【ファッション界を変える2人の女性起業家】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249565
本日の一冊は、オンラインで高級ブランドのサンプルセールを行い、あっという間に500万ユーザー、スタッフ900名、企業価値10億ドルの企業にのし上がったギルト・グループ創業者の2人による共著。
ハーバード大学の学部生時代に出会ったファッション好きの2人が、どうやってビジネスを立ち上げ、成功へと導いたのか、そのエピソードと起業ノウハウが学べる一冊です。
日本では、高級ホテル・旅館の予約から業容を拡大した一休.comが似た事例になりますが、やはり利ざやの大きい高級品(希少品)から始めるのは、インターネットビジネスの王道。
本書の2人も、その基本に忠実にビジネスを立ち上げています。
このモデルが面白いのは、短い期間のイベントセールを仕掛けることで、需要を集中させる効果があること。
売り手の側から見ると、短期間で売れるため、安売り期間が短く済む、買い手の側から見ると、希少なものを人と争う快感がたまらない、などの利点があります。
名著『影響力の武器』によると、希少性の原理は「それを求めて競争してる時」にさらに促進されるらしいですから、この仕組みが人気を集めるのは、理にかなっています。
本書には、こんな彼女たちのビジネスモデルとそれを支えるオペレーション、ここに至るまでの苦難のエピソードが綴られています。
ところどころ、起業に必要な心構えやノウハウも紹介されており、なかなか興味深い一冊でした。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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高級ブランドの経営者たちは、商品に実際に触れ、試着しない限り、顧客はクレジットカードを出さないと信じていた
投資家たちはギルトの企業価値を10億ドルと見積もっている
私たちを成功へと導いたのは、こんな実行力だ──思い切って超高級分野からスタートしたこと(その後手ごろな価格帯に拡大した)、マーケティング手法として画期的なクチコミ戦術を取ったこと、スマートフォンやタブレットを利用するモバイル・コマースのような最先端のテクノロジーに敏速に対応したこと、そして販売するブランド、小売店や従業員たちと倫理に基づいた長期的な関係を重視したこと
ギルトは、ネット上に毎日同じ時間に、商品をほかの客と競って買う楽しみを提供する。ブランド商品を、姿が見えないほかの客を出し抜いて手に入れたときの勝利の喜びは、ギャンブルにも似た快感だ
会社の急成長に伴い、アレクシスは自分の経験値をはるかに超えた業務に挑戦することができた。弱冠24歳の彼女が、イーベイ・カナダを立ち上げ、経営者となったのだ
事業を興すのであれば、よく知っていて尊敬でき、自分の強みをもっと強くし、弱みを補い、全面的に信頼がおける人としか組んではいけない
高額商品にすれば販売利益はより高くなり、資金繰りが問題になりがちな創業直後数カ月の収入をより大きくできる、という実利的効用がある
自分が選ばれた人であるといういい気分になると、友人を誘おうかという気になる。これがクチコミをより速く、効果的に広げる効果を生む
どの商品分野においても、最高級商品の売り手は、インターネット上で大っぴらに割引販売することをいやがる。だが、ギルトならばブランドイメージをコントロールしながら、高級品市場のすそ野を広げられる
私たち自身がギルトがターゲットとする顧客層だったおかげで、顧客の取り込みに経費も労力もあまりかけないで済んだこともバイラル・マーケティングの成功要因だった
どの都市においても、イベントを主催するときには、エキサイティング、トレンディ、高級、というギルトのブランド色に、地元の色を添えるように心がけた
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『GILT ITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー』アレクシス・メイバンク、アレクサンドラ・ウィルキス・ウィルソン・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249565
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◆目次◆
第1章 キャリアと友情
第2章 アイデアを練り上げる
第3章 ビジネスパートナーを選ぶ
第4章 タイミングを計る
第5章 ネットワークをつくる
第6章 eコマースの売場を改装する
第7章 資金調達はアートだ!
第8章 バイラル・マーケティングで顧客獲得
第9章 草の根作戦
第10章 優秀な人材を集める
第11章 危機をバネにする
第12章 私たちらしいリーダーシップのスタイル
第13章 超成長の反動をどう乗り切るか?
第14章 これからのギルト・グループ
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