【なぜ男は女より投資で負けるのか?】
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本日の一冊は、最近あまりビジネス書を読んでいない、という不届きな弊社スタッフS君が、自腹を切って熱心に読んでいた一冊。
『なぜか投資で損する人の6つの理由』というタイトルで、著者は元ファンドマネージャーの川口一晃さんです。
タイトルから想像できる通り、行動経済学に関して書かれた本なのですが、そこはさすが元ファンドマネージャー。実際の取引の場面に即した解説が付されているため、リアリティがあり、アドバイスが実践的です。
サンクコストの罠に捉われない、「過去の価格」をアンカーにしない、「相場の三法」のひとつ「休む」を疎かにしないなど、じつにさまざまなアドバイスが示されています。
本書を読んでいて、面白い記述を見つけたので、今日はそれを引用してみたいと思います。
<アメリカで興味深い研究結果が発表されています。カリフォルニア大学のオディーン教授が、約3万5000件の口座を対象に行った調査結果です。それによると、高い頻度で男性の投資収益のほうが女性の投資収益よりも下回っている、ということがわかったのです。特に独身男性は独身女性よりも2%以上も収益率で劣っていました>
この真相は、「男性ホルモンの罠」というもので、要するに、男性の方が、攻撃的で取引回数が多くなりがち、というのが原因だったのです。
取引で勝つかどうかは、結局のところ、メンタル面が大きい。
相場で勝てるメンタリティを身につけるために、ぜひ読んでおきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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最初のリファレンス・ポイントで決めたことを実行する
投資において、最もやっかいなアンカーは「過去の価格」
今まで費やしたお金や時間などのコストを考える、つまり過去を振り返るのではなく、将来の利益とコストを考えて行動する。前を向いて歩いていこう、というのがサンクコストの呪縛から逃れる唯一の方法
◆「相場に三法あり」
「買う」「売る」「休む」
メンタルアカウンティングを逆手に取る、つまり、使いにくくなるようなお金の色をつければよい
◆アメリカの投資教育で使われている貯金箱の投入口
1.消費 2.貯金 3.投資 4.寄付
「夜、眠る時に、ゆっくり眠れる金額」というのが、その人の運用資金の目安になる
収益金をただ使ってしまうのであれば、いくら頑張ってもお金は増えない
投資の基本中の基本は「自分が知っていること」
選択肢が多いというのは、日常生活でも、投資の際にも、人を迷わせて、判断を狂わせてしまいます
偶然が支配するところで、ある出来事が生じる確率を自分の感覚で勝手に考えて解釈してしまうことを「ギャンブラーの誤謬」といいます
「ギャンブラーの誤謬」に影響を与えるものに「少数の法則」というのがあります。これは、サンプルが少ないにもかかわらず、そこに規則性を求めてしまうものです
そもそも人間は、多くの人と同じ行動を取ることで安心し、他人の行動に同調しようとする意識が強いのです。このことを「ハーディング効果」といいます
高い頻度で男性の投資収益のほうが女性の投資収益よりも下回っている、ということがわかったのです。特に独身男性は独身女性よりも2%以上も収益率で劣っていました
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『なぜか投資で損する人の6つの理由』川口一晃・著 青春出版社
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◆目次◆
1章 「損したくない!」強い思いが損を呼ぶ─プロスペクト理論
2章 何気なく刷り込まれた情報に踊らされて─アンカリング効果
3章 かけたお金と手間を惜しむ気持ちが……─サンクコスト
4章 お金を“差別”すると痛い目に─メンタルアカウンティング
5章 “情報持ち”にお金持ちは少ない!?─決定マヒ
6章 もっともらしい数字こそ疑ってかかれ─ギャンブラーの誤謬
付章 赤信号、みんなで渡るから損をする─ハーディング効果ほか第1章 消費者は本当に欲しいものを知らない
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