【ポール・アレンが語るビル・ゲイツとの日々】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062171287
本日の一冊は、歴史上、最も成功した企業のひとつ、マイクロソフトのもう一人の創業者、ポール・アレンによる回顧録。
マイクロソフトと言えば、ビル・ゲイツですが、そのゲイツを支えたのが、このポール・アレンです。
まだ10代の頃に共同で会社を起こし、学生をやりながらプログラミングの仕事をした二人が、どのように切磋琢磨し、チャンスを掴んでいったか、その全貌がわかるノンフィクションです。
アイデアのアレンと、現実主義のビル・ゲイツ。成功する企業には、必ず異なるタイプのパートナーシップがあるものですが、マイクロソフトの場合も、例外ではなかったようです。
著者は、マイクロソフトの創業者であり、2011年の時点で130億ドルの資産を持つ、世界で50位台に入る大金持ちですが、それまでの道のりは、決して平たんではなかったことがよくわかります。
読書家だった母の教え、仕事に対する父の教訓。そして著者が見たビル・ゲイツという人物。
本書を読めば、大成功を収める人物というのが、どんな幼少期を送り、どんな出会いに恵まれ、成功に至るか、その道筋がよくわかることと思います。
ビル・ゲイツと著者の確執も興味深いところですが、実用面でもっとも参考になったのは、先端技術をどうチャンスに変えるかという、著者独自の視点。
以下のステップで考えれば、誰でも先端技術からビジネスを育てる視点が得られること、請け合いです。
<私は自分にいくつか問いを投げかけた。最初の問いは、この最先端技術は、これからどこへ向かうだろうか、ということだ。「今はまだ存在しないが、当然、存在すべき」というものが何かあるだろうか。存在すべきものを生み出すために、自分に何ができるか、その仕事に参加してくれそうなのは誰か、ということも考えた>
500ページを超える大著ですが、読む価値は十分にあると思います。ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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一度、ビルに「何もかもうまくいったとしたら、僕たちの会社はどのくらい大きくなるかな」と訊いたことがある。するとビルはこう答えた。「そうだな。まあ、プログラマを三五人くらい雇えるようにはなると思うよ」それは途方もない話のように私には聞こえた
私は自分にいくつか問いを投げかけた。最初の問いは、この最先端技術は、これからどこへ向かうだろうか、ということだ。「今はまだ存在しないが、当然、存在すべき」というものが何かあるだろうか。存在すべきものを生み出すために、自分に何ができるか、その仕事に参加してくれそうなのは誰か、ということも考えた
技術に生命を吹き込むには、大勢の人に役立つ応用方法を考えなくてはならない。応用方法を思いつくには、発想の飛躍が必要になる
私たちがもし、もう少し年を取っていて、分別があったとしたら、その仕事に取り組むことなく逃げていたかもしれない。だが、私たちはまだ若く、世間知らずだったのだ
父の人生の知恵は、「好きなことを仕事にしろ。どんなことを仕事にしても、それを好きになれ」といういたって簡潔なものだ
ビル・ゲイツに関しては、すぐに三つのことがわかった。まず、非常に頭が切れるということ。非常に負けず嫌いであるということ。自分がいかに頭がいいかを証明したくてしようがないのだ。そして、もう一つ、彼が非常に粘り強い、ということも間違いなかった
世の中には「アドレナリン中毒」と呼びたくなるような人が結構いる。何よりも興奮できること、ワクワクできることが大事で、そのためなら危険も厭わない人。母はよく、そういう人のことを「エッジウォーカー(Edge Walker=刃物の上を歩きたがる人)」と呼んでいた。ビル・ゲイツこそ、エッジウォーカーと呼ぶにふさわしい人だった
私のパートナーは、パイを切る時に自分の分をとにかくできるだけ大きく切ってやろうと考える人間、一度手にしたものは握りしめて決して離さない人間だった
多くのコンテンツが、ローカルマシン上ではなく、ウェブ上に存在するようになり、イノベーションのペースは以前よりさらに加速している
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『ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト』ポール・アレン・著 講談社
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◆目次◆
第1章 チャンス
第2章 ルーツ
第3章 ビル・ゲイツ
第4章 熱狂
第5章 ワシントン州立大学
第6章 2+2=4!
第7章 MITS
第8章 パートナー
第9章 ソフトカード
第10章 プロジェクト・チェス
第11章 軋轢
第12章 モーニングコール
第13章 訴訟
第14章 ブレイザーマニア
第15章 一二人目の選手
第16章 宇宙旅行
第17章 ジミ・ヘンドリックス
第18章 ワイヤード・ワールド
第19章 ファットパイプ
第20章 地球外生命体と人工知能
第21章 脳の地図を作る
第22章 冒険
おわりに
付録
訳者あとがき
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