【パタゴニア創業者の最新刊!】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017921
本日の一冊は、『社員をサーフィンに行かせよう』で話題を呼んだ、パタゴニアの創業者、イヴォン・シュイナードと同社ホールセール部門のバイスプレジデントを務めたヴィンセント・スタンリーによる最新刊。
※参考:『社員をサーフィンに行かせよう』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4492521658
パタゴニアは、<最高の製品をつくり、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する>ことをミッションステートメントとするアウトドア製品の会社ですが、本書には、その精神とレスポンシブル(責任ある)経営の実際が書かれています。
驚いたのは、パタゴニアでは、製品が壊れた時、顧客にまず修理することを求め、また着なくなった物はリサイクルに回すよう顧客に誓約させているという点。
その代わり、同社では修理部門を拡充し、また古着を売りやすいようイーベイと仕組みを作っているのです。
また、ウォルマートに請われて始めた共同プロジェクトでは、レスポンシブルな経営を実践することでコスト削減に成功し、<同社はアイドリングストップ機能付きトラックを世界で一番多く持つ企業となった>そうです。
さらに、イヴォン・シュイナードが立ち上げた「1%フォー・ザ・プラネット」(売上の1%以上を環境保護活動に拠出すると約束した企業の連合体)のトップ5社は、リーマンショック後、史上最高の売上を記録したそうで、いかにこの「レスポンシブルな経営」が重要かがよくわかります。
相変わらず世の中では、安売りと押し売りが横行していますが、それらは環境負荷をますます高めるだけで、これからの消費者には受け入れられない、というのが本書を読んだ最大の収穫。
来るべき消費トレンドの変化に対応すべく、ぜひ読んでおきたい一冊です。
なお、巻末には、「THE CHECKLISTS」と称して、あなたの職場をレスポンシブルにするTipsが書かれています。
これが意外とバリューが高いので、併せてチェックしてみてください。
—————————————————
▼ 本日の赤ペンチェック ▼
—————————————————
◆あらゆる事業が責任を持たなければならない五大要素
「収益」「社員」「顧客」「地域社会」「自然」
ウォルマートの目を覚まさせたのは、マッキンゼー・アンド・カンパニーの調査だった。この調査によると、利用者の五四%が「ウォルマートは侵略的にすぎる」と感じ、八二%が「ウォルマートは他企業の模範となるべき」と考えていたほか、ウォルマートについてのうわさから利用を完全にやめた人が一四〇〇万人に相当する二%から八%もいたという
いま、車を大口購入する連邦政府、州政府、地方政府および公共組織は、トヨタのプリウスを選ぶところが多い
企業もサプライヤーも、小売店も、皆が助け合わなければならない。自社の名前でおこなわれることはすべてが自社の責任となるわけだが、同様に、パートナーは、社会や生態系にかける負担──フットプリント──のうち、他社の名前でなされている部分も自らの責任として負わなければならない
製品が環境に与える負荷の九〇%はデザイン段階で決まってしまう
恥ずかしくて、働いている会社の名前を口にできないなどもってのほかだし、仕事だからといって自分の価値観に反することをしたいと思う人もいないだろう
生活費を稼ぐため我々が売りつけ合っている製品は、大半ががらくたである
モノの値段が上がれば、消費者は選別を厳しくし、買うモノを減らすだろう
先進工業国は、給与の高い仕事を十分に生みだせなくなった。雇用の創出スピードよりも自動化スピードのほうが速いのだ
有意義な仕事というのは、大好きなことをするだけでなく、世界に報いるものでもある
欲求をかき立てようとするのが販売やマーケティングだと言われるが、企業は、顧客が心の底から欲しいと思うモノを売るようにすべきである。マーク・トウェインの話にもあるように、売り込みの口上は大半が本当のことでなければならない。倫理的に考えても、実利的に考えてもそうなのだ
————————————————
『レスポンシブル・カンパニー』イヴォン・シュイナード、ヴィンセント・スタンリー・著 ダイヤモンド社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478017921
————————————————-
◆目次◆
第1章 生きるために
第2章 危機的状況
第3章 責任ある企業とは
第4章 有意義な仕事とは
第5章 経営責任とは
第6章 知識を共有する
終 章 進むべき道
巻末付録 チェックリスト
この書評に関連度が高い書評
この書籍に関するTwitterでのコメント
同じカテゴリーで売れている書籍(Amazon.co.jp)
お知らせはまだありません。