2013年10月12日

『勝負論 ウメハラの流儀』梅原大吾・著 vol.3371

【ウメハラ流、勝負哲学第2弾】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098251817

本日の一冊は、世界一のプロ・ゲーマーとして知られ、処女作『勝ち続ける意志力』でいきなりベストセラーを出した著者が、満を持して出す、第2弾です。

※参考:『勝ち続ける意志力』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098251329

今回もウメハラ流の勝負哲学がてんこ盛りですが、今回は特に、勉強を頑張っている人、何らかのスキルを極めたい方に、おすすめの内容です。

うれしいのは、一見天才肌に見える著者が、こんなことを言っていること。

<ある時点での実力差、能力差は、その後の成長力で必ず埋められる>

また、勝ち続けることに関しても、こんなコメントをしています。

<勝ち続けているかどうかは、短期的な、その場その場の勝敗には左右されません。成長がなければ、勝ち続けることはできません>

勝ち続けるためには、成長が必要とのことですが、では一体、どうすれば成長できるのか。本書には、それに関する著者の持論が書かれています。

著者が重視するのは、徹底した基礎固めです。

面白いのは、そこで「素直に学べ」というのではなく、徹底してセオリーを疑う、崩すことを提唱していることです。

<基礎固めの段階こそ、たとえ最初のうちはボロボロに負けようと、人から笑われようと、納得できるまでじっくり時間をかけて回り道して考え、あえて定石やセオリーとされるものを疑い、時には崩してみる。自分で体験し、体験を通して学んでみる。そして、セオリーの意味を自分で再発見する>

<どうして先人たちは、それをセオリーとしたのか。その答えを体感するには、自分できちんとセオリーと向き合うことだ>

もう一つ面白いのは、仕事に必要な一連の動作を、「分解」して練習することを提唱していることです。

<ある局面で繰り出す一連の動作があって、3つに分解できたとする。どこが不得意なのか、どこがより苦手なのかは、分解している途中でわかる。そこで、各パーツを反復して練習する(中略)3つそれぞれのパーツが無意識でできるようになれば、通しでやってみる>

自己啓発書として読めば、熱い「勝負論」「人生論」、スキル習得のノウハウ書として読めば、じつに具体的で役立つ内容です。

個人的には、前作以上に腹落ちする内容でした。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「勝つ」の反対語はもちろん「負ける」だが、「勝ち続ける」という言葉の反対は、挫折になるのではないだろうか

彼らは、勝つことにはリスクがあることを知らない。勝てば勝つほど、いつか返済しなければならない「評判」を、利息付きで溜め込んでいるのだ。そういう意味では、勝つなんてろくなものではない。ちょっと勝ってみたい、というくらいの気持ちなら、やらないほうがずっといい。やるからには、目先の勝負とは違う意味での「勝ち続ける意志」を持たなければ、ただ疲弊し、人生を傷つけてしまう

勝ち続けること、成長することとは、結局「できないことができるようになること」であり、「知らないことを知ること」

基礎固めの段階こそ、たとえ最初のうちはボロボロに負けようと、人から笑われようと、納得できるまでじっくり時間をかけて回り道して考え、あえて定石やセオリーとされるものを疑い、時には崩してみる。自分で体験し、体験を通して学んでみる。そして、セオリーの意味を自分で再発見する

勝ち続けようと考えた以上、自分の好みではない、自分の意図しない変化にもついていかなければならないのは仕方のないことだ

格闘ゲームに限らずどんな分野でもそうだと思うが、基礎があって初めて個性が生まれる。個性が生きて、その先の「勝ち続ける」世界が開けてくる。この順番を間違えてしまうと、後から苦労することになる

どうして先人たちは、それをセオリーとしたのか。その答えを体感するには、自分できちんとセオリーと向き合うことだ

ある局面で繰り出す一連の動作があって、3つに分解できたとする。どこが不得意なのか、どこがより苦手なのかは、分解している途中でわかる。そこで、各パーツを反復して練習する(中略)3つそれぞれのパーツが無意識でできるようになれば、通しでやってみる

道草を好きなだけ食ったほうが、遊びの幅は増えるし、思考の幅も広がる。誰も見向きもしていないものに価値を発見し、更地から新しいものを組み立てられるようになる。後になればなるほど、その差は決定的になる。道草の価値は、後半の伸び率なのだ

「遊び」を経ないで展開しているプレーは、感動を呼ぶことがない

勝つために手段を選ばなければ、結局は勝つ機会そのもの、そして成長のチャンスまでを失うことになる

孤独に耐えたからこそ得られる人間関係がある

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『勝負論 ウメハラの流儀』梅原大吾・著 小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4098251817

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◆目次◆

第1章 なぜ勝ち続けることが大切なのか?
第2章 勝ち続ける自分を設定する
第3章 勝ち続ける基礎を固める
第4章 勝ち続ける知識と思考
第5章 勝ち続けるメンタルの構築法

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