2013年6月28日

『不動産の基本を学ぶ』畑中学・著  Vol.3265

【不動産の調査方法がわかる本】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761269251

本日の一冊は、不動産コンサルタントとして、年間300件以上の相談案件をこなすという著者が、不動産の売買でしくじらないための調査方法をまとめた一冊。

不動産業界の新人に向けて書かれた本のようですが、それだけに内容が詳しく、かつ素人でも一から学べるようになっています。

本書によると、不動産で調査すべきポイントは3つあります。

それは、「使えるか(建てられるか)」「取引(手続き)は安全か」「担保に取れるかどうか」。

本書では、この3つをさらに掘り下げて、法令がどうなっているか、取引でチェックすべきポイントは何か、価値ある不動産の条件は何か、明確に示しています。

たとえば、不動産の情報で必ず載ってくる「徒歩○分」。

これに関して、著者はこんな見解を示しています。

<駅からの徒歩時間という尺度で見ると、徒歩1分ならその圏内には不動産の数も限られており、希少性がありますが、徒歩15分となると類似商品が多いはずで、汎用品と言えます>

なるほど、駅から近いことの価値がよくわかる記述ですね。

さらに本書では、われわれが売買の際に手にする書類について、正しい見方が示されています。

1つ、登記事項証明書の見方について説明した箇所をご紹介しましょう。

<登記事項証明書の乙区を見るだけで、所有者の懐事情が透けて見えてきます。乙区に抵当権の設定がない所有者は、比較的に裕福だったり、金銭的な管理をしっかりしている方であると考えられます。抵当権の設定と抹消が交互に繰り返されている場合は、お金の出入りが激しいのと同じ意味ですので、家計が火の車である可能性があります。また、所有者が会社経営者の場合によく見受けられるのが、個人名義の抵当権設定です。その個人が親族なら住宅ローンの補助としてとも考えられますが、知人友人などのまったくの第三者の場合は、すでに金融機関に相手にされないほど会社経営が窮地に陥っている可能性があります>

プロ仕様の本ではありますが、それだけに押さえるべきポイントはひと通り網羅されています。

一生に一度の買い物でしくじらないために、ぜひチェックしておきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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◆不動産調査の6つの対象(箇所)
1.当事者(依頼者、売主、買主、代理人)
2.現地(敷地内外の環境をつかみます。現地を見て法務局、行政、ライフライン等についてどんな調査をするのか方針を決めます)
3.法務局(法務局出張所、あるいは本局にて調査を行います)
4.行政(市区町村の役所(場)、時には都道府県の役所にて調査を行います)
5.ライフライン(上水道、下水道の管轄行政庁、電気、ガスの各会社にて調査を行います)
6.関係各所(マンションの管理会社、借地人、地主、税務署、電鉄会社が主なところです)

調査すべき大きなポイントは3つに分類できることがわかります。「使えるか(建てられるか)」「取引(手続き)は安全か」「担保に取れるかどうか」

接道幅員では、道路に接する敷地の幅と道路の幅員を簡易計測します。それは建築基準法上で幅員4mの道路に2m以上敷地が接していないと建物が建てられないとされているためです

登記事項証明書の乙区を見るだけで、所有者の懐事情が透けて見えてきます。乙区に抵当権の設定がない所有者は、比較的に裕福だったり、金銭的な管理をしっかりしている方であると考えられます。抵当権の設定と抹消が交互に繰り返されている場合は、お金の出入りが激しいのと同じ意味ですので、家計が火の車である可能性があります。また、所有者が会社経営者の場合によく見受けられるのが、個人名義の抵当権設定です。その個人が親族なら住宅ローンの補助としてとも考えられますが、知人友人などのまったくの第三者の場合は、すでに金融機関に相手にされないほど会社経営が窮地に陥っている可能性があります

現況と概要書を見比べて、建物と敷地の形状が異なっている場合や、建築面積が大きかったり、逆に土地面積が小さい場合は、違法建築もしくは既存不適格(建てた時は適法だが、その後違法となった状態)の可能性があります。違法建築となれば、銀行の融資を受けにくくなります

現地に“G”と書かれたプレート、もしくは赤い杭があるようなら都市ガスを引き込んでいる可能性が高く、一方、建物の裏側にボンベがあれば個別方式のプロパンガスを利用している可能性が高いと判断します

駅からの徒歩時間という尺度で見ると、徒歩1分ならその圏内には不動産の数も限られており、希少性がありますが、徒歩15分となると類似商品が多いはずで、汎用品と言えます

容積率が200%の第一種中高層住居専用地域では前面道路が4mなら4m×4/10ということで160%まで容積率が制限されます

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『不動産の基本を学ぶ』畑中学・著 かんき出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4761269251

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◆目次◆

第1章 まずは不動産調査から。メジャー1つで8割わかる!
第2章 法務局と役所は情報の宝庫
第3章 不動産取引の流れを知っておこう
第4章 不動産と切っても切れない融資の基礎知識
第5章 不動産の値段はこうして決まる
第6章 最後の仕上げ! 重説と売契と留意すべきポイント

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