【人生を変える2択】
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本日の一冊は、ハーバード大学で全学生の2割にあたる1400人が殺到した人気授業「ポジティブ心理学」の講師、タル・ベン・シャハーが、人生をより良く生きるヒントをまとめた一冊。
『次の2つから生きたい人生を選びなさい』とあるように、すべての項目が2択形式になっており、より良い人生を得られるよう、読者をナビゲートしてくれます。
「a怒りに身をまかせる」のではなく「bいったん落ち着いて考える」、「a先延ばしにする」のではなく「bいまやる」、「a物質的なものを追い求める」のではなく「b経験に投資する」、「a優れていることを見せつける」のではなく、「b他人に優し
くする」…。
本文には、なぜこの2択が人生を好転させるのか、心理学的な解説が付されています。
古今東西の偉人たちの名言やエピソードも盛り込まれており、単純に読み物として読んでも、楽しめるでしょう。
個人的に興味深かったのは、アマゾンのCEOジェフ・ベゾスがヘビースモーカーの祖母を泣かせてしまったエピソードです。
数字が大好きで、たばこを1回ふかすたびに2分寿命が縮まることを本で読んだベゾスは、祖母に「1回ふかして2分だから、これまでにもう9年も寿命を縮めているよ」と言って泣かせたそうですが、その時、祖父にこう言われたそうです。
「ジェフ、賢くなるより優しくなるほうが難しいということが、おまえもいつかわかるようになるだろう」
このことがあったせいでしょうか。ジェフは確かにいい上司でしたし、結果として世界有数の大企業を創ることができました。彼は、いい選択をしたのでしょう。
もう一つ、興味深いエピソードがあったので、紹介します。
父親がアル中かつ麻薬をやっていて、暴力をふるう家庭で育った双子の話です。
薬物中毒になり、生活保護を受けていた一人に心理学者がインタビューすると、彼はこう答えました。
「あんな家庭に育った私に、これ以外の何ができるというんだ」
同様に、心理学者は、ビジネスで成功して幸せな結婚をし、すばらしい親になっていたもう一人にインタビューしたのですが、そこでこんな答えを得たのです。
「あんな家庭に育った私に、これ以外の何ができるというんだ」
同じ境遇にあっても、それをどう捉えるかで、人生は変わる。
与えられた物の質ではなく、それをどう捉えるかという反応の質、そして選択の質で人生は変わるということを、教えてもらいました。
これはおすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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研究によると、物事を先延ばしにする人のほうがストレスを多く感じていて、免疫システムも弱く、よく眠れず、幸福感も低い
見せかけの姿を演じるのは、自尊心が低いことの表れ
ほとんどの人が「意味のない偶然だ」と見ることを、ラッキーな人は「意味のある出来事だ」と捉える
心理学には「認知再構成」という言葉がありますが、これは物事を違った角度から捉える能力のことです。困難な状況のとき、問題の中のユーモラスな部分やいいところに目を向けるなどして、物事を別の角度から見たほうが自分にとって有益になる場
合があります
人はあなたが言ったことを忘れ、あなたがしたことを忘れます。しかしあなたがどんな気分にさせてくれたかを忘れることは決してありません。(詩人 マヤ・アンジェロウ)
マネジメントの決定でよく見られる間違いは、正しい質問よりも正しい答えを見つけることに重点をおいてしまうことだ。(経営学者 ピーター・ドラッカー)
いつも過去と同じ反応をしてしまえば、もっとポジティブな経験ができる可能性があるにもかかわらず、その可能性を消すことになります
選択肢は2つしかないのです。失敗して学ぶか、学ぶ機会を逸するか、です
十分なところでよしとせず、いつも完璧なものを探し求めるなら、確実に不幸せな気持ちと不満がもたらされます
発見の旅とは、新しい景色を探すことではなく、新しい目をもつことである。(作家 マルセル・プルースト)
才能は神から与えられる。謙虚になりなさい。名声は人から与えられる。感謝しなさい。自惚れは自分が与える。気をつけなさい。(バスケットボールコーチ ジョン・ウッデン)
友情は喜びを倍にし、悲しみを半分にする。(哲学者 フランシス・ベーコン)
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『次の2つから生きたい人生を選びなさい』タル・ベン・シャハー・著 大和書房
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◆目次◆
※多すぎるので省略します。
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