【えっ?D・カーネギーの新作?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422101129
本日の一冊は、世界で最も売れている自己啓発書の一つであり、不朽の名著の誉れ高いデール・カーネギーの『人を動かす』の21世紀版。
※参考:『人を動かす』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4422100513
とはいっても、カーネギーは既に亡くなっているので、これはD・カーネギー協会が、カーネギーの教えを現在に当てはめて編集し直したもの、ということになります。
著者は、<今日のコミュニケーションメディアでは、同情よりも批判が、ゆるしよりも裁きがずっと幅を利かせている>と現状を嘆き、カーネギーが遺した「利他の精神」、そしてこの利他の精神に根差したコミュニケーションを説いています。
いわく、<利他の精神に動かされない人はいない>。
本書によると、<人を動かす力が最も大きくなるのは、次の二つの場合>だそうです。
1.あなたが何かしてあげたために、人があなたに従うとき。
2.あなたの人柄のために、人があなたに従うとき。
どちらもなければ人を動かすことはできない、つまり成功はおぼつかないわけですから、せめて他人のために何かをする習慣は持っておきたい。
本書にはほかにも、人間関係を損うコミュニケーションについて、いくつか注意を促しています。
<批判せず、非難せず、小言も言わない。相手が関心をもっていることを話題にする。自分が間違っていたら、直ちにきっぱりと認める。相手の顔をつぶしてはいけない……>
なかなか耳の痛い話ですが、それもこれも、人間はみな自己中心的であり、自尊心があり、常に自分が正しいと思っているからでしょう。
そんな人間生来の性質に対し、著者はこうアドバイスをしています。
<もしあなたが世間とうまくいかないというなら、誰が正しいかを気にするのをやめればいい。そしてこの世界を少しでも住みやすくすることに乗り出そうではないか。あなたのブーメランを埋めなさい>
本書を読んでいると、利他の精神とは何か、赦すとはどういうことか、人から好かれるとはどういうことか、その本質がわかってきます。
個人的にも読むことで猛省を促され、何人かこれまで赦せなかった人を、赦す気持ちになれました。
既に『人を動かす』を読んだ方でも、得るところが多い一冊だと思います。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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利他の精神に動かされない人はいない
人を動かす力が最も大きくなるのは、次の二つの場合だ。
1.あなたが何かしてあげたために、人があなたに従うとき。
2.あなたの人柄のために、人があなたに従うとき。
批判せず、非難せず、小言も言わない。相手が関心をもっていることを話題にする。自分が間違っていたら、直ちにきっぱりと認める。相手の顔をつぶしてはいけない……
もしあなたが世間とうまくいかないというなら、誰が正しいかを気にするのをやめればいい。そしてこの世界を少しでも住みやすくすることに乗り出そうではないか。あなたのブーメランを埋めなさい
「相手をいまあるままの人間としてあつかえば、いまより悪くなる。だが、なれるかもしれない人間に、すでになっているかのようにあつかえば、本当にそうなれる」とエマーソンは言うのだ
もらうに値しないときに、人から思いがけない好意や無条件のゆるしをもらって感動した覚えはないだろうか
自分の名前が価値をもちうるというのは、今日では明白なことである。しかし忘れてはならないのは、他人の名前を知ることが、依然として大きな成功につながるということだ
親密な友人関係は、深い結びつきと同時に、大きなリスクをはらんでいる。そのひとつは、自分は相手の人生を変えられるくらい十分に大事で重い存在だと信じているところに生じる
マハトマ・ガンジーはこう戒めている。「あらゆることに同意を強要するような友情は、その名に値しない。真の友情とは、正当な相違の重さを支えるものでなければならない。それがどれほど大きな相違だろうと」
苦労して成功したときに、手柄を自分のものにしたい気持ちは理解できるが、そうしていると友達は得られない。むしろそれは他のどんな行動よりも、その人の影響力を減らすものとなる
人は下のレベルに同調したくない。人は向上したいのだ。優位を占めたいのだ。この欲求を満たすのが挑戦することであり、ときには張り合うことだ
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『人を動かす2』D・カーネギー協会・編集 創元社
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◆目次◆
はじめに──カーネギーのアドバイスはなぜいまなお重要なのか
Part1 人づき合いの三原則
Part2 人に好感をもたれる六原則
Part3 信頼を築く十原則
Part4 人を変える八原則
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