコンサルタントにでもならない限り、需要が減る、というのが率直なイメージです。
本日ご紹介する一冊は、この「50代以降のキャリア」に焦点を絞った、じつにレアな一冊。
本書によると、<50代における離職の理由は、他の年代と違って圧倒的に会社側の理由であることが多い>そうですが(50代前半では4人に1人、50代後半では3人に1人が会社側の都合による離職)、もし自分にそのようなことが起こったら、やはり何らかの形で仕事を探さなければならない。
そこで注目したいのが、この本で勧めている「顧問」という職業です。
著者によると、この「顧問」業のメリットは以下の4つ。
1.費用がいらない
2.今ある知識ですぐにはじめられる
3.雇用の社会的責任がともなわない
4.時間の使い方を自分で選べる
健康面での不安も出てくる50代以降には、悪くない働き方ではないでしょうか。
ちなみに気になるギャラですが、著者が直接ホームページなどを通じて契約した会社の顧問料は、毎週1回90分程度の訪問で月10万円~25万円程度とか。
これなら、複数の会社から契約を取れば、それなりに裕福な生活ができそうです。
本書には、この顧問業をやる上での基礎知識と、どうやって顧問先を見つけるか、さらにはよくあるオファーのタイプについて、解説しています。
20代、30代、40代にとっては、これから積むキャリアのヒントとしても、役立つ内容だと思います。
(顧問のニーズがある職種とそうでない職種がある)
薄い本で、必要最少限の情報しか書かれていませんが、ぜひチェックしていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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私が提案する第3の選択とは、人生の前半で培った「人脈やスキルや知識」を活用して複数の職場で働くことです。ひとつの職場から、計画的に収入が供給されなくなるのなら、複数の会社からもらえるように、積極的に収入確保に取り組むのです。そのなかでも私が注目している、そしてオススメするのが「顧問」という仕事です
実は、顧問という働き方の社会的な受け皿は相当広いと言えます。なぜなら、会社にとって一時的に欲しいノウハウがあっても、そのノウハウをもつ人材を雇おうとすると終身雇用を前提に考えなければなりません。そうなると実際に雇うのは難しいと考える会社がたくさんあるからです。しかし、顧問のように契約期間が決まっていれば、会社はそのノウハウを手に入れることができるし、いらなくなったら契約を更新しなければいいだけなので、会社にとって都合がいいわけです
◆顧問業を始めるパターン
1.前職のつながりで顧問として迎えられる
2.起業して顧問業を行っている
3.顧問派遣をしている会社に登録し、顧問先を紹介してもらう
再雇用で会社に残ったとしても仕事は事務作業のようなものばかりで、やりがいのある仕事はさせてもらえない(中略)しかし、顧問という仕事は違います。必要とされて行くわけです。顧問先では教える立場なのです
◆オファー事例
・関東地方に在住の方で、会長のご子息(長男)を一人前の経営者として育てるためのご支援をお願いしたい
・BtoB企業というのを踏まえた上で、イメージアップを図り、また一新したコーポレートメッセージを効果的に使って、一般の人々はもちろん、大学生への認知度アップを図るPR活動、広報活 動、求人活動まで、包括したブランディング戦略の立案や、その運用についてのアドバイスをいただきたい
・キャリアパスを社内でまとめるにあたってのアドバイスや、評価制度の開発や運用のアドバイスをいただきたい
・工場の生産性向上をご支援いただきたい
・大学・専門学校・塾などの教育機関に、強力なネットワークある
方に営業支援としての顧問をお願いしたい
◆顧問業の4つのスタイル
1.紹介と商談が中心の社外支援スタイル
2.アドバイス中心のコーチングスタイル
3.管理を委託されるマネジメントスタイル
4.提案を委託されるプレゼンスタイル
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『50歳からの新しい稼ぎ方』佐藤良仁・著 クロスメディア・パブリッシング
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 484437351X
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◆目次◆
第1章 逃げ切った世代と逃げ切れなかった世代
第2章 なぜ、50歳から新しい稼ぎ方が必要なのか
第3章 稼ぎ方のパターンはいろいろ
第4章 新しい稼ぎ方を実践している人たち
第5章 新しい稼ぎ方をはじめよう
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