2013年6月19日

『経営者とは 稲盛和夫とその門下生たち』 日経トップリーダー・編  Vol.3256

【稲盛さんに叱られたい経営者へ。】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822264491

JALの再生により、再び脚光を浴びている、京セラ創業者の稲盛和夫氏。

本日の一冊は、そんな氏が主宰し、数多くの経営者を輩出した「盛和塾」の教えをまとめた一冊です。

本書によると、この盛和塾からは、以下の有名経営者が出ているようです。

<生きた経営学を学ぼうと、これまで盛和塾には多くの経営者が門をくぐった。その中には現在の上場企業経営者も多く、ぴあの矢内廣、ワタベウェディングの渡部隆夫、平和堂の夏原平和、サカイ引越センターの田島治子、大戸屋ホールディングスの三森久実、ネクストの井上高志など、挙げればきりがないほどだ。かつて時代の寵児となった光通信の重田康光、またブックオフコーポレーションを創業した坂本孝ら著名経営者の面々も目立つ。今は退会したが、ソフトバンク社長の孫正義も一時期在籍したという>

では、これほどの経営者たちが、一体何を盛和塾に求めたのか。

それは、一言で言うと「フィロソフィー」でしょう。

そして、そのフィロソフィーは、具体的には以下の言葉に集約されます。

<全従業員の物心両面の幸福を追求すること>

結局のところ、経営者に求められるのはノウハウではなく、フィロソフィーや意志といった、心の持ち方。

本書には、その原理原則と、門下生が稲盛氏から教わった、数々の経営思想が紹介されています。

厳しい言葉もたくさんあり、背筋がピーンと伸びるのが本書の最大の特長。

門下生と稲盛氏の会話を読んでいると、あたかも自分が盛和塾に入ったかのような錯覚に陥ります。

経営者にとっては、猛省を促してくれる貴重な一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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会社という自転車は常に空中で浮いているのです。地上から少しのところで低迷しているのが中小企業であり、もっとこいで上がっていったのが、中堅企業、大企業です。中小企業の場合は、「もうこのへんでいいだろう」と思うから、そこにいるのです

欲の代わりにもう1つ、人間の心を動かし、リスクを冒してでも行動に出ようという別の動機があるのです。それは、心が大義を感じたときです

動機が我欲であれ大義であれ、事業を展開し、必死に打ち込んでいく行為の中で自己犠牲を払うという点は同じです。大きな成功には大きな自己犠牲が伴い、小さな成功には小さな自己犠牲が伴います。自己犠牲を厭う人は何をやってもうまくいきません

人の上に立つ人というのは、自分が犠牲を払ってでも、その集団のために貢献すべきであって、その人が己を愛することが一番になったのでは駄目。リーダーが自分というものを捨てなければ、集団を幸せに導くことはできませんと、南洲は一貫して無私の精神を説いています

『自分1人だけが幸せになるのではなく、周囲の人々と1つの集団を作り、その人たちを幸せにせよ』

「経営の原点12ヵ条」
1.事業目的・意義を明確にする
2.具体的な目標を立てる
3.強烈な願望を心に抱く
4.誰にも負けない努力をする
5.売り上げは最大限に、経費は最小限に
6.値決めは経営
7.経営は強い意志で決まる
8.燃える闘魂
9.勇気を持ってことにあたる
10.常に創造的な仕事を行う
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きで、夢と希望を抱いて素直な心で経営する

高い山に登ろうと思えば、そのための訓練をしなきゃいかん。計画を立て、体を鍛え、一緒に登る人にも登り方を教えなあかん。限りなく目標が高いと、やるべきことが違ってくるんや

平野には、特に胸に刻まれている稲盛の言葉があるという。「生まれたときの魂よりも、死ぬときの魂が『優しい心』『思いやりの心』『美しい心』になり、さらに立派な魂になっていくことが、人生の目的である──」

「『足るを知る』という言葉に甘えて、あんたは楽をしようとしているだけだ」

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『経営者とは 稲盛和夫とその門下生たち』
日経トップリーダー・編 日経BP社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822264491

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◆目次◆

第一章 稲盛和夫は語る
第二章 門下生は考える
第三章 経営者とは何か

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