【21世紀で最も魅力的な職業?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249476
自動車、テレビ、コンピュータ、インターネット…。
いつの時代にも、その時々の「金脈」というものが存在しますが、おそらくこれから注目される「金脈」は、複雑かつ膨大なデータのなかに埋もれていると考えています。
そう、われわれがビジネスをするなかで日々生まれている「データ」。そこにマーケティングの新たな「金脈」があるのです。
本日の一冊は、米ハーバード・ビジネス・レビュー誌が「21世紀で最も魅力的な職業」と呼ぶデータ・サイエンティストの手法をわかりやすく解説した一冊。
著者は、オグルヴィ・アンド・メイザー・グループのデジタルおよびダイレクトマーケティング部門「オグルヴィ・ワン」のマネージング・ディレクターであるディミトリ・マークス氏。
邦訳のサブタイトルは「ビッグデータからビジネス・チャンスをつかむ」と、流行りの「ビッグデータ」が載っていますが、原題は真逆の『SEXY LITTLE NUMBERS』。
これは、<既に手元にある魅力的なデータ>を意味しており、監修者によると、<ビッグデータの時代に、あえて「リトルデータ」に言及しているのは、まずは企業がデータ分析を活用できる体制を整え、目の前にあるデータを甘く見ず、足元をしっかり固めて、そのうえでビッグデータへ立ち向かっていけという著者のメッセージ>とのことです。
どうデータを集め、売上を生む要因を見つけ出すか。
本書では、米ホテルチェーンのシーザーズ米オンライン証券のTDアメリトレード証券、シスコなどの事例を紹介しながら、どうやって得たデータや知見を現場に落とし込んでいくかが書かれています。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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あるサイトの訪問者が別のサイトに移動しても、追跡して広告を表示する。マーケティングキャンペーンの効果を正確に、しかもリアルタイムに把握する。顧客の中から最大の利益をもたらしてくれる人をターゲットにする──これらはすべて、現代の「アナリティクス(分析技術)」が可能にすることの一部だ
米ホテルチェーンのシーザーズは、同社のホテルに対するウェブ上のカスタマーレビューを分析することで、広告予算のリターンを15~30パーセントも増やすことに成功した(中略)コメントを自動的にソートして得点化できるシステムを使い、得られた結果から特典の内容や広告の表現を調整したのである。例えば宿泊客がホテルからの眺めを絶賛していることがわかれば、「眺めが良い」という点を広告上で目立つようにし、一方で価格については画面の下のほうにレイアウトするといった具合だ
例えば申し込みボタンの言葉を「いますぐオンラインで申し込む」から「始めてみよう」にし、色をオレンジから緑に変えただけで、口座開設者数に劇的な変化が見られた
「バリュースペクトラムモデル」という名前で、顧客を2×2の枠組みの中に配置する
顧客の中に、グローバルな取引を行う企業があるとしよう。彼らが売上高500万ドルに達した場合、IP電話システム(国際通信のコストを劇的に削減してくれる)を導入する傾向にあると気づいたとする。それがわかれば、顧客の中から「海外との取引がある」そして「売上高が500万ドルに近づいている」という条件に合う企業を選び出し、IP電話システムを売り込むはずだ(シスコでは実際にそうした)
不安が高まる時期には、女性のファッションは地味になり、使われるパターンが減り、襟ぐりは浅くなり、スカートの丈は長くなる
衣料品会社のノースフェイスのファンページには、ある時点で48万2000人のファンが存在していた。彼らファンには合計で5190万人の友人たちがいた。つまりノースフェイスは、5190万人の人々に対して、フェイスブック上で友人からのお勧めがついた広告を配信できる可能性がある。しかもその広告は、どこか別の場所で、友人からのお勧めなしで表示される広告に比べて4倍もの効果があるのだ
それぞれのコミュニケーション要素が、最終的な購買にどの程度貢献したのかを知ることは非常に重要である
◆メールコピー
・短いタイトルのほうが効果的である
・重要な情報を最初に持ってくると、タイトルの長さがあまり影響しなくなる
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『データ・サイエンティストに学ぶ「分析力」』ディミトリ・マークス、ポール・ブラウン・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249476
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◆目次◆
イントロダクション:数字はずっと魅力的だった
監修者まえがき
第1章 リトルデータでビジネスを成長させる
第2章 ターゲティング──誰にアプローチするか
第3章 メッセージ──何について話すか
第4章 ロケーション──どこで顧客を見つけるか
第5章 予算──いくら費やすべきか
第6章 測定──何が有効か、有効でないかをどう把握するか
第7章 最適化──有効なものをさらに活用し、無効なものを排除するには
第8章 アナリティクスの未来
謝辞
訳者あとがき
索引
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