【メダリスト為末大の、挫折を乗り越える方法】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022879
本日の一冊は、男子400mハードルの日本記録保持者であり(2012年10月現在)、2012年エドモントン世界選手権で、男子400mハードル日本人初となる銅メダルを獲得した為末大さんによる、「熱い」自己啓発書。
25年間の競技人生を振り返り、勝敗の瞬間瞬間に著者が感じたことを生きた言葉でまとめており、じつに興味深い内容です。
引退を決めるまでの3年間で味わった下り際のむなしさ、天才だった著者が初めて味わった敗北、自分に嘘をついた瞬間など、赤裸々につづっており、思わず感情移入してしまいます。
「隴西の李徴は博学才穎、天宝の末年、若くして名を虎榜に連ね…」で始まる『山月記』が説くように、「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」は、成長を妨げるものですが、著者もまた、このような心理に陥ったことがあるようで、その辺りの心情も吐露しています。
<シドニーオリンピックでの僕の学びは、克服するのに何年もかかったけれど、「恥ずかしい」とか「みっともないと思われたくない」と思う、その気持ちこそが、実は自分の人生をずいぶん狭めているのかもしれないことに、後になって気がついた>
<恥というハードルは、一生かけて越え続けていくものかもしれない>
本書のなかで著者は、自分に自信を持つための考え方をいくつか示しており、参考になるので、ふたつほど紹介します。
<負けを認めないこと、ごまかして見ないようにしていることによって、僕たちは何か大きなものを失っている。「顔」を守ることで最もダメージを受けるのは、他の誰でもない自分自身であり、自分自身に対する尊敬だ>
<失敗を「すべて」ではなく、長い、成功への道のりの「一部」としてとらえられるかどうか。それによって自分自身への自信の度合いが大きく変わる>
ほかにも、著者が競技人生を通じて学んだ人生訓がいくつも示されており、じつに有用な自己啓発書です。
これはぜひ、チェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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負けを認めないこと、ごまかして見ないようにしていることによって、僕たちは何か大きなものを失っている。「顔」を守ることで最もダメージを受けるのは、他の誰でもない自分自身であり、自分自身に対する尊敬だ
失敗を「すべて」ではなく、長い、成功への道のりの「一部」としてとらえられるかどうか。それによって自分自身への自信の度合いが大きく変わる
意外にも、勝利そのものは自信にならない。むしろ勝負どころで頼れるのは、あのとき転んだけどまた立ち上がったじゃないかという気持ち。「あのとき俺は勝ったじゃないか」というよりも、「あのとき自分は逃げなかったじゃないか」というほうが、明らかに自信につながる
「あのときはこれでよかったんだ」と思えることが、心を健全に保つ
やりきったと思うことを積み重ねていくと、人生における後悔はだいぶ少なくなっていく
初動の速さがすべてに影響する
「あきらめている他の人生」の存在に気がつくかどうかが、人生を広げる鍵
成長の鍵は、自分が大事だと思い込んでいる「どうでもいいこと」を、どれだけ少なくできるかにある
あきらめたものが多いほうが、ひとつのことに集中投下できる。それゆえ成功しやすい
たったひとつの「きれいごと」が、人生の価値を作る
誰しもがきっぱりその「道」を見つけられるとは限らない。でも、「他の選択肢」をあきらめるという決断なら、案外できるのではないか
子どもの頃から「絶対に負けられない戦い」を覚えてしまうと、勝てる試合しかしなくなり、結果、勝負弱い人間ができ上がってしまう
「努力」は「夢中」に勝てず、「義務」は「無邪気」に勝てない
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『不愉快なことには理由がある』橘玲・著 集英社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478022879
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◆目次◆
1章 心のハードルを乗り越えろ
2章 限界が人を強くする
3章 それでもなお、一番を目指す
4章 心と体の声を聞け
5章 誰もが「死」に向かって走っている
6章 「自分」にイノベーションを起こそう
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