【カルロス・ゴーンが語るリーダーシップ】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822274357
本日の一冊は、瀕死の状態だった日産自動車を再生させたカリスマCEO、カルロス・ゴーン氏によるリーダーシップ講義。
「日経ビジネス」経営教室シリーズ第6弾という位置づけで、氏の主張がコンパクトな一冊にまとめられています。
興味深いのは、リーダーシップを、「危機下のリーダーシップ」「協業のリーダーシップ」「飛躍のリーダーシップ」「育成のリーダーシップ」の4つに分けて論じている点。
自分の組織が置かれた状況に応じて、どんなリーダーシップを発揮すべきか書かれており、じつに参考になります。
ゴーン氏と言えば、「危機下のリーダーシップ」で有名ですが、この「危機下のリーダーシップ」のパートには、こんなことが書かれています。
<重要なのは、希望的観測や予断を持たずに数字を常に注視すること。客観的な事実の把握なくして、適切な対策は生まれません>
<「もう銃弾は1つしかない」。次のチャンスはないという明確なメッセージがあったからこそ、従業員は参画したのです>
また、日産は中国市場への進出が遅れながらも、日系合弁で最大の販売台数102万4000台を記録(2010年)。
その秘訣について、「協業のリーダーシップ」では、こう述べられています。
<緊密な関係を持ちながらも、「お互いにメリットがないことはしない」のがポイント>
いずれの教えも実際的であり、リーダーが現場で判断に苦しむ時、きっと役に立ってくれるものと思われます。
180ページ足らずの薄い本で手軽に読めるので、ぜひ手に取って読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ゴーンは当時、3つのコミットメントを掲げた。
「2000年度に、連結当期利益の黒字化を達成する」
「2002年度に、連結売上高営業利益率で4・5%以上を達成する」
「2002年度末までに、自動車事業の連結実質有利子負債を7000億円以下に削減する」
ルノーに移籍したゴーンは、ミシュラン時代の事業改革に効果を発揮した組織横断の考え方を適用、ルノーの業績を回復させた。日産でのCFTの原型となったのはこの時の手法である
ゴーンが取材中に、ふと漏らした一言がある。「リーダーは、感情よりも合理性と理論を優先させなければならない。結果を出すと思うからこそ、部下は付いてきてくれる」
重要なのは、希望的観測や予断を持たずに数字を常に注視すること。客観的な事実の把握なくして、適切な対策は生まれません
解決策は社内にあったのです。社員たちは、おのおのの責任領域で会社を好転させる方法を知っていました。問題は全社的な視点が欠けていたことでした。コンサルティング会社などは不要でしたよ
「もう銃弾は1つしかない」。次のチャンスはないという明確なメッセージがあったからこそ、従業員は参画したのです
日産は中国進出が2003年と出遅れたが、提携先を東風汽車集団1社に絞り、意思決定を迅速化。積極的な設備投資で2010年に販売台数102万4000台と日系合弁で初の100万台超えを達成した
緊密な関係を持ちながらも、「お互いにメリットがないことはしない」のがポイントです
「企業を変えるのは人だ。なぜ役員が優秀な部下の顔も名前も知らないんだ」。1999年、日産に乗り込んできたゴーン氏は役員らをこう叱責した
ブランドには固有の「ブランドプロミス」がある。そのため、市場や顧客の特徴に合わせて分けなければならない
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『カルロス・ゴーン リーダーシップ論』カルロス・ゴーン・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4822274357
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◆目次◆
プロローグ 日産自動車に舞い降りた救世主
1時間目 危機下のリーダーシップ リーダーシップは4度変わる
2時間目 協業のリーダーシップ 後発の中国市場で躍進した理由
3時間目 飛躍のリーダーシップ 「物語」がブランドを育てる
4時間目 育成のリーダーシップ 「変革者」を生み続ける
解説 ゴーン型リーダーシップの本質とは
(ロバート・バーゲルマン スタンフォード大学ビジネススクール教授)
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