【キャリアの行き詰まりを打開する一冊】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532261767
夢のない本です。
でも、現実を知ることで未来への希望が湧いてくる本です。
本日の一冊は、ベストセラー『人事部は見ている。』の著者、楠木新さんによる、待望の最新作。
会社を選ぶ際(就職・転職)、働き始めてから、仕事ができるようになった40歳前後と、サラリーマンは人生の中で何度か悩むことがありますが、本書には、それぞれに対する人事のプロからのアドバイスが書かれています。
・会社は、「社員の人生」にまでは責任を負えない
・自分に向く仕事は、他人が決める
・夢や希望にブレーキをかける役割が必要
・会社では、頑張ったぶんは自分には返ってこない
・40歳になったら、自分に対する評価は変えられない
こうやってちょっと並べてみるだけでも、夢のない現実的な話が満載ですが、この現実がわかった上で職探しをしたり、キャリアを積んでいけば、結果として面白い人生になるかもしれない、というのがポイントです。
たとえば、若者たちの「適職」信仰を打ち砕くくだりですが、著者がサラリーマンから転身した人のインタビューを行ったところ、<人との偶然の出会いによって次のステップが見えてきたという人が大半>だったそうです。
これは、日本的な「縁」の考え方と同じだと思いますが、<キャリアの展開は他人からの要請の中で進んでいくもの>という事実は、よくよく考えてみれば、想像もしない自分の可能性が拓かれるという点で、ワクワクします。
また、40歳以降のキャリアについても、<40歳になったら、自分に対する評価は変えられない>と厳しい言葉を浴びせながら、希望にあふれるプランをいくつか用意してくれています。
ドラッカーの言う3つの方法、
「文字どおり第二の人生を持つこと」
「パラレルキャリア(第二の仕事を持つこと)」
「ソーシャル・アントレプレナー(篤志家)になること」
に加え、「働く組織のサイズを考える」「芸名を持とう」など、行き詰まったキャリアを打開するいくつかの案を提示しています。
自身、40代後半にうつ状態になり、突然会社を休職したことのある著者が書いているだけに、アドバイスは具体的です。
今のキャリアに行き詰まりを感じる方は、ぜひ一読することをおすすめします。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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多くの会社は、あくまで組織を永続させる、業績を拡大させるという観点からしか社員を見ていない。会社は、機能としての社員のキャリアは把握しているのだが、「社員の人生」にまでは責任を負えない
採用面接では、自分のウリやPRネタを必死で話す学生は少なくない。高いレベルの能力を持った人が採用されるのだと勘違いしているから
選択の基準は「自分の部下、後輩として一緒に働けるかどうか」である(中略)採用責任者たちは、目立った能力や資格を持つ人材を採りたいとは思っていない。その会社が求めている人材にフィットしているかどうかを見ているのだ
自分に向く仕事は、他人が決める
夢や希望を追うことや仕事の中に自分らしさを求めることにブレーキをかける役割がもっと強調されるべきである
誰かの役に立っていると実感できることが、長く働ける要件
◆土光敏夫氏の著書にある「信頼される人になるための行動基準」
一、「相手の立場になって物を考える」
一、「約束をきちんと守る」
一、「いうことと行なうことを一致させる」
一、「結果をこまめに連絡する」
一、「相手のミスを積極的にカバーする」
働くことに自立という概念を立てること自体が妥当なのか
キャリアの展開は他人からの要請の中で進んでいくもの
仕事と生活について言えば、両者を区分するのではなく、相互の良循環をどのようにして生み出すかがポイントである
最近、国家戦略会議(議長・野田佳彦首相)の分科会が「フロンティア構想」の報告書をまとめた。その中で、40歳定年について言及している
40歳になったら、自分に対する評価は変えられない
ドラッカーは、この第2の人生の課題は、3つの方法によって解決できるという。
「文字どおり第二の人生を持つこと」
「パラレルキャリア(第二の仕事を持つこと)」
「ソーシャル・アントレプレナー(篤志家)になること」
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『サラリーマンは、二度会社を辞める。』楠木新・著 日本経済新聞出版社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532261767
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◆目次◆
プロローグ 人事部には見えないものがある
第1章 仕事で自己実現を目指してはいけない
第2章 会社人間になってみる
第3章 こうして会社人生への疑問は生まれる
第4章 会社はサラリーマンの家なのか
第5章 会社員のまま2つの自分を持つ方法
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