2012年10月4日

『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』岩田松雄・著 Vol.2998

【元スターバックスCEOが教える働く理由とは?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4776207451

以前、ある成功した起業家が、こんなことを相談してきました。

「事業で成功してしまったら、これから何を目指したらいいかわからなくなったんです」

その方は、IT関連の事業で成功し、ベストセラーも書き、世間的には「成功者」と呼ばれる人でした。

それではなぜ、彼は行き詰ってしまったのでしょうか?

彼にはその時、「上手く行くやり方」は見えていたけれど、「やらなければいけない理由」が見えていなかったからだと思います。

この「やらなければいけない理由」を、経営では、「ミッション」と呼んでいます。

ミッション(mission)というのは、「使命」のことですが、これをソフィアバンク代表の田坂広志さんは、「この命、何に使おうか。それが使命という言葉の意味です」とおっしゃっていました。

ミッションは、リーダーに情熱を吹き込み、共感する人々を集め、期待以上の仕事を生み出す。迷った時には指針となり、組織が一丸となって進むべき道を指し示してくれるものです。

本日ご紹介する一冊は、この「ミッション」について、元スターバックスコーヒージャパンCEOの岩田松雄さんが述べた一冊です。

著者は、「THE BODY SHOP Japan」を運営する株式会社イオンフォレストでも代表を務めた人物で、本書では、スターバックス創業者のハワード・シュルツや、「THE BODY SHOP」の創業者アニータ・ロディックのエピソードを交えながら、ミッションとは何かを論じていきます。

みなさんは、なぜスターバックスが長居する客を追い出さないのか、不思議に思ったことはありませんか?

その理由は、スターバックス・インターナショナルの元社長、ハワード・ビーハーの言葉を聞けばわかると思います。

「私たちは人々のお腹を満たしているのではない。心を満たしているのだ」

これこそが、スターバックスのサービスが優れている理由であり、なぜ彼らが働くのか、という理由です。

どんな事業にも、ミッションがあり、著者が言うところの「火花散る一瞬」(価値を付加する瞬間)がある。

ただ、人間はそれを忘れがちだということなのです。

本書では、われわれが迷った時、ミッションに立ち返ることができるように、著者がいろいろとノウハウや感動エピソードを示してくれています。

働くことの喜びを思い出すために、生き方の指針を見出すために、ぜひ読んでおきたい一冊です。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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スターバックス・インターナショナルの元社長で、私が敬愛するハワード・ビーハーはこう言っています。「私たちは人々のお腹を満たしているのではない。心を満たしているのだ」

世界を変えてきた人たちは何かに「突き動かされるように」生きています。単なる自己の満足のためではなく、ミッションを持って闘っている。その使命感こそが、人々の期待を大きく超
え、感動を呼び、社会を好転させる源泉になると私は信じます

自らの働き方ばかりにスポットを当てている限り、人々を感動させることはできない。重視すべきは「働くスタイル」ではなく、「いかに人々を喜ばせるか」だと信じます。ミッションを
掲げ、社会を変える一翼を担うことだと信じます

「この工程で価値を生んでいるのは、鉄板同士が溶接されてくっつくということだけ。あとは何も関係ない。部品の運搬をどう効率的にやろうが、在庫を抱えている時間が何日あろうが、
会議で何を話し合おうが、それは本質的に価値を生み出していないんだ。あの火花が散っている瞬間だけが、価値を生み出している。そういう目で現場を見なさい」(日産の上司の言葉)

彼らが1杯のコーヒーで2時間も3時間も席を使っていたことは、スターバックスの売り上げには確かに短期的にはマイナスの要因だったかもしれません。しかし、彼らがお店にいた時間
の分だけ、何らかの新しい価値を創造し、世の中によい影響を与えているとしたら、それこそがスターバックスの存在理由なのです

アニータは「人権を尊重します」と宣言し、日本のザ・ボディショップもそれを掲げています。ところが私が実際に目にしたのは、お客様に向けられていた監視カメラでした

社員を大事にしない企業はミッションを実現できない

ブランドとミッションは表裏の関係

ミッションがある人はがんばれる

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『ミッション 元スターバックスCEOが教える働く理由』岩田松雄・著 アスコム

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◆目次◆

序章
第1章 どうすれば人を魅了できるのか
第2章 ザ・ボディショップとアニータ・ロディック
第3章 スターバックスはコーヒーを売っているのではない
第4章 僕たちは何のために働くのか
第5章 自分のミッションを作る7つのヒント
第6章 火花散らすリーダーの8つの習慣
第7章 ミッションを育てる時間術、勉強法、読書術
終章

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