【ブランド仕掛け人が語る「手口」とは？】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163758208

本日の一冊は、マクドナルド、Ｐ＆Ｇ、マイクロソフトなどの有名企業のトップにアドバイスし、年間100万人に対して講演を行っている、ブランド・マーケティング界のグル、マーティン・リンストロームによる衝撃作。

いかにブランドがわれわれ消費者を操作し、非倫理的な方法で商品を買わせているか、さまざまな研究やデータ、関係者への取材によって明らかにしています。

胎児の頃から始める音やにおいのマーケティング、主に女性を狙った恐怖や罪悪感のマーケティング、「鮮度」信仰を巧みに突いた食品のマーケティング、中毒性の高いリップバームや化学調味料など…。

時に実名入りで大企業のマーケティング手法を暴露しており、じつに興味深い読み物です。

また、マーケティングに役立ちそうなリサーチ結果や、事実にも事欠きません。

いくつか例を挙げてみましょう。

＜胎児は母親がくり返し聞いている音楽を認識し、ほかの音楽よりも好きになる＞
＜母親が妊娠中に煙草を吸うと、そのとき胎内にいた子供は22歳以下で喫煙者になる確率が高い。同様に、母親が妊娠中にジャンクフードを沢山食べると、成長した子供もジャンクフード好きになる＞
＜女性のほうが男性よりも恐怖や罪の意識に襲われやすい＞
＜女性はセックスよりロマンスを感じさせる広告、誓いや献身、絆などを強調した広告に説得されやすい＞

人が感情でモノを買うことは広く知られていますが、本書はそれをマーケターがどう利用しているか、その裏の手口を明かした一冊です。

カモにならないためにも、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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ヘルシンキ大学高等研究院の研究者ミンナ・フティライネンは、「音楽は胎児の記憶形成に非常に強い影響をあたえる。胎児は母親がくり返し聞いている音楽を認識し、ほかの音楽よりも好きになる」と指摘している

母親が妊娠中に煙草を吸うと、そのとき胎内にいた子供は22歳以下で喫煙者になる確率が高い。同様に、母親が妊娠中にジャンクフードを沢山食べると、成長した子供もジャンクフード好きになる

「恐怖と快感をつかさどる脳の部位は、かなり重なっている」と、フィンランドのタンペレ大学（当時）の神経科学者アラン・カルエフは指摘している

人は誰でも、こういう風にはなりたくないという自分のイメージをもっている

2006年の『消費者リサーチジャーナル』に掲載された記事によると、恐怖心に強い自責の念、後悔、罪の意識、そして冒険心が加わると、感情が行動に変わるという

女性のほうが男性よりも恐怖や罪の意識に襲われやすい

私たちの非理性的な、ばい菌恐怖症の心はトルティーヤ、ホットドッグ、ピクルスなど傷む心配のない食品まで、氷の上に並べてあると、鮮度が高く食べても安全だと思い込む

中毒性を高めるためにリップバームに加えられている成分は、メントールだけではない。多くの製品に「過敏症や炎症を引き起こしかねない香料、防腐剤、ラノリン、色素」が使われている。そしてフェノールと炭酸は、自然な湿りけを作り出す皮膚細胞の働きをさまたげ、実際には唇を“乾燥させて”しまう

一般に、女性はセックスよりロマンスを感じさせる広告、誓いや献身、絆などを強調した広告に説得されやすい

ＢＢＣがすぐれた実験をおこなった。子供たちに大笑いしたり微笑んだりしている子供の写真を何枚か見せ、どの子と仲良くしたいか訊ねたのだ。するとどの子も、大笑いしている子供を選んだ

不安な時代に栄えるノスタルジア・マーケティング

マドンナも、みずからをブランド化する達人である。彼女が繰り返し何度も“変身”することは、たいていの人が知っている。だが、彼女が自分の「ブランドイメージ」を、自分の新アルバムといかに巧みに重ね合わせているか、それに気づいている人はあまりいない

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『なぜ、それを買わずにはいられないのか』マーティン・リンストローム・著　文藝春秋
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163758208

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◆目次◆

序文　ブランド漬けのあなたに
　　　──モーガン・スパーロック（映画監督）
はじめに
第１章　赤ちゃんが狙われる
第２章　パニックとパラノイアをあおって売り上げをのばす
第３章　やめられない、止まらない
第４章　その気にさせる広告
第５章　仲間はずれにされたくない
第６章　思い出は美しく
第７章　セレブの力
第８章　健康食品の謎
第９章　あなたのすべてが、見られている
おわりに　モーゲンソン一家の実験