【「お店」は変えずに「悦び」を変えろ!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4894515830
本日の一冊は、全国千数百社が集う「ワクワク系マーケティング実践会」の主宰者であり、神田昌典氏の盟友でもある小阪裕司氏が、13年ぶりに書き下ろしたお店経営の本。
基本的には著者の会員企業の成功事例を紹介した本で、商売の原理原則、本当に大切なことが明確になる内容です。
10月14日(月)の日経MJに、牛丼を大幅値下げしたにもかかわらず、需要喚起に失敗した吉野家の記事が出ていましたが、経営陣が本書を読んでいたら、と悔やまれます。
モノが売れない時代にあって、商売人はつい、どんな商品を仕入れるか、いくらで売るか、どうやって売るか、ということばかり考えてしまいますが、これは悪しき操作主義を生んでしまいます。
商売で大切なのは、価値を伝えること。
値段も本来、そのための大事なメッセージなのです。
本書で著者が指摘しているのは、今の若者には<欲しいモノがない>ということ。
だから商売人は、商品やサービスの素晴らしさを教えて、「買いたい・買うべきだ」と気づかせてあげる必要があるのです。
本書に紹介されている事例企業の取り組み、POPのコピー、そしてその結果生まれた素晴らしい成果を見ていると、「まだまだやれることはある」と、やる気が湧いてきます。
そして、極めつけは、本書で提案している「マスタービジネス」。
店員が「マスター」となり、お客様に教える。そしてその結果、商品の素晴らしさに目覚めたお客様が、値段も気にせず買ってくれる。
これはある意味、商売の理想ではないでしょうか。
過疎地で廃業も考えたスーパーが過去最高の売上を達成したように、われわれにも、きっと奇跡が起こせるはず。
そんな前向きな気分にさせてくれる、商売人のための自己啓発書です。
ぜひ読んでみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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呉服が売れなくなったのは不景気のせいではない。消費者は呉服を着たい気持ちがないから着ようとしないだけである
消費者意識が変化した今、需要を生み出すには、たとえば、バイクなら北海道ツーリングの素晴らしさをあれこれ教えて「買いたい」気持ちにさせることが必要だ。なぜなら、彼らには欲しいモノがないのだから
消費には二種類ある。一つは、「買いたい・買うべきだ」とお客さん自身が「わかっている」消費。もう一つは、「買いたい・買うべきだ」と「気づく」消費だ
とにかく自分が予測していたものとはまったく違うスピーカーを、しかもまったく予定していなかったアンプともども「買うべきだ」と知らされ、結果、またもや予算を大幅にオーバーし、さらには予期せぬスペースも部屋のなかに用意することになっ
た(そして、今はよかったと心から思っている)
「ワインってどれがおいしいのかぜんぜんわからん」
というワイン初心者の店長が初めて
「あっ!おいしい!」と思ったワインです。
ワイン初心者のあなたが
飲むべきワインはこれです。(食品スーパー店主鈴木さんのPOP)
福山雅治に抱きしめられている、
そんなコーヒーです(コーヒー豆を爆発的に売ったコピー)
まるで白鵬に抱きしめられている、
そんな安心感です(コルセットが売れたコピー)
あと少しの命です。お助け下さい
(賞味期限切れ間近の商品を売ったコピー)
マスターは新しい世界をお客さんに見せ、その道の師としてアドバイスする。「あなたが買うべきものはこれです」と教えて需要を作り出し、売り上げを作る
目利きによって良い商品を見つけるのではなく「お客さんに教えなければならないこと」を見つける。これがマスターだ
「やりたいことを見つけなさい。そうすればあなたは明日から
働かなくていい」(トーマス・エジソン)
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『「お店」は変えずに「悦び」を変えろ!』小阪裕司・著 フォレスト出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/ 4894515830
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◆目次◆
第1章 誰が店を殺すのか
第2章 数字を見るな! お客を見よ! 人にフォーカスするしくみ
第3章 店はお客の「こころ」をつくれ! マスタービジネスのしくみ
第4章 あの店の奇跡はこうして起きた
第5章 あなたは進むだけ! 商い革命が起きる五つのステップ
第6章 新しい時代の店のカタチはこれだ!
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