【記憶の質を高め、必要な時に取り出す技術とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/448413103X
今日は突然ですが、みなさんにテストです。
3つの質問のうち、いくつ当てはまるか答えてみてください。
・新たな問題に対しては、常にそれに応じた独自のやり方でアプローチする
・情報に乗り遅れないよう、自分の専門分野に関する最新記事には必ず目を通す。役に立つと思ったら、あとでじっくり読み返す
・仕事の効率を高めるため、一度にいくつもの仕事を並行して行う
じつはこれ、すべて『スマート・シンキング』をする妨げとなる、NG行動。
もしあなたが、問題解決のための画期的なアイデアを得ようとするなら、避けた方が良い行動ばかりです。
本日ご紹介する一冊は、この『スマート・シンキング』のための行動と習慣を、認知心理学者のアート・マークマンがまとめた一冊。
著者は、テキサス大学の教授で、認知科学学会の機関誌「認知科学」の編集長。P&Gをはじめ、大手企業のコンサルティングも多数手掛ける人物です。
本書の冒頭には、長時間使っていると吸引力が弱まる従来型の掃除機に不満を感じ、サイクロン式の掃除機を開発したダイソン、サメから学び、画期的な新素材と競泳用水着を開発したフィオナ・フェアハーストの例が出てきますが、彼らが用いたのは、まさにこの『スマート・シンキング』です。
読者は、こうした成功者たちの問題解決を追体験し、さらに体系化された『スマート・シンキング』のメソッドを学ぶことができるでしょう。
数あるノウハウのなかから、習慣に関するノウハウと、記憶に関するノウハウをピックアップしてみましょう。
まず、習慣に関して興味深いのは、<行動を起こす状況が特殊であるほうが習慣は早く形成される>という事実。また、<似たような状況で異なるいくつもの行動をとると、習慣を身につけるのには時間がかかる>という事実も指摘されています。
記憶に関しては、相手に覚えてもらうためのノウハウがあったので、それを紹介します。
◆「他人があなたについて覚えていること」を増やすための3つのアドバイス
1.すべてのプレゼンテーションは先行オーガナイザーを用いてはじめよう
2.プレゼンテーションの間は、おもなポイント3つに焦点を絞ろう
3.プレゼンテーションの終わりには、3つのポイントをまとめよう
ほかにも、問題解決のための『スマート・シンキング』のコツや、伝えるための技術など、心理学的な視点から、さまざまなノウハウが説かれています。
知的生産に関わる人は、ぜひチェックしていただきたい一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スマート・シンキングには、質の高い知識を習得すること、そしてその知識を応用して目標を達成するための賢い習慣を身につけることが必要
行動を起こす状況が特殊であるほうが習慣は早く形成される。似たような状況で異なるいくつもの行動をとると、習慣を身につけるのには時間がかかる
ひとつのことに集中しよう。マルチタスキングはやめよう
◆「他人があなたについて覚えていること」を増やすための3つのアドバイス
1.すべてのプレゼンテーションは先行オーガナイザーを用いてはじめよう
2.プレゼンテーションの間は、おもなポイント3つに焦点を絞ろう
3.プレゼンテーションの終わりには、3つのポイントをまとめよう
「整列可能な差異」に着目することで、あなたは新しい状況について気づきと学びを得ることができる
類推は将来を予測するための大きな判断材料となるが、それは何か別の方法で立証する必要がある。類推したことがすべて正しいという保証はないからだ
物が分類しやすい理由のひとつは、カテゴリーに名前がついているからだ
あなたが頭に呼び出した情報はつねに現在自分が考えていることと関係がある
海辺に座って覚えた単語は、海中より海辺のほうが思い出しやすかった
言葉よりもっと効果的に空間を示す方法は、相手がすでによく知っている空間的イメージとの類似性を挙げることである。私たちは、方角を示すのに時計の文字盤を使うことがある。この場合は、ボールは2時の方角へ飛んだぞ、と友人に告げればいいのだ
物理的な環境を変化させれば、自分が新たに身につけようとしている新しい習慣を忘れないようにすることができる
確証バイアスは多くの社会的場面における安全策であるが、問題に対する新しい解決策を評価するのに有効な方法だとは言いがたい
スマート・シンキングは究極的には、個人「および」グループによる優れた思考に関わる
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『スマート・シンキング』アート・マークマン・著 阪急コミュニケーションズ
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◆目次◆
第1章 スマート・シンキングとは何か
第2章 スマート習慣で行動を変える
第3章 記憶の限界を知り、効果的に学習する
第4章 物が機能する仕組みを理解する
第5章 類似点を探し、既存の知識を応用する
第6章 記憶の効果を最大化する
第7章 スマート・シンキングの実践法
第8章 スマートな文化を築くために
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