2013年4月25日

『WILLPOWER 意志力の科学』ロイ・バウマイスター、ジョン・ティアニー・著 Vol.3201

【「意志力」の第一人者によるベストセラー!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4772695354

本日の一冊は、『スタンフォードの自分を変える教室』で大注目の「意志力」の第一人者が、『意志力の科学』からわかった人生の教訓をまとめた一冊。

※参考:『スタンフォードの自分を変える教室』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4479793631

著者の一人、ロイ・バウマイスターは、フロリダ州立大学・社会心理学部の教授で、心理学者として世界で最も研究成果の引用が多く、影響力のある学者。

本書では、「意志力」研究の歴史と、最新の研究結果、知見をまとめており、仕事はもちろん、夫婦関係や子育てなど、「自己コントロール」を必要なあらゆる場面で活用できる内容となっています。

ベストセラーとなった『スタンフォードの自分を変える教室』と同じ研究結果の引用もあり、当然同じ教訓、ノウハウが書かれた個所もありますが、全体的に見て、こちらの方が詳しく、実験が行われた背景や条件などもわかりやすく書かれています。

◆『スタンフォードの自分を変える教室』でも説かれた事実
<我慢した後は、次の誘惑に負けやすい>
<睡眠不足は自己コントロール能力の低下につながる>
<自己コントロール能力を一定に保つためには、GI値の低い食べ物(ナッツ類など)を食べたほうがいい>

また、意志力と購買行動に関して、詳しい情報が載っているので、ビジネスやマーケティングに役立てたい向きには、こちらの方が適しているかもしれません。

◆購買行動に関する実験結果

<意志力が低下しているときには、そうした条件の比較ができなくなる。研究者が「認知的倹約」と呼ぶ状態に陥り、一つの面だけしか見られなくなる。その一つが価格なら「一番安いのをください」ということになるし、質だけを見るなら「とにかく一番いいものが欲しい」ということになる>

<決定疲れが起こると、最初に設定してあるものから変更しようとしなくなる>

<魅力的な女性の写真を見た男性グループは、前と選択を変えてすぐにもらえる報酬を選ぶことが多かった。魅力的な女性を見ると、男性はすぐにキャッシュが欲しくなるものらしい>

子育てに関しても、示唆するところが多く、とくに以下の視点は参考になりました。

<自己コントロール能力の低い子供たちは、刑務所に入る割合が高かった>

<月ごとの計画を立てたグループが、勉強の習慣を身につけるという点でも、勉強への姿勢という意味でも、一番成長が見られた>

<能力を伸ばすのは、自尊心より自制心>

現在ブームとなっている「意志力」を、科学的に学べる、興味深い読み物。

ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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自己コントロール能力の低い子供たちは、刑務所に入る割合が高かった

ヒトは霊長類の中で最も大きな前頭葉を持つが、それはヒトが最も大きな社会グループの中で生きているからで、どうやらこれこそヒトが自己コントロールを必要とする理由らしい

自我が消耗すると、自己を制御する上で極めて重要な脳の部位である前帯状皮質の働きが鈍くなる

目標を絞って集中したほうがいい

グルコースなくして意志力なし

黄体期の女性は、いつもより金遣いが荒くなって衝動買いをしやすい

対立した目標を立てた結果、人は行動せず不満をためる

実験者は、毎日計画を立てたグループが一番よい結果が出るはずだと予測した。しかしそれは間違いだった。月ごとの計画を立てたグループが、勉強の習慣を身につけるという点でも、勉強への姿勢という意味でも、一番成長が見られたのだ

ルビコン川を渡るのは、帝国の運命を決めるにしろ、コンピュータのハードディスク容量を決めるにしろ、頭に負担のかかる作業のようだ

たとえ自分の役に立たない選択肢であろうと、人はなかなか選択肢を減らすことができないと、多くの研究が証明している。選択肢を減らしたくないという気持ちは、意志力が弱っているときさらに顕著になる。ものごとを決定するには意志力が必要なので、人は疲れているとき決定を延期するか避ける方法を考えるようになる

意志力が低下しているときには、そうした条件の比較ができなくなる。研究者が「認知的倹約」と呼ぶ状態に陥り、一つの面だけしか見られなくなる。その一つが価格なら「一番安いのをください」ということになるし、質だけを見るなら「とにかく一番いいものが欲しい」ということになる

決定疲れが起こると、最初に設定してあるものから変更しようとしなくなる

魅力的な女性の写真を見た男性グループは、前と選択を変えてすぐにもらえる報酬を選ぶことが多かった。魅力的な女性を見ると、男性はすぐにキャッシュが欲しくなるものらしい

最も熱心に歩くのは、1日に歩いた距離を何人かの友人と共有している人たちだ

あえて左手を使うようにすれば自己コントロールのエクササイズになる

能力を伸ばすのは、自尊心より自制心

自尊心が高いと、成績が下がる

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『WILLPOWER 意志力の科学』ロイ・バウマイスター、ジョン・ティアニー・著 インターシフト
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◆目次◆

はじめに 幸せと成功の鍵
第1章 意志力とは何だろう?
第2章 意志力のもとになるエネルギーを高める
第3章 計画を立てるだけで効果あり
第4章 決定疲れ
第5章 自分を数値で知れば、行動が変わる
第6章 意志力はこうして鍛える
第7章 探検家に秘訣を学ぶ
第8章 特別な力
第9章 能力を伸ばすのは、自尊心より自制心
第10章 ダイエットせずに減量を成功させる
結論 守りよりも、攻めの戦略を

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