【ジャーナリストが見たアマゾンとジェフ・ベゾス】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249158
本日の一冊は、先日キンドルストアを発表し、話題となっているアマゾンに関する一冊。
シリコンバレーについて20年以上書き続けているジャーナリストのリチャード・ブラントが、関係者の証言と資料からアマゾンとその創業者ジェフ・ベゾスを追ったもので、稀代の起業家、ジェフ・ベゾスの素顔を知ることができます。
土井がジェフ・ベゾスに会ったのは、アマゾン在籍時代に2回だけでしたが、豪快な笑いと明晰な頭脳が魅力的な人物でした。
『ワンクリック』は、そんなベゾスの生い立ちと起業家精神、アマゾン起業の経緯などをまとめた内容で、起業家もしくはこれから起業を目指す人には、参考になる部分が多々あります。
牧場で養われた「絶対に解決できない問題などない」という信念、ノーを突きつけてくる宇宙に対し、イエス!を叩きつける精神、理論的に考えることの大切さ、機会や人を得ることの重要性、そしてチャンスに直面した時に、どんな手順、ポイントで考えるか…。
アマゾンが本からスタートしたのは、それが以下の条件を満たしていたからだそうですが、ここには「伸びる」ビジネスの条件、自社が「勝てる」ビジネスの条件が織り交ぜられています。
1.よく知られた製品であること
2.市場が大きいこと
3.競争が激しい
4.仕入れが容易
5.販売書籍のデータベース作成
6.ディスカウントのチャンス
7.送料
8.オンラインの可能性
本書には、ベゾスがこれまでに手掛けた事業の詳細が書かれており、読んでいるうちに、ベゾスの決断や思考を追体験できるように作られています。
起業家を目指すなら、考え方のトレーニングとして、ぜひ読んでおくといいでしょう。
著者がアマゾンやジェフ・ベゾスに対し、不必要に攻撃的なのが気になりましたが、それを除けば、興味深い内容です。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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鋭い知性に成功を求める意欲、不合理に見えるほど頑固という生まれながらの性格もプラスに働いてきた。これはいずれも、生まれながらのアントレプレナーが持つ特徴なのだ
「土を相手に仕事をすると自存的になります。そうやってジェフは、絶対に解決できない問題などないと学びました。障害は、障害だと思うから障害なのです。そう思わなければチャンスになります」
3歳になったころ、ジェフは、ベビーベッドに寝かされるのががまんできなくなり、「ほんとのベッドがいい」と母親に訴えた。しかし、まだ幼く、落ちたら危ないと心配する母親に拒否される。ずいぶんと言い争ったが母親は首を縦に振ってくれない。それならとジェフは、ねじ回しでベビーベッドをばらばらにしてしまう
1987年のプリンストン大学卒業記念アルバムでは、ジェフ・ベゾスの写真の隣にSF作家、レイ・ブラッドベリのなかなかに大胆で謎めいた言葉が引用されている──「宇宙はノーを突きつけてくる。それに対して我々は肉体の総力をもって反撃し、イエス!をたたきつける」これは、ベゾスにとって人生の大事な指針となった言葉だ
「人生は短くて、知力のない人とつきあっている暇などありませんから」
◆事業を「本」からスタートした理由
1.よく知られた製品であること
2.市場が大きいこと
3.競争が激しい
4.仕入れが容易
5.販売書籍のデータベース作成
6.ディスカウントのチャンス
7.送料
8.オンラインの可能性
◆後悔最小化理論
年を取って人生をふり返ったとき、どちらの道を選んだほうが後悔しないのかと考える
「失敗を覚悟すると、心は軽くなるのです」
面接では、「耳が不自由な人向けの車を設計するとしたら、どうしますか?」など、突拍子もない質問を投げかける
◆ベゾスの経営哲学
1.徹底的な顧客主義
2.きちんとしたものができるまで、発明、再発明をねばり強く
3.長期的に考えること
4.「毎日が初日」
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『ワンクリック』リチャード・ブラント・著 日経BP社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822249158
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◆目次◆
第1章 ワンクリックではまだ不満
第2章 生い立ち
第3章 就職
第4章 ベゾス、インターネットを発見する
第5章 ガレージの4人組
第6章 優れた書店の作り方
第7章 苦労の波
第8章 軍資金の調達
第9章 成長
第10章 書店とは誰のこと?
第11章 クラッシュ
第12章 ベゾス、キンドルに賭ける
第13章 アマゾンは書店を駆逐しつつあるのか?
第14章 おかしな笑い方をするクールな男
第15章 では、ベゾスはどういうマネージャーなのだろうか
第16章 頭をクラウドに突っ込んで
第17章 一歩ずつ、果敢に
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