【鉱物から見た世界史とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4562048719
ベストセラーとなった、岩瀬大輔さんの『入社1年目の教科書』
に、こんなことが書かれていました。
※参考:『入社1年目の教科書』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478015422
<世界史ではなく、塩の歴史を勉強せよ>
このフレーズを覚えていたから、というわけではありませんが、たまたま書店で、ビジネスマンの教養にピッタリの素敵な本を見つけたので、ご紹介します。
本日ご紹介するのは、『図説 世界史を変えた50の鉱物』。
ダイヤモンドや青銅、鉄、石炭、燐、鉛、ラジウム、金、銀、ウランなど、さまざまな鉱物の特徴と、それが人類史に与えた影響をまとめた、興味深い図鑑です。
鉱物の性質が、エネルギーの利用方法を決め、戦闘、日常生活での行動を決める。
いつもは脇役としか見ていない鉱物たちが、じつはわれわれ人類の発展を担ってきたという厳然たる事実に、驚かされる一冊です。
青銅時代を通して見えてくるグローバル経済の未来、明礬、アルミニウムの物語から見えてくる「希少性」や「価値」の法則、USラジウム社の事例に学ぶ職場の「安全」の重要性…。
事例こそ古いですが、そこからの学びは、極めて現代的です。
世界史を、「鉱物」という切り口で学び直すことで、世界のエネルギー問題、貿易問題、グローバルビジネスの未来が見えてくる、そんな一風変わった読み物です。
教養として、ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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伝統的に無色のダイヤモンドが宝飾品用として最高の評価を得ているが、不純物によってさまざまな色がつくことがあり、もっともよくあるのが黄色と褐色で、きわめてまれなのが青、黒、ピンク、赤である。近年、オークションでダイヤモンドとしては最高ともいえる価格で青とピンクの石が落札されている
古代にはキプロス島が地中海世界におけるきわめて重要な銅の供給地だったため、この金属のラテン語の名称aes Cypriumつまり「キプロスの金属」がのちに短縮されてcuprumとなり、英語の「銅」copperが生まれた
青銅は錫と銅の合金で、その生産は大規模な交易網の誕生と金属を鋳造し加工する新たな技術の開発を必要とした
色はそれ自体喜びのもとであるだけでなく、昔の人々にとっては社会的地位(たとえば皇帝の紫)、信仰(たとえばイスラムの緑)、国への忠誠(いくつもの国旗にある赤、白、青)の区別を表現できるものだった
残念ながら現代になって琥珀の価値が低下したのは、琥珀が人工のプラスティックやポリマー樹脂に似ているからである。琥珀は外見の独自性を失っただけでなく、現代の材料を使えば非常に簡単に偽物を作ることができる
スペイン人は1519年にメキシコ、その10年後にペルーにやってきたとき、黄金の都市こそなかったが、支配者層が何世紀ものあいだに蓄え、神殿や宮殿、墓、人間を飾るために使った金の装身具や工芸品を発見した
石炭がなかったら、イギリスは(国内に石炭がなかった)オランダによく似た重商主義の強国になり、産業超大国の帝国として19世紀のあいだ世界を支配することはなかっただろう
殺した動物あたりの得られる牙の量、そしてイッカクやカバに比べると狩りが容易だということを考えると、ゾウが選択されたのは当然である
一説では、青銅器時代の崩壊により、北ヨーロッパを地中海と結んでいた長距離交易網が途絶し、その結果、青銅産業はその重要な材料のひとつである錫の不足に苦しむことになった
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『図説 世界史を変えた50の鉱物』エリック・シャリーン・著 原書房
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◆目次◆
ダイヤモンド
銅
青銅
アラバスター
明礬
アルミニウム
アスベスト
琥珀
銀
粘土
砒素
アスファルト
ほか
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