【かんばん方式の生みの親、大野耐一によるロングセラー】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820748726
本日の一冊は、かんばん方式の生みの親、大野耐一氏によるロングセラーを新編集し、本人の講演DVDを付けて、再リリースしたもの。
経営やモノ作りの本質をしっかりと捉えた教えで、今読んでも読み手をうならせる内容です。
疑り深い方のために、前半に書かれた、「三つの式」を紹介しましょう。
これらは、一見同じ計算式の変形のようですが、ビジネス的には、まったく異なるもの。
みなさんには、その違いがお分かりでしょうか?
(1)売価-原価=利益
(2)利益=売価-原価
(3)売価=原価+利益
(1)は、売価はお客様が決めるものという前提で、企業は原価を削減する努力をしなければ儲からない、という考え。(2)は自分で利益を決めるやり方で、それゆえに付加価値を上げて、高級なものをつくって儲ければいいじゃないか、という考えに陥りやすい。(3)は、完全に作り手都合の価格決定法です。
著者によれば、この3つのうち、企業は(1)で考えるのが良い。いわく、<原価というものは計算するためにあるんじゃない>。<下げるためにあるんだ>。
確かに、あまねく商品・サービスを広めようと思ったら、企業はなるべくお客様が広く受け入れられる価格を設定するべきで、そこから原価削減努力を始めて利益を出すのが良い。
巨大企業が、どれも適正価格で商品・サービスを展開しているのは、決して偶然ではないのです。
では、一体どうやって原価を削減するべきか。
本書には、大野耐一氏とトヨタが、血の滲むような努力で培ったコスト削減の知恵が、わかりやすく解説されています。
コスト削減のため、真っ先に人を切るのではなく、あくまで合理的かつ科学的に考える。
以下の氏の言葉は、日本企業の社長室すべてに張り出しておくべきかもしれません。
<ただ労働者を、昔の悪い言葉で言うと、こき使って、あるいは低賃金で使って儲けるんじゃなくて、本当に合理的に科学的に、いわゆるムダをなくすことによって原価を下げていく。そういう努力をするのが、とくにインダストリアル・エンジニア(生産技術者)の一番大事な仕事じゃないか>
とにかく言葉に力があり、視点も斬新。
生前にお会いできず、大変残念ですが、せめてこの本とDVDで、雰囲気だけでも感じ取りましょう。
ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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機会損失を非常に恐れるあまり実損失をとかく忘れがちになる
素材、原材料、こういうものは在庫の対象にしてはいかん
売れんものが能率よくできて、たくさんできて、いったい会社はどうなるんだ
遊んでおっても、つくらんでおってくれれば、それだけ機械も減らんで済む
本当に量産して原価が安くなったという実例は非常に少ない。大体量産すると高くなっておる。というのは、その職場の生産能力というものは大体決まっておるわけなんだね。この機械はいくつつくったときが一番安いという数はみんな決まっておる
ただ労働者を、昔の悪い言葉で言うと、こき使って、あるいは低賃金で使って儲けるんじゃなくて、本当に合理的に科学的に、いわゆるムダをなくすことによって原価を下げていく。そういう努力をするのが、とくにインダストリアル・エンジニア(生産技術者)の一番大事な仕事じゃないか
前工程は一体何をどれだけつくっておけばいいのか、結局持っていかれた分だけつくっておきなさいということになる。十持っていったら次に来るまで十つくっておけばいい
どうやって悪いものを検知して、それで自動的に機械を止めるか。だからトヨタの総組立ラインはニンベンのついたコンベアになっている
不良を減らすということは、それだけ原価が安くなるんだ
流行でロボットを入れるな
汗かいて百二十つくるよりも、百つくってくれたほうが、会社は儲かるんですよ、ということはなかなかわからんのだね。二割もたくさんできるほど人を大勢かかえていることは反省すべきことなんだ
今の世の中、小言を言う人がおらんといけない。また小言を言う人が自らやらんと、言うだけで何をやっておるんだということになっちゃうとまたまずい
人は人の仕事をやり、機械は機械の仕事をやる
企業が利益を上げるためには、一つは売り方、つまり商売で儲けるということ。また、お金のうまい使い方で、企業に利益を与えることもできる。それからもう一つは、原価を下げる、という三つぐらいがあるわけだ
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『トヨタ生産方式の原点』大野耐一・著 日本能率協会マネジメントセンター
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4820748726
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◆目次◆
第一章 トヨタの現場力
第二章 限量経営の本質
第三章 自働化とジャスト・イン・タイム
第四章 減量生産と合理化
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