【起業家精神とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093882649
本日の一冊は、ソフトバンクの孫正義氏、パソナグループの南部靖之氏と並び、「ベンチャー三銃士」と呼ばれたHIS会長、兼ハウステンボス社長、澤田秀雄氏による一冊。
本書には、なぜ澤田氏が18年連続赤字だったハウステンボスの経営を引き受けることになったのか、どうやって1年で黒字化したのか、その真相と、氏の起業家としての半生が書かれています。
澤田氏が旅行ビジネスを手掛けるようになったのは、氏がドイツ留学をしていた学生時代がきっかけ。
国際見本市などでフランクフルトを訪れる日本のビジネスパーソンを相手に通訳のアルバイトをしていた著者は、出張客、旅行客を相手にナイトツアーを企画し、月100万~200万円もの収入を得ていました。
とはいえ、これはあくまで学業の足しにするため、と割り切っていた著者は、毛皮の輸入販売で起業をもくろみます。
ところが、著者が新宿にオフィスを構え、お金を払い込んだ直後に、日本のワシントン条約参加が決まり、ビジネスはいきなり頓挫します。
そこで急遽始めたのが、航空券販売を始めとする現在のHISの事業でした。
本書には、著者がどうやってビジネスを伸ばしていったか、苦しい状況を乗り越えてきたか、その裏側が書かれています。
「取り組むのが早すぎた」というスカイマークの事業、ライブドア事件で自殺者まで出したエイチ・エス証券の話など、さまざまな事業の裏で、著者がどんなことを考えていたのか、その思想・マインドに触れられる一冊です。
ハウステンボス再建に関しては、債務の8割を金融機関に放棄してもらったり、九州財界5社から出資してもらったり、金銭面の現実の話と、企画・集客の話が書かれています。
フリースペースを起業家に貸し、観光とビジネスが一体となる「観光ビジネス都市」の構想は、今後の街づくり、集客のヒントとなる気がしました。
啓発書として読んだ場合、心に残ったのは、以下の3フレーズです。
<勝ち戦に便乗して確実に儲けるよりも、こんなのダメだ、できっこないと言われたことに、どうしても挑戦したくなってしまう>
<バーチャルは結局どこまで行ってもバーチャルであり、知識はどこまで極めても知識でしかない>
<成功など、いつかすればいい。そもそもいきなり成功することなど滅多になく、失敗して鍛えられた結果、だんだん確率が上がっていくのだ>
読んでいると、起業家精神がむくむくと湧いてくる、そんな内容。いつか起業しようと思っている若いビジネスパーソン、経営者におすすめの一冊です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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経営者としていいのか悪いのかはわからないが、勝ち戦に便乗して確実に儲けるよりも、こんなのダメだ、できっこないと言われたことに、どうしても挑戦したくなってしまう
企業経営にあって政治に欠けているのは、「いつまでに何をするか、いつまでにどう変わるか」という、理念プラス時間の概念
社会保障は大切だし、そのためには消費税の税率を上げるのは大切なことかもしれない。その重要さは理解するが、いま国論を分けて議論されていることには、全体として夢の要素に欠けていることについて、もっと危機感を持ったほうがいい
私が暮らしているマインツから、ドイツを代表する商都フランクフルトまでは、鉄道で40分ほどしか離れていない。フランクフルトでは国際的な見本市なども多く開催されていて、当時から日本のビジネスパーソンが多く訪れていた。私の最初のアルバイトは、彼らのための通訳だった。すると、顧客である日本人からは、通訳以外のリクエストが多いことに驚いた。街を案内してほしいというのだ
私も含め、日本人客も、お店の経営者も、ホテルのマネージャーもみな満足する。誰も損をしない。だからうまくいったのだと思う。これも、後の私のビジネスの基本ルールとなった
やらずに後悔しながら死ぬことと比べれば、怖いものなどない
現在、ハウステンボスの面積のおよそ3分の1は、入場料のかからない「フリーゾーン」である。これは、無料のゾーンを作ればお客様を集めやすい、というのが主な理由ではない。あまりに広すぎるハウステンボスにおいて、選択と集中を図るための手段である
ベンチャー企業が事業を成功させていくことによって、観光とビジネスが一体となる。それはもはやテーマパークではなく都市だ
打席に立ち続けないことには打率は上がらない
バーチャルは結局どこまで行ってもバーチャルであり、知識はどこまで極めても知識でしかない
成功など、いつかすればいい。そもそもいきなり成功することなど滅多になく、失敗して鍛えられた結果、だんだん確率が上がっていくのだ
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『運をつかむ技術』澤田秀雄・著 小学館
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093882649
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◆目次◆
序章 チャレンジが生むもの
第1章 いくつかの冒険
第2章 ハウステンボス 新たな挑戦
第3章 大切な失敗、大切な夢
第4章 運をコントロールする
第5章 これから
終章 もう一度、旅へ
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