【時代を動かす「ビジョナリ─ワード」の作り方】
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「情報の時代には、情報の批評家ないしは解説者が不可欠である」
これは、アルビン・トフラー『第3の波』に先駆けて情報産業社会の到来を予言した、故・梅棹忠夫さんの言葉です。
学生時代、この言葉に出合ったことがきっかけで、現在こうしてメルマガを書いているわけですが、良い言葉には、確かに未来を創る力があると思います。
本日ご紹介する一冊は、この「未来を創る力」を持った言葉(=ビジョナリーワード)の数々と、それを作るための条件を、コピーライターである著者が述べた一冊。
・「ポケットに入るラジオをつくれ。」(井深大・盛田昭夫)
・「女のからだを自由にする」(ココ・シャネル)
・「すべてのデスクと、すべての家庭にコンピューターを」 (ビル・ゲイツ)
・「ATMのように手軽にクルマが使える世の中に。」 (ロビン・チェイス)
起業家を中心に、さまざまなビジョナリーワードが収められており、それぞれに解説が付されています。
著者によると、機能するビジョナリーワードの条件は、
1.解像度
2.目的地までの距離
3.風景の魅力
だそうですが、確かに、未来を創った言葉には、これらの要素が備わっています。
「美しい言葉」ではなく「新しい意味を持った言葉」、曖昧な言葉ではなく「目的地」が明確な言葉、「見えるもの」ではなく「見たいもの」。
言葉がこれらの要素を満たせば、人々を巻き込み、未来を変えるリーダーになることも、決して夢ではないでしょう。
同じパターンで30の言葉を概観するのが、正直、退屈ではありますが、元の素材が面白いため、一気に読むことができました。
起業家、クリエイターは、ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「美しい言葉」ではなく「新しい意味を持った言葉」
ウェルズは、ウィキ編集という技術と、百科事典の組み合わせに新しい可能性を感じ始めます。そして、ヌーペディアから離れ、ウィキペディアへと没頭していくのです。このとき掲げられたのが「誰もが編集できる百科事典」というビジョナリーワードでした
サスーンがつくる一連のスタイルは、「ウォッシュ&ゴー」というキャッチコピーを与えられました。女性たちは髪を洗った
ら、そのまま出かけられるようになったのです
自由闊達にして愉快なる理想工場(井深大)
創業者のエンツォ・フェラーリは、「需要より、一台少なくつくれ」と常々口にしていました。それはやがて社風となり、社員の考え方となり、大事な戦略となりました
地上でいちばん幸せな場所(ウォルト・ディズニー)
ポケットに入るラジオをつくれ。(「トランジスタ・ラジオ」井深大・盛田昭夫)
ATMのように手軽にクルマが使える世の中に。(「ジップカー」ロビン・チェイス)
◆機能するビジョナリーワードの条件
1.解像度
2.目的地までの距離
3.風景の魅力
◆新しい言語表現をつくる5つの技法
・呼び名を変える
・ひっくり返す
・喩える
・ずらす
・反対を組み合わせる
この国立公園の管理者は、言葉に敏感でユーモアのある人だったのでしょう。デコボコな大地を、世界でいちばんゴルフに向かない場所と捉えて、「悪魔のゴルフコース」(devils’ golf course)と名づけたのです
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『未来は言葉でつくられる』細田高広・著 ダイヤモンド社
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◆目次◆
PART1 言葉は未来を発明する道具
PART2 「時代」を発明した言葉
PART3 「組織」を発明した言葉
PART4 「商品・サービス」を発明した言葉
PART5 ビジョナリーワードをつくる四ステップ
PART6 未来への入口を探す
PART7 言葉をつくる五つの技法
PART8 旅程表をつくるバックキャスティング
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