【「無借金経営」は愚の骨頂?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860635892
最近、デキる経営者とお会いする機会が増え、新たに気付いたことがあります。
それは、デキる経営者は「目一杯借金をしている」ということ。
そう、現金を最大限増やすことで、ビジネスを有利に展開しているのです。
とはいえ、事業に失敗はつきもの。万が一のことを考えて、借金を嫌う経営者は多いものです。
本日ご紹介する一冊は、経営者がどう借金と付き合えば良いか、その理屈と詳細を述べた一冊。
読者が借入を嫌う経営者だった場合、借金に対する考え方が一変する内容となっています。
まず、信用面に関する誤解から説明すると、借金のない企業の方が借金のある企業より信用があると考えるのは大間違い。
本書によると、真実はこうなっています。
<借入金ゼロで預金1000万円の企業と、借入金3000万円で預金4000万円の企業では、実質は変わりませんが、銀行が評価するのは後者の企業です。現預金が多いのに加えて、「どこかの銀行が融資をした」ことが信用になるからです>
また、借入などしなくても、支払いサイトを変更することで資金繰りを良くすることができる、と考える人には、こんな指摘をしています。
<自社の売上入金サイトの短縮は、取引先の支払サイトの短縮を意味し、自社の支払サイトの延長は、得意先の売上入金サイトの延長を意味します。ですから、すべての企業が経営分析の教科書に従って行動した場合には、必ず利害が対立します>
そう、多少はやむを得ない場合もあるとして、支払サイトの変更は、自社の都合だけを考えた、自己中心的な行為なのです。
さらに本書では、金利を払ってでも多目に借金をするべき理由を、こう説いています。
◆現預金を今の2倍持っていると…
・入金サイトを気にせずに、利益率を確保した大手得意先との
交渉ができる
・支払サイト短縮に伴う仕入値引きの交渉ができる
現金が潤沢にあることで、これまでとは違ったビジネス展開ができる、ということはおわかりでしょうか。
ノウハウ面でも、銀行から融資を取り付けるノウハウ、スムーズな借入を実現する意外な方法、借入限度額の目安、代表者の保証を外す方法など、さまざまな情報が詰め込まれており、経営者には重宝する内容です。
目からウロコの事実、ノウハウが書かれているので、ぜひチェックしてみてください。
—————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
—————————————————
個人顧客が中心の支店で通帳を作ってしまうと、「法人の融資は法人担当がほかの支店からわざわざ来る」ことになり、それだけで融資を受けるのに不利になる場合がありますので、注意してください
地銀の「県外支店」や、空白地帯への新規出店支店はアグレッシブな融資をしてくれます
IT関連企業は参入障壁が低く、会社によって浮沈の差があるので、一般の支店は融資に対して慎重な姿勢を示すことが多いのですが、関連企業の多い東京都渋谷区の支店ではIT業種を評価するノウハウを持っているので、重点を置いていたりします
紹介を受けることが難しく、過去に取引した銀行も難しいようであれば「日本政策金融公庫」または「地銀の県外支店」に打診
「経営者が地方出身者」の場合「出身地の地銀」つまり同郷つながりの場合、スムーズに融資が受けられることがあります
新たに取引を始めようとする銀行から「どうして今取引している銀行から借りないのですか?」と尋ねられた場合は「リスク分散のために取引銀行を増やしなさいと会計事務所に言われたから」と言ってみてください
(1)借入限度額……(a)(b)いずれか低いほうの金額
(a)当期利益の10倍(~20)倍
(b)年商の2分の1
(2)借入可能な財務状態………(a)(b)(c)すべてを満たすこと
(a)2期連続赤字でない
(b)債務超過でない
(c)税の未納がない
「法人税アレルギー」を持っている経営者をよく見かけますが、今の税制では「所得税(住民税含む)+社会保険料(含む企業負担分)」は法人税より高いことをご存じでしょうか?
借入が返済できなくなるのは、赤字を埋めるために使ってしまった場合と、予定していた売掛金が焦げついて回収できなくなった場合だけ
経営者は家を買っておこう
「増加運転資金」は、銀行としては最も貸しやすい理由の1つ
「○年使えるものは○年返済の借入で購入」が基本になります。耐用年数の長い設備を返済期間の短い運転資金で借りてしまっては、資金が回らなくなる可能性が高い
代表者の保証を外す方法の1つ目が「銀行引受私募債の発行」
————————————————
『借入は減らすな!』松波竜太・著 あさ出版
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4860635892
————————————————-
◆目次◆
第1章 間違いだらけの「お金」の考え
第2章 銀行交渉その前に
第3章 まずはとにかく手持ち資金を増やそう
第4章 銀行を理解して賢く交渉しよう
第5章 財務体質改善策で評価アップを狙おう
この書評に関連度が高い書評
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。