【株式投資の今後を知る、ぶっちゃけ話】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492395849
本日の一冊は、「ぐっちーさん」のペンネームでブログを書き、人気を博している著者による、日本経済論。
(2007年にはアルファブロガー・アワードを受賞)
もともとは、慶應義塾大学経済学部卒業後、丸紅を経て、モルガン・スタンレー、ABNアムロ、ベアー・スターンズなど欧米の金融機関を渡り歩いた人物で、現在は投資銀行家として活躍しているようです。
本書は、氏がメルマガや講演で述べた内容に大幅加筆したもので、なかには2011年の古い記事もありますが、原理原則は今でも変わらず役に立つと思います。
率直な物言いが人気の著者ですが、本書でも冒頭から、大々的なメディア批判を展開しています。
<何せ、メディア上で様々な経済動向を解説しているのは証券会社や投信会社などの金融会社であり、そうなるとそれらをスポンサーとするメディアが一般投資家を相手に商売しながら真実の情報発信をすること自体に、そもそも無理がある>
投資に関して言うと、これはおっしゃる通りで、土井も証券会社ひも付きの無料セミナーやセミナー講師の発言は信じるなと常日頃から言っています。
現政権の政策への批判などもありますが、これは直接読んでいただくとして、大事なのは、以下の点ではないでしょうか。
<貨幣量を増やしても需要がなければ物価は上がらない>
<有り余る供給力の一方で、世界中で需要の極小化現象が起きている>
では、われわれはこれからどうやって稼いでいけばいいのか。本書には、こんなヒントが書かれていました。
<お金は製造業で稼がなければならない、なんてルールはないんです。ありとあらゆる方法で稼いでその結果黒字になればよろしい>
それなら投資で…という方もいらっしゃると思いますが、本書にはそんな方のために、今後の投資のヒントも書かれています。
<ジョンソン・エンド・ジョンソンにとっては、リーマンショックなんて何でもなかった>
<株式投資の本当の意味とは100銘柄下がっていても1銘柄だけ値上がりしているものを見つけることにある>
アベノミクスに溺れることなく、冷静に市場や銘柄を見つめる。そんな投資をしたい方に、ぜひおすすめしたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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何せ、メディア上で様々な経済動向を解説しているのは証券会社や投信会社などの金融会社であり、そうなるとそれらをスポンサーとするメディアが一般投資家を相手に商売しながら真実の情報発信をすること自体に、そもそも無理がある
アメリカの新たな産業発展の恩恵に最も与るのはどうみても日本なのです。唯一問題点があるとすると、アメリカと共に新たな産業を見つけ出していかねばならぬ日本が、30年前からやっている公共投資などに資金を投入するという時代錯誤ともいえる安倍新政権の政策そのものでしょう
貨幣量を増やしても需要がなければ物価は上がらない
有り余る供給力の存在の一方で、世界中で需要の極小化という現象が起きており、これが最近の経済用語で「Minization」と言われている現象です
お金は製造業で稼がなければならない、なんてルールはないんです。ありとあらゆる方法で稼いでその結果黒字になればよろしい──皆様の企業経営と一緒ですよね。なのにどうも日本は貿易収支が黒字にならないと気に入らない人が多いのです
ジョンソン・エンド・ジョンソンにとっては、リーマンショックなんて何でもなかった。アメリカ経済がいい時も悪い時も、うちだけは普通に経営させていただきますという企業はたくさんあります。ITブームだろうが何だろうが、こういう企業は常に収益を出しています。株を買うならこういう株を買ってくださいと申し上げるしかありません
株価は個々の企業の企業業績の結果といくらかの予測に基づいて動きます
BRICsの中でも特にブラジル、ロシアは要注意。なぜならこの2国は圧倒的に欧州の銀行からの投資や借り入れが多いからです。ですから、この欧州危機の中で欧州の大手金融機関に資金を引き揚げられたら即死します
株価というのはインデックスを見ても意味がないのです。特にダウ平均、日経平均などは大型株をそのままアベレージダウンしているものなので、結局大型株がどう動いているかということしかわかりません。日本ですらGDPのわずか18%しか占めていない製造業を中心にしている日経平均を見て何がわかるというのでしょうか
株式投資の本当の意味とは100銘柄下がっていても1銘柄だけ値上がりしているものを見つけることにある
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『ぐっちーさんの本当は凄い日本経済入門』山口正洋・著 東洋経済新報社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492395849
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◆目次◆
プロローグ ぐっちー流最新経済学入門
世界経済はどこへ行くのか?
第1章 アメリカ経済編
ああアメリカ!復活の日は近いか?
第2章 中国経済編
経済のスローダウンは本物、バブル崩壊は近い!
第3章 欧州経済編
欧州危機に大揺れの新興国、日本も無縁ではいられない
第4章 投資編
為替、株式投資の仕組みとノウハウを伝授
第5章 日本経済編1
円高も大震災も乗り越えた底力を検証する
第6章 日本経済編2
「日本が崩壊する?」そんなデマを信じちゃいけない!
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