【ディベートのプロが教える「勝てる」話し方】
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ライター時代、師匠が過去のインタビューの失敗事例について語ってくれました。
(ちなみに、師匠はインタビューの達人です)
あるヘヴィメタルバンドを取材したらしいのですが、みな寡黙な人たちだったらしく、質問をしても「まあまあですね」「いや、そうでもないです」など、素っ気ない答えばかり。
インタビューは終始盛り上がらず、あっという間に約束の1時間が終わったそうです。
意気消沈した師匠が、去り際に、「そういえば、先日同じヘヴィメタバンドの○○を取材しましたよ」と伝えたところ、バンド全員の目が輝き始め、「マジっすか!ファンなんですよ!」と大盛り上がり。
「あの質問を先にしておけば良かった…」と語る師匠の横顔は、本当に悔しそうでした。
人をその気にさせたり、説得するには、「順番」や「伝え方」が重要です。
アパレルの定員さんでも、「何をお探しですか?」「どんなデザインがお好きですか?」など、いきなり根掘り葉掘り聞き始め、客をうんざりさせる人がいますが、あれも「説得」に関する勉強をしていないのが原因でしょう。
せっかく目の前にいるお客様を、勉強が足りないがために逃してしまっては、稼げるものも稼げない。
そこで読んでおきたいのが、本日の一冊『すごい説得力』です。
著者は、学生時代に数々のディベート大会で優勝し、現在NPO法人ザ・エンターテインメント・ディベートBURNING MINDS理事を務める太田龍樹氏。
本書では、現役の営業マンでもある著者が、営業や交渉で使える説得のテクニックを、会話例も交えながら解説しています。
先ほどの師匠の失敗例や、アパレルの店員さんに共通するのは、<最初の質問で、相手の「希望」や「好き嫌い」を尋ねるのは避けるべき>という、原理原則を踏まえていなかったこと。
本書によると、最初の質問は、「○○を今まで使ったことがありますか?」「○○に行ったことがありますか?」など、「過去の事実や体験を聞く質問」がベストとのこと。
また、会話をスムーズに進めたければ、答えが明確に出る「限定質問」(who when where)から始め、心の壁を崩してから、「拡大質問」(what why how)で深堀りするのが良いそうです。
ほかにも、話し始める際、内容にラベル(小見出し)をつける(ラべリング)、話のポイントを数字で伝える(ナンバリング)など、説得のためのテクニックが満載。
反論に備えるための「切り返し質問」や「ブーメラン法」「逐次説明法」「目には目を、質問には質問を」法など、どんなケースにも対応できる、基本ワザが、ひと通り網羅されています。
「クロージングなき明日を迎えてはならない」
これは、著者の師匠が教えてくれた言葉だそうですが、まさに人生はクロージングすることによって拓かれるもの。
自らの可能性を切り拓くために、より豊かな人生を歩むために、ぜひ学んでおきたい、説得の教科書です。
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▼ 本日の赤ペンチェック ▼
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「ラべリング」
これから相手に伝える内容について、ラベル(小見出し)をつける
「ナンバリング」
これから相手に伝える内容に数字を振って示す
「ポイントは、3点あります」
できる人は、必ず「主張+理由」で説明する
◆カウンタープランを出す際の2つの条件
1.発想がまったく違う代替案を提示すること
2.同時に実行することができない代替案であること
人や組織それぞれの価値観や感情に基づく「隠れた理由づけ」は、私たちが人間関係を築いたり仕事を進める上で、壁となる元凶であることが多いものです。交渉がうまくいかない、すれ違いが生じている相手がいる、というのであれば、まず「隠れた理由」を探ってみてください
人の心を動かす一番の動機になるものは、相手がその言葉を受け入れることによって得られる何らかの「メリット」です
最初の質問で、相手の「希望」や「好き嫌い」を尋ねるのは避けるべきです(中略)「○○を今まで使ったことがありますか?」「○○に行ったことがありますか?」というような「過去の事実や体験を聞く質問」がベストです
まずは「限定質問」で心の壁を崩してから、「拡大質問」で深堀りをする。人間心理を考慮すると、これが一番自然な流れ
◆切り返し質問の例
お客様「高級時計しか扱ってないの?」
店員「というと、どのような時計をご希望で?」
お客様「この商品はデザインに特色がない」
店員「具体的にどのようなデザインをご希望ですか?」
◆話し下手な人の口を開かせるのに効果的な、2つの質問
1.時系列方式 2.優先順位方式
◆反論テクニック1.ブーメラン法
「おたくは他より2割高いからね」
「2割高いからこそ、お客様に大きな意味があるのです。
なぜなら……」
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『すごい説得力』太田龍樹・著 三笠書房
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◆目次◆
序章 「説得をする力」は、「結果を出す力」
1章 徹底的に「わかりやすく伝える」説明の技術
2章 あなたの説得力が倍増する質問法・反論法
3章 タイプ別──説得相手を丸裸にする方法
4章 相手の心理を巧みにつく表現のテクニック
終章 最後は、この「人間力」がモノをいう!
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