2012年8月26日

『やっぱり!株は上がるぞ』澤上篤人・著 Vol.2959

【株は上がる?】
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756915744

本日の一冊は、16年にわたりピクテ・ジャパンの代表を務め、現在はさわかみ投信の最高投資責任者として活躍する澤上篤人さんが、大胆にも「日本株上昇」の予言をした一冊。

表紙に<「国債バブル」が崩れ「預貯金安全神話」が終わるとき>とあるように、著者が予測しているのは、債券から株式へのマネーシフト。

もちろん、株の運用でメシを食っている著者ですから、無批判に受け取るわけにはいきませんが、それでも挙げられている証拠のいくつかには、興味深いものがあります。

なかでも興味深かったのは、<日本株市場が21年にもわたって暴落とジリ貧を繰り返してきた最大の要因は、「持ち合い解消売り」である>という指摘です。

<大和総研の調べによると、1988年3月末の時点で持ち合いや政策保有は、東証1部上場銘柄の全発行株数の55・3%を占めていた>そうで、現在は、これが全発行株数の8%前後にまで下がってきているそうです。

つまり、これ以上売られる大きな理由はないというのです。

では、今後株が買われる理由は一体何なのか?

著者は、その理由として、世界のマネーがリスク回避の対象として日本国債に向かっていること、債券から株式へ世界のマネーがシフトすることなどを挙げています。

また、著者の主張として、<預貯金のたった1・6%をポンと消費にまわすだけで、日本経済は瞬時に2・7%成長してしまう><介護需要の高まりが世界に例を見ないロボット産業を創り出す>など、実現可能性はともかく、興味深い持論が展開されています。

これから株投資を始めようとする方は、ぜひチェックしてみてください。

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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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いつの時代でも、富を創出できる個人や企業に前向きの行動を取らせるのが、経済活性化に一番の特効薬

個人の預貯金783兆円(2011年12月末、日銀速報)の10%が日本経済の現場に投入されると、これはすごいことになる。日本経済は預貯金が引き出されるマイナス分を差し引いても、正味10%~11%ぐらいの成長は見込まれる

介護需要の高まりが世界に例を見ないロボット産業を創り出す

いつまでもモノの生産を中心に経済を考えようとするのがおかしい(中略)成熟化を深めている日本経済の構造は生産中心から消費主体へと、どんどん変わっていっているのだ

預貯金のたった1・6%をポンと消費にまわすだけで、日本経済は瞬時に2・7%成長してしまう

モノ以外のことに、お金をつかおうとしないから、預貯金残高ばかりが積み上がることになる(中略)具体的には、文化・教育・芸術・スポーツ・技術開発・ボランティア活動・NPOなどに、人々はどんどんお金を使うようになる。それが産業構造のサービス化であり、成熟経済では普通の姿である

はっきり言おう。日本株市場が21年にもわたって暴落とジリ貧を繰り返してきた最大の要因は、「持ち合い解消売り」である

大和総研の調べによると、1988年3月末の時点で持ち合いや政策保有は、東証1部上場銘柄の全発行株数の55・3%を占めていた(中略)構造的な売り圧迫要因だった持ち合いは、全発行株数の8%前後にまで下がってきている

そもそも、年0・02%しか富を生まない預貯金にGDPの1・6倍もの資金を寝かせたままにしているのが、いけないのだ

日本人は相変わらずまじめに働くが、お金をつかわなくなった──そこが問題

世界のマネーはリスク回避の対象として、米国を筆頭にドイツやスウェーデンそして日本の国債にどんどん向かっている

債券から株式へと世界のマネーがシフトする

◆プライベートバンク的な財産の保全
1.戦争や政変に対して
2.インフレに対して
3.金利の大きなトレンド変化に対して

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『やっぱり!株は上がるぞ』澤上篤人・著 明日香出版社

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4756915744
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◆目次◆

第1部 こんなにもある、日本株を買えない理由?
    ──ひとつづつ潰していこうか
第2部 どうせ、株を買わざるを得なくなる
第3部 株買い材料は、これでもかこれでもかと揃ってきている

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