【変化に負けない、クリエイティブ思考】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756242898
大学時代、経営関連の授業で、「コンティンジェンシー理論」なるものを学びました。
『デジタル大辞泉』の解説によると、「あらゆる経営環境に対して有効な唯一最善の経営組織は存在しないとして、経営環境が異なれば有効な経営組織は異なるという立場をとる理論」のことだそうです。
変化の激しい時代に、変化しない組織や個人は淘汰されます。ビジネスの場合、顧客や職を失いますし、国家が戦争をした場合には、多くの人命が失われることにつながります。
では、どうすればそのような悲劇を避けられるのでしょうか。
先日ご紹介した『良い戦略、悪い戦略』によれば、「古典的な軍事戦略では、防御側は高地をとるのがよいとされている」そうですが、高地を一気に取るための方法論が「イノベーション」です。
※参考:『良い戦略、悪い戦略』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4532318092
本日ご紹介する一冊は、この「イノベーション」を可能にする「ベロシティ思考」について、世界最高峰のクリエイティブエージェンシーAKQAを率いるアジャズと、NIKEデジタルスポーツ担当副社長ステファンが対談した一冊。
状況を一変させることができるイノベーション人材になれば、どこの組織に行っても重宝されますし、自分でビジネスを起こすことも可能ですから、変化に強い人間になれます。
変化を恐れず、変化にチャンスを見出す。「ベロシティ」を味方につけた者が、次の時代の勝者になれるのです。
本書に序文を寄せているリチャード・ブランソンの言葉を引用すれば、<いま起きている世界の変化に対して、私たちはみなヴァージンである。だからこそベロシティという概念が重要になってくる>ということです。
本書には、このベロシティ思考が身につく、数多くの成功者の言葉や考え方が登場します。
「後ろを振り向くな。その間に追いつかれるぞ」と書いたかつての名野球選手サチェル・ペイジ、「“月並み”というキャンディに気をつけろ。一度なめると、一生なめ続けることになる」と言ったビーチボーイズのブライアン・ウィルソン、「子どもはみんな芸術家だ。問題は、大人になっても芸術家でいられるかどうかだ」と言ったピカソ…。
クリエイターのための自己啓発書といった趣の本ですが、読者が起業家精神あふれる方ならば、きっと心に響く言葉が見つかるはずです。
ぜひチェックしてみてください。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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起業家にとって、変化は「酸素」である。変化があるからこそ、ビジネスに活力が生まれ、ビジネスへの熱意が生まれる(リチャード・ブランソン)
未来に貢献する最良の方法は、自分のもちうるものすべてを、現在のために使うことだと思う(アジャズ・アーメッド、ステファン・オーランダー)
銃の前では、最強の手札も無力になる(アジャズ)
組織はコア・コンピタンスになる業務をアウトソースすべきではない(アジャズ)
後ろを振り向くな。その間に追いつかれるぞ(野球選手 サチェル・ペイジ)
ナンバー1の座を保つためには、ナンバー2のようにトレーニングすることが必要なんだよね(ステファン)
企業は、摩擦をなるべく減らさなければならないのであって、増やしてはいけない。すでに行っていることを、より簡単に行う方法を見つけられるか。未来はそこにかかっているんだ(ステファン)
未知の世界に飛び込もうとしている時、自信を引き出してくれるのは、最も重要なつながり、つまり顧客との直接的なつながりだ(ステファン)
イノベーションで最も大事なのは、主流とは異なる道を歩むこと。そうすることで、普通とは一線を画す「つながり」を生み出せるようになる(ステファン)
自分自身が制作・生産するプロダクトのヘビーユーザーであるべき(ステファン)
いまは「コネクティッドネス(*互いにつながっている)」の時代。人々がシェアしたくなるようなものを生み出せるかどうか、が鍵になる(アジャズ)
他人の人生を楽にするということは、たいてい、自分自身の人生を辛くすることを意味する(ステファン)
製品の種類を減らし、ひとつの製品のメリットを増やすんだ
(ステファン)
人が反応するのはヴァイブであり、コンテンツではない(アジャズ)
「人間らしさ」というレンズを通して世の中を見ることができるビジネスは、成功する可能性が高い(ステファン)
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『ベロシティ思考』アジャズ・アーメッド、ステファン・オーランダー・著 パイインターナショナル
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756242898
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◆目次◆
1.銃の前では、最強の手札も無力になる。
2.行うは易く、言うは難し。
3.最高の広告は、広告ではない。
4.手軽さは、正しさの敵である。
5.そこに「人」がいることを忘れずに。
6.最高のジョークも、会議にかけるとダメになる。
7.自分自身よりも大きな目標をもて。
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