【経営幹部の人事をどう決めるか】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891012536
本日の一冊は、松下電器を経て、新世プラスチックを創業、その後、社員53人のオーナー企業だった西尾レントオールに入社し、人事の責任者として同社を連結売上高774億円、社員1596人、大証一部上場にまで導いた著者が、社長のための人事ノウハウを説いた一冊。
現場のスタッフを採用するのも骨が折れる作業ですが、経営幹部の人事は、しくじると取り返しのつかないトラブルにつながります。
本書では、会社の成長ステージに従って、社長がどんな人事を行えば良いのか、どんな人材を登用すればいいのか、どんな人材がNG人材なのか、その見極めポイントを示しています。
興味深いところだと思うので、NG人材の例だけ挙げておくと、
・同業で風土が違う会社で長年やってきた人間
・役員でありながら陰でオーナー家の悪口を言う人物
・権威を張るような人間
一部、反論もあるかと思いますが、理由まで読めば、納得できるはずです。
ほかにも、「役員の条件」や「オーナー企業の役員の心得」などが書かれており、これから出世を狙う人も、押さえておくと良いでしょう。
◆役員の条件
1.誰もが認める人であるか
2.不採算事業からうまく撤退できるか
3.社長の考えをブレークダウンできるか
4.会社全体を見ることができるか
5.将来の展望をもっているか
6.人望と品格
自己啓発書や、仕事術の本には、「デキる人」「好かれる人」になる条件しか書かれていませんが、本書には、組織で上に立つ人の条件が書かれています。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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西尾レントオールの第一ステージから第二ステージにかけて、先代社長が再三言われたことは、「ラインの縦ぐしがきちんと土台にはまっていたら、スタッフの横ぐしを刺してもしっかり刺さるが、縦ぐしがきちんと土台に刺さっていなければ、のれんのように風に吹かれるとフワフワ揺れてしまうから、横ぐしを刺そうと思っても絶対に刺すことができない。だからまず、ラインに縦ぐしをしっかり刺すことが大事なんだ」ということ
社長にお願いしたいのは、実現できないもしれないが、少なくとも、自分の事業の夢に一生ついてきてくれた人には、家の一軒ぐらいは建てさせてやるというぐらいの気概というか愛情はもっていてほしいということである
社長は社員の脅しに負けてはいけない
同じ人に同じ取引先を長く担当させないこと
権威を張る人を幹部にすると、その権力を振り回して部下を使うようになりがちである。問題なのは、権力で部下を動かすことはできても、部下を活かして使うことはできないことである
バランスシートが読めない人は、会社が危ない状態にあっても気がつかない
会社がある規模以上になると幹部を入れ替えるためにも、あるいは仕事のローテーションをするためにも子会社が必要になってくる
抜擢人事をするメリットは、抜群に仕事ができる人により大きな舞台に上がってもらって、さらに活躍してもらうのと同時に、会社が実力主義の人事を行なっているという姿勢を社員に示すことができる点である
「高年者からは安心され、同輩からは信頼され、年少者からは慕われることが自分の理想である」(孔子が理想とした人物像)
◆役員の条件
1.誰もが認める人であるか
2.不採算事業からうまく撤退できるか
3.社長の考えをブレークダウンできるか
4.会社全体を見ることができるか
5.将来の展望をもっているか
6.人望と品格
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『社長が判断すべき重要人事』東川鷹年・著 日本経営合理化協会
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4891012536
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◆目次◆
第1章 社長にとっての重要人事とは
第2章 会社を強くする重要人事【幹部社員編】
第3章 会社と社員を守るための重要人事【幹部社員編】
第4章 オーナー企業の重要人事【親族編】
第5章 役員の条件
第6章 オーナー企業の役員の心得
第7章 人を育てる土壌づくり
第8章 中途採用の上手なやり方
第9章 新卒採用と教育のやり方
第10章 昇格・昇進の決め方
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