【感動。やなせたかし氏が遺した言葉】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4569678319
本日の一冊は、先日お亡くなりになった、やなせたかしさんの人生訓をまとめた一冊。
『アンパンマン』も、『やさしいライオン』も、その原型は雑誌『PHP』から始まったらしいですが、そのPHP研究所のスタッフが、やなせさんの著作物から言葉を抜き出し、まとめたとのこと。
今になって思えば、「よくぞまとめてくれました」と感謝したくなるほど、氏の思想がうまくまとまっています。
『アンパンマン』や『てのひらを太陽に』に込められた思い、氏が著作を通じて伝えたかったこと、そして人生成功の法則…。
いずれも、心に響く言葉ばかりで、胸にじーんときます。
一番胸に刺さったのは、まえがきの言葉だったので、そこを一部、ご紹介しましょう。
<人生の最大のよろこびは何か? それはつまるところ、人をよろこばせることだと思った。「人生はよろこばせごっこ」だと気づいたとき、とても気が楽になった。ぼくの歌の中で代表作のように言われている「てのひらを太陽に」の一節は、「生きているからかなしいんだ」である。よく「なぜ悲しいんですか」と聞かれる。悲しみがなければよろこびはない。不幸にならなければ幸福はわからない。空腹のときに食べるラーメンがどんなにおいしくて、幸福なのかは実感できない>
本書を読んでいると、どんな境遇にあっても、人生を楽しむことはできる、と励まされます。
また、どんな境遇にあっても、愛と勇気を持って人に手を差し伸べること。その重要性も理解できました。
『アンパンマン』、『てのひらを太陽に』は、いずれも日本が誇る名作、名曲ですが、その裏に込められた熱いメッセージを知ることができる、素晴らしい一冊です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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人生の最大のよろこびは何か? それはつまるところ、人をよろこばせることだと思った。「人生はよろこばせごっこ」だと気づいたとき、とても気が楽になった。ぼくの歌の中で代表作のように言われている「てのひらを太陽に」の一節は、「生きているからかなしいんだ」である。よく「なぜ悲しいんですか」と聞かれる。悲しみがなければよろこびはない。不幸にならなければ幸福はわからない。空腹のときに食べるラーメンがどんなにおいしくて、幸福なのかは実感できない
今になってみると、コンプレックスはくだらない感情だけど、ぼくは運動や遊びの劣等生と、勉強の優等生、どちらも経験した。光と影の両方を知ったことは、ぼくにとって大きな財産となっている
疲れたときに甘いものがほしくなるように、心も甘いものを求めるときがある。そんなときに読む詩、そんな詩をつくってきたのだ
「継続は力なり」というが、あきらめないでひとつのことを思いを込めてやり続けていると、ちゃんと席が空いて、出番がやってくるものなのだ
四十二歳のときのその日も徹夜していた。退屈し、子どものころにやっていた遊びを思い出して懐中電灯を手のひらに当ててみた。すると、血の色がびっくりするほど赤く透けて見える。あんまりきれいで見とれてしまった。これほど絶望しているのに、体には赤い血が脈々と流れているんだ。心は元気がなくても、血は元気なんだなと、自分自身に励まされたように感じた。不意に「てのひらを太陽にすかしてみれば」というフレーズが頭に浮かび、それがひとつの歌詞にまとまった。この歌は、自分を励ます気持ちから生まれたのだ
運をつかむには、自分のやりたいことをずっと継続して、やめないことだ。「継続は力なり」という。同時に「継続は運」なのだ
お金持ちになれる正しい原則は良心的なおもしろい仕事をすることです
いくらおもしろくするためでも、「毒」は入れない。本や音楽は精神の栄養であり、体を流れる血になると思うからだ
周囲に困った人がいれば手をさし伸べる愛と献身こそ、正義なのだ
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『やなせたかし 明日をひらく言葉』PHP研究所・編 PHP研究所
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4569678319
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◆目次◆
第1章 愛情と育ち方──ぼくはこんなふうに生きてきた
第2章 仕事と運不運──続けていれば、あるとき目の前の席が空く
第3章 希望とよろこび──幸福は日常の中にそっとかくれている
第4章 正義と善悪──アンパンマンは倒すより助けるヒーロー
第5章 子どもと個性──力が足りないなら、ゆっくり走ればいい
第6章 いのちと生き方──人生にムダはひとつもない
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