【「アメトーーク!」名プロデューサーの仕事術】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106105012
本日の一冊は、「ロンドンハーツ」「アメトーーク!」のプロデューサーが仕事術と流儀について語った一冊。
「ヒットメーカーの頭の中」というのは、このBBMでも好んで紹介するテーマですが、デキる人が決まってやっているのは、「ものすごい発想法」ではなく、細かなことへの配慮です。
それは、不幸があった方への配慮だったり、身体的な特徴に関する配慮だったりするわけですが、本書の著者、加地倫三さんも、以下のような点に配慮しています。
<「損する人」を作らない>
<人の生死はネタにしない>
また、ヒットを出すためのポイントもいくつか挙げられており、こちらも参考になります。
なかでも感銘を受けたのは、前半部分にある「7秒の余韻をカットする」話です。
著者によると、仮に10秒間のエピソードがあって、そのうち最初の3秒が大爆笑で、残り7秒が余韻だった場合、<作り手側はついつい残り7秒の部分をカットしてしまう>。
しかし、この7秒は、視聴者が笑いを収め、その後のトークに移行するための大事な準備時間です。
いい仕事をするためには、ある程度の無駄は必要不可欠ですが、本書はまさに、そのさじ加減を教えてくれる一冊です。
読み物としては、やや食い足りない感じもありますが、ヒットメーカーの仕事術として、大いに参考になりました。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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作業をルーティーン化させないで、常にその本質を考えなければならない
あえて「逆に」を考え、視野を広げるようにしています
当てにいくものは当たらない
「勝ち越し」を続けるためには、一定の「負け」が必要
結局「超ド級」「大暴露」とやって、自らハードルを上げても、あまりいいことがない
判断をする上で大切なことの1つは、「違和感を持ったらやめる」という選択肢を持っておくこと
「損する人」を作らない
生死や病気というテーマは、それ自体がドラマチックな要素を含んでいるので、ある意味では番組にしやすいという面もあります。でも、だからこそ安易に商売に利用するようなことはしてはいけないのです
まだ悩む段階ではないのに悩んでいる人、悩むタイミングが分かっていない人は仕事が遅くなります
自分の意見を聞いてもらうためには、憎まれないようにすることが大事
ホメ上手はポイントを絞る
自動的にチャンスが降ってくるような環境にいると、それが当然だと思って、いつの間にか「もらい癖」がついてしまう
常識がないと「面白さ」は作れない
構成力とは話をどういう順番にすれば面白いかが分かっているということ。表現力はどういうふうに見せれば面白さが伝わるかが分かっているということ
あれが嫌だ、これはNGというようなことを言ってくるよりも、「こういうのに不慣れなので、みなさんぜひよろしくお願いします」というスタンスの人の方が、周囲のやる気も出ますし、その場の空気も良くなります
「俺は、離れて立っているようなディレクターにはなりたくない」
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『たくらむ技術』加地倫三・著 新潮社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4106105012
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◆目次◆
1…バカげた企みほど手間をかける
2…企画は自分の中にしかない
3…会議は短い方がいい
4…勝ち続けるために負けておく
5…文句や悪口にこそヒントがある
6…「イヤな気持ち」は排除する
7…計算だけで100点は取れない
8…マジメと迷走は紙一重
9…企画書を通すにはコツがある
10…かわいがられた方が絶対にトク
11…仕事は自分から取りに行け
12…常識がないと「面白さ」は作れない
13…芸人は何を企んでいるのか
14…「企み」は仲間と共に
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